近刊検索 デルタ

2023年9月29日発売

三月社

出版社名ヨミ:サンガツシャ

灰都と緑園

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内容紹介
英国のスクリーン・アート(映画などの視覚芸術)や英語圏の文学作品を中心に、「灰の都」「緑の園」のシーンを回想し、それらを旅の「水面」の記憶に繋ぎ、観想する──人間理解を深めるこれまでにないアートの思索。「映画であれば、その作中人物、その仕事、その生活環境、そしてその色彩感覚は、作品を作った人々の人間理解の仕方を語る。幸福や理想について映画を通して考えるのは悠長に過ぎると言われもするだろうが、そのありようだけはおさえておきたい」「緑の世界は一見、人を招き寄せるかに見えるものの、時に見たくないものは見ないでおこうという感情と結びつくこともありうる。他方、灰色の世界は死と背中合わせというほど深刻な側面を持ちつつも、そこに一条の光がさしているということもある」(本文より)
目次
『灰都と緑園─ 河川と記憶を巡る英国スクリーンアート』◉目次
はじめに…………………………2
第一章 緑色と灰色…………13
緑のメタフィクション─『つぐない』[小説家となった妹]…………14
フィルムと灰色─『欲望』[モデル、写真家]…………17
真実がそろう時─『秘密と嘘』[検眼師]…………20
緑の抵抗─『ピータールー:マンチェスターの悲劇』[帰還兵]…………21
ラテン・アメリカ文学素描…………22
ラテン・アメリカと読書のユートピア…………23
長編を書く、長編を読む…………25
中心と周縁の作家…………28
旅と救いの場…………30
庭園を造る─『シェイクスピアの庭』[劇作家]…………32
緑の庭で過ごす人…………35
画家たちの緑…………37
文芸作品と漫画…………42
ことばの構築物…………45
第二章 記憶の水面─ヨーロッパ諸都市の水…………47
イギリス─テムズ川…………48
欧州の街をめぐる運河と川…………50
ポルトガル─テージョ川…………51
フィレンツェ─アルノ川…………54
ローマ─テヴェレ川…………56
広場と路地の色…………57
ヴェネツィア群島…………60
雨のアジア…………62
東京の水…………64
関東の水…………66
第三章 映画の色…………69
映画のなかの配役とその仕事…………70
灰色の都市の相剋─『狼たちの処刑台』[退役軍人]…………71
屈服しない色─『ウィンストン・チャーチル』[政治家]…………74
邂逅─『プライベート・ライアン』[兵士]…………76
悲劇と喜劇─ヒュー・グラント出演作品…………77
ロンドンの配色…………79
図書館の配色…………80
第四章 批評と鑑賞─植草甚一の仕事から…………83
第二次世界大戦以前から一九五○年代までに作られた作品群
「シネマディクトJ」…………84
時間軸の長いディケンズ─『大いなる遺産』…………85
赤と緑─『黒水仙』[修道女]…………87
映画批評とカノン…………88
Jの街と都市を歩き巡る…………89
Jのニューヨーク…………91
都市を記憶する文学…………93
世田谷の作家たち…………94
外国映画連想…………95
第五章 スウィンギング・ロンドン…………99
ロンドンを中心とした一九六〇年代作品群
スウィンギング・シックスティーズ❶─『ラストナイト・イン・ソーホー』[学生]…………100
スウィンギング・シックスティーズ❷─『マイ・ジェネレーション ロンドンをぶっとばせ!』…………101
パブリック・スクールの内と外─『イフ』『チップス先生、さようなら』[教師と生徒]…………103
豪華な車と運命─『黄色いロールス・ロイス』[写真家]…………104
動く箱の中の人生と映画…………106
メディアのもつ力─『ビギナーズ』『血を吸うカメラ』[写真家]…………107
映像の世紀に消えるもの─『華氏451』[消防士]…………110
第六章 映画化された古典を観る…………111
時代を越える文芸作品
グウィネヴィアとアーサー王の映画群─『キング・アーサー』…………112
勇気の意味─『ベオウルフ/呪われし勇者』[戦士]…………114
雨宿の旅人たちの物語─『カンタベリー物語』[イギリス中世の人々]…………116
歴史の英雄譚─『アイバンホー』[騎士]、『タイタス』[皇帝]…………117
十八世紀のイギリス❶─『トム・ジョーンズの華麗な冒険』…………118
十八世紀のイギリス❷─『モル・フランダーズ』…………119
十八世紀のイギリス❸─『ガリヴァー旅行記』…………120
ジェイン・オースティン作品の映画❶─『マンスフィールド・パーク』…………121
ジェイン・オースティン作品の映画❷─『ノーサンガー・アビー』…………122
ジェイン・オースティン作品の映画❸─『いつか晴れた日に』[牧師]…………123
ジョージ・エリオット作品の映画─『ミドルマーチ』[慈善家、治安判事]…………124
E・M・フォースター作品の映画─『ハワーズ・エンド』とエマ・トンプソン…………127
ディケンズ・ワールドの映画と職業❶
─『デイヴィド・コパフィールド』[作家]『荒涼館』[職業訓練中の若者]『リトル・ドリット』[発明家]…………129
ディケンズ・ワールドの映画と職業❷─『われらが共通の友』[廃棄物収集業]…………131
ディケンズ・ワールドの働きたがらない人々…………132
イギリス文学の偉大なるコミック・キャラクター…………135
さらにイギリス文学とその映画❶─コリンズ、ブロンテ姉妹、ハーディ、キプリング…………136
さらにイギリス文学とその映画❷─ジョイス、ウルフ、ロレンス…………138
さらにイギリス文学とその映画❸─ウェルズ、スティーブンソン…………139
わからなさとおもしろさ─ヘンリー・ジェイムズの作品とその映画…………142
諜報と秘密─グレアム・グリーンの作品とその映画…………144
作品の理解の仕方─イーヴリン・ウォー『回想のブライズヘッド』とその映画…………145
ガヴァネスとファンタジー─『メリー・ポピンズ』[家庭教師]…………149
本の中の世界から─『メリー・ポピンズ リターンズ』[ナニー(乳母)]…………150
階級差と言葉の習得─『マイ・フェア・レディ』[花売り娘]…………152
ナンセンスと救い─バレエ『不思議の国のアリス』…………153
楽しく英語を学ぶには?─『マザー・グース』…………155
「マザー・グースのうた」と堀内誠一…………157
第七章 物語への郷愁…………159
一九七〇年代から二十一世紀の作品群
潜水艦の色─『マーフィの戦い』[兵士]…………160
「もし」を自分のなかに探す─『日の名残り』[執事]…………162
上海と少年─『太陽の帝国』[少年]…………164
トリニダードからイギリスへ─『神秘の指圧師』[作家]…………166
ピーターラビット作者の生涯─『ミス・ポター』[作家]…………167
それぞれの戦争の記憶─『レイルウェイ 運命の旅路』[退役軍人]…………168
緑豊かな村の暗部─『ホット・ファズ』[警察官]…………169
ケイトのふたりのエリザベス─『エリザベス』『エリザベス:ゴールデン・エイジ』…………170
ファミリーではないスパイ─『裏切りのサーカス』[諜報員]…………171
騙されたのは誰か─『グッドライアー 偽りのゲーム』[引退した大学教授]…………173
第八章 緑という言語…………175
緑と車窓の経験…………176
緑の言語世界から…………177
一度は通る学習の峠…………180
答えの出る問題、出ない問題…………181
実用と教養、融合への半世紀…………182
大きく化ける…………184
おわりに…………186
著者略歴
栂正行(トガマサユキ togamasayuki)
タイトルヨミ
カナ:ハイトトリョクエン
ローマ字:haitotoryokuen

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