近刊検索 デルタ

2023年12月16日発売

吉田書店

出版社名ヨミ:ヨシダショテン

ルソーからの問い、ルソーへの問い

実存と補完のはざまで
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内容紹介
政治の源流たる古代ギリシャ・ローマ、戦争と革命に彩られた西洋と日本の近代、そして『エヴァンゲリオン』――「ルソー的なるもの」をめぐる思想史論集

人類に真の「幸福」をもたらす秩序とは、いかなるものか。生涯を賭けてこの問いに挑んだ思想家、ジャン=ジャック・ルソーは、近現代の精神史に巨大な足跡を遺した。その射程は、現代日本のアニメーション文化にまで及んでいる。本書はルソーの思想の本質を解き明かしたうえで、ゲンツ、ニーブーア、トクヴィル、林達夫、福田歓一など、「ルソー的なるもの」に魅せられながらも対峙した知識人たちの軌跡をたどる。気鋭の思想史研究者による、知的刺激に満ちた論集。
目次
序 章

第Ⅰ部 「ルソー的なるもの」をもとめて

第1章 「ルソー的なるもの」の現在――『新世紀エヴァンゲリオン』
はじめに
1 否定性の物語
2 「自分で考え、自分で決める」
3 「ルソー的なるもの」をめぐって

第2章 実存と補完――ジャン=ジャック・ルソー
はじめに
1 疎外
2 実存
3 補完
4 「名状しがたい空虚」

第Ⅱ部 ルソーとの対峙

第3章 均衡の宇宙――フリードリヒ・ゲンツ
はじめに
1 政体と均衡――ルソーとの対峙
2 歴史と均衡――革命に抗して
3 平和と均衡――「技術」としての「政治」

第4章 起源としてのローマ王政――B・G・ニーブーア
はじめに
1 方法と関心
2 ローマ王政論
3 「立法者」としてのセルウィウス

第Ⅲ部 ルソーが遺したもの

第5章 平等と専制
はじめに
1 古代ギリシア
2 一八世紀
3 一九世紀
4 二〇世紀

第6章 象徴と政治
はじめに
1 フランス革命と一九世紀
2 二〇世紀(1)――「象徴」の操縦
3 二〇世紀(2)――福田歓一とルソー

第7章 笑うエピキュリアン――林達夫
はじめに
1 「戦闘的無神論者」
2 「フォークロア」へ
3 「エピキュリアン」と「政治」の運命

終 章 歴史研究は何の役に立つのか――ルソーとトゥキュディデス
著者略歴
熊谷 英人(クマガイ ヒデト kumagai hideto)
明治学院大学法学部准教授 1984年、東京都生まれ。東京大学法学部卒業後、東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了。博士(法学)。 専門は政治学史(西洋政治思想史)。 著書に、『フランス革命という鏡――十九世紀ドイツ歴史主義の時代』(白水社、2015年。サントリー学芸賞(思想・歴史部門)受賞)、『フィヒテ 「二十二世紀」の共和国』(岩波書店、2019年。日本フィヒテ協会賞(第二部門)、吉野作造研究賞(最優秀賞)受賞)、『戦後日本の学知と想像力――〈政治学を読み破った〉先に』(共著、吉田書店、2022年)など。
タイトルヨミ
カナ:ルソーカラノトイルソーヘノトイ
ローマ字:rusookaranotoirusoohenotoi

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