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2019年5月21日発売

花鳥社

出版社名ヨミ:カチョウシャ

訓読と漢語の歴史[ものがたり]

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内容紹介
訓読文はどのように成立しどのような変遷をたどったのか

なぜ昔の日本人は、中国語の文章や詩を翻訳するときに、「ちょっと違った感じのする日本語」にしたのか。
訓読文を語るときに欠かせない、漢語についても詳しく説明——漢語とは何か、どのように日本語の中に入ってきたのか。
漢文の授業が苦手だった人も楽しめる「ものがたり」。
目次
 本書を読んでくださる方へ

序章 本書の基本的立場
 1 「歴史」ということばの捉え方
 2 訓読と訓読文についての研究
 3 本書における言語と文字の関係
  3・1 記号としての言語と記号としての文字の関係
  3・2 表意文字と表音文字について
 4 本書の構成

第1章 訓読についての基本的説明
 1 「訓読」とはどういうことか
  1・1 本書における「訓読」の定義
 2 訓読のプロセス
 3 訓読の過程における2種類の制約の再確認
  3・1 解釈における選択幅と文体面における選択幅
  3・2 表記における選択幅
 4 訓読行為の主体

第2章 他文化受容の一形態としての借用
 1 借用について
  1・1 借用の定義
  1・2 借用とコードスイッチング
 2 借用語としての漢語
 3 漢語借用のはじまり
  3・1 漢語と訓読文
  3・2 なぜ借用するのか
 4 その後の漢語
  4・1 漢語と和文
  4・2 漢語と和漢混淆文
  4・3 漢語と現代標準日本語

第3章 漢語の受容と日本語の変化
 1 借用語の定着度について
 2 訓読文と漢語
 3 中国語の単語を借用するための工夫
  3・1 日本語の単語としての加工
  3・2 日本語のルールの変更
 4 漢語使用の広がりと漢語の違和感の軽減
  4・1 漢語使用の広がり
  4・2 音便について
  4・3 和漢混淆文中の漢語の存在意義
  4・4 本章のまとめ

第4章 訓読文体の確立と訓読文の表記の変遷
 1 訓読の定義再論
  1・1 訓読の一般的説明
  1・2 一般的な説明の問題点
 2 書記言語としての訓読文
  2・1 「文体」について
  2・2 口頭言語と書記言語
  2・3 訓読文の位置づけ
  2・4 訓読文体の成立
  2・5 集団規範としての訓読文
 3 訓読文の表記の変遷
  3・1 訓読文のさまざまな表記
   3・1・1 ヲコト点による表記
   3・1・2 角筆による表記
   3・1・3 紙の裏側への書き込み
   3・1・4 簡略文字や読み順を示す記号による表記
  3・2 訓読文表記の変遷のまとめと訓読文という文体の確立

第5章 訓読文の変遷と終焉
 1 訓読文とその他の言語変種
  1・1 諸言語変種の整理
  1・2 文字列の外見からの言語変種の区別の可能性
 2 その後の訓読文
  2・1 拡張訓読文の成立
  2・2 拡張訓読文の具体例
  2・3 他の文体への影響
   2・3・1 和漢混交文
   2・3・2 候文
   2・3・3 普通文
  2・4 書記言語としての拡張訓読文と標準日本語の位置の違い
 3 訓読文の終焉
  3・1 訓読文の特質と限界
  3・2 書記言語の取り替え

第6章 漢語が仲立ちした書記言語の交替
 1 訓読文と標準日本語の漢語使用調査
  1・1 訓読文と標準日本語の関係
  1・2 漢語の使用率について
   1・2・1 漢語の分布
   1・2・2 漢語使用率に関する先行研究
 2 訓読文における漢語の使用率の高さ
  2・1 訓読文と漢語の関係
  2・2 訓読文における漢語の使用率調査
  2・3 近代の訓読文における漢語使用率の高さ
 3 近代の標準日本語における漢語使用
  3・1 標準日本語について
  3・2 標準日本語における漢語の使用率調査
  3・3 標準日本語の漢語使用率の高さ
 4 調査結果のまとめ

終章 まとめとひとつの問題提起
 1 まとめおよび本書の意義
 2 ひとつの問題提起
  2・1 本書の内容と漢文教育
  2・2 漢文教育の問題点1 名称の問題
  2・3 漢文教育の問題点2 訓読漢文と書き下し文の違いに関する問題
  2・4 漢文教育の問題点3 ひとつの訓読法を絶対視しすぎる問題


参考文献
索引
著者略歴
福島 直恭(フクシマ ナオヤス fukushima naoyasu)
1959年北海道生まれ。 学習院女子大学国際文化交流学部教授。 博士(言語学)。 著書に、 『〈あぶないai〉が〈あぶねえe:〉にかわる時― 日本語の変化の過程と定着』(笠間書院、2002) 『書記言語としての「日本語」の誕生― その存在を問い直す』(笠間書院、2008) 『幻想の敬語論―進歩史観的敬語史に関する批判的研究』(笠間書院、2013) などがある。
タイトルヨミ
カナ:クンドクトカンゴノモノガタリ
ローマ字:kundokutokangonomonogatari

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