シャルリ・エブド事件を読み解く

ケヴィン・バレット/編著 板垣雄三/監訳・解説

シャルリ・エブド事件を読み解く
ケヴィン・バレット/編著 板垣雄三/監訳・解説
978-4-8074-1710-0
2017年5月
在庫あり
出版社による内容紹介:
「ポスト真実」時代の到来とともに、デマとテロ、偽旗作戦とポピュリズム、IS化と「トランプ化」の津波に揉まれつつ、イスラム教・キリスト教・ユダヤ教・非宗教の世界の知性22人が、真直ぐ、「シャルリ・エブド事件」を解明しようとする、根源的エッセー集。 巻末には監訳者の板垣雄三氏による、80頁に及ぶ渾身の多面的な詳細解説を掲載。
目次:
凡例

第1部 背景
――
歴史的展望の諸相
1章 「冒涜行為」対「言論の自由」についての市民同士の
   グローバル対話に向けて――一人のムスリムとしての見方………12
                          ケヴィン・バレット
2章 シャルリ・エブド事件――NATOによる統制の型どおりの練習問題、
   加えて言論の自由を擁護する若干のコメント………79
                 ウェブスター・グリフィン・タープリー
3章 シャルリ?
ノン・メルシ!
   フランス史の中の嫌イスラムと親イスラム………101
                     ジョン・アンドリュー・モロー
4章 二都物語――ニューヨークとパリの二つの「9・11」を結ぶ
   悩ましい相似性………117
                          バーバラ・ホネガー
5章 9・11以前と以後の偽旗作戦
   大量"欺瞞"兵器はいかに相互連結的か………130
                          ケヴィン・バレット
6章 テロリズムについての魔女狩り………148
                          アンソニー・ホール
7章 シャルリ・エブドの序幕――2012年3月のモハンメド・メラーハ事
   件(モサドと仏中央国内情報局DCRIとの合同製作?)………169
              ローラン・ギュエノ(ケヴィン・バレット英訳)
8章 仕込まれた身分証明書が暴くパリの偽旗作戦………190
                          ケヴィン・バレット
第2部 観点いろいろ――神話に操られたコンセンサスを打ち砕く
9章 シャルリ・エブドはワシントンのヘゲモニーから欧州を解放するか? 197
                      ポール・クレイグ・ロバーツ
10章 「帝国」はフランスに攻撃を仕掛ける………203
                アラン・ソラル(ケヴィン・バレット英訳)
11章 シャルリとの一体化は良識あることか?………218
                            ジョン・コッブ
12章 シャルリ(9/11)エブドへのイスラムからの一回答………225
                        イムラン・N・ホセイン
13章 パリ市民の「ユーモア作家たち」[の死]を悼みつつ、
   欧米メディアの偽善に挑戦する………232
                       ラビ・マイケル・ラーナー
14章 わたしがシャルリでないのは、なぜか………239
                         アンドレ・ヴルチェク
15章 シャルリ・エブド、9・11、そして悪魔的聖性………246
                   サッディアス・J・コズィンスキー
16章 シャルリ・エブドと欧米の対イスラム文化戦争………266
                         ザファル・バンガシュ
17章 「自由な言論」の波頭に漂うフランスの路線………276
                        ロレンス・デヴィドソン
18章 「私は自分が誰か[敢えて]知らない」――シャルリ・エブド事件のよう
   な悲劇について、政府の説明が滅茶苦茶なとき、意味が分かるようにする
   こと………283
                      スィンスィア・マッキンニー
19章 私はセム人!――ユダヤ人よ、反セム人であることをやめ、世界に「反
   セム主義」の語を使わぬよう訴えよ………304
                      イブラーヒーム・スーディー
20章 わたしは混乱状態………312
                         イヴォンヌ・リドリー
21章 現代イスラエルの創世記………318
                           バリー・ハミシュ
22章 シャルリ・エブドと巧みなメディア誘導の名手たち………
325
                     アシャーヘド・M・ムハンマド
23章 コペンハーゲンの偽旗作戦――シャルリ・エブドの続きか?………331
                          オーレ・ダーメゴー
24章 イラン・イスラム共和国最高指導者の欧州と北米の若者たちに宛てた
   メッセージ………349
            アーヤトッラー・セイエド・アリー・ハメネイー師
 
原著あとがき シャルリ・エブド事件の容疑者リスト………353
                          ケヴィン・バレット
寄稿者の紹介………361
解説
ウソと謀略に踊る世界の破局――どう向き合うか………371
                               板垣雄三
この本の読み方…371/この本の内容を把握するための指標的ポイント…
376
/この本を置く書棚…392/日本の〈謀略〉体験の歴史との響き合い…406/
「満蒙開拓」とパレスチナ植民との同時並行性…416/イスラムの宗教的・
文明的〈ちから〉への着目とその政治的利用の企て…419/文明間対話の実験
に乗り出すこと…430
この本を読み込む人の足元――自己中心・自民族中心の立場を脱け出る…437
原注………476
監訳者あとがき(板垣雄三)………477
関連書籍

冷戦下・アメリカの対中東戦略

ジョージ・レンツォウスキー/著 木村申二/訳 北沢義之/訳

ISBN978-4-8074-0205-2

在庫あり

中東

戦後中東世界は、米ソ冷戦下、パレスチナ問題等に端的なように常に「中東危機」として現出してきた。本書は第二次大戦...


冷戦下・ソ連の対中東戦略

ガリア・ゴラン/著 木村申二/訳 花田朋子/訳 丸山功/訳

ISBN978-4-8074-0109-3

在庫あり

中東

戦後中東世界は、米ソ冷戦構造の中で常に「中東危機」として現出してきた。本書は、アメリカの覇権に対抗すべく、ソ連...


イスラム・ヘイトか、風刺か

第三書館編集部/編

ISBN978-4-8074-1515-1

在庫あり

中東

仏シャルリー・エブド社襲撃事件は論外の暴挙ですが、衝撃の大きさのために対象とされた風刺画の内容はあまり問われて...


民主的アラブ国への道

鹿島正裕/著

ISBN978-4-8074-2100-8

在庫あり

中東

チュニジアは北アフリカにあってイスラム教徒がフランスの強い影響のもと、独自の国づくりをすすめてきた。 指導者ブ...


アフガン戦争

鳥井順/著

ISBN978-4-8074-9121-6

在庫僅少

中東

アフガン戦争はベトナム戦争と並んで、超大国が第三世界に直接介入して失敗、敗走、屈辱の撤退を強いられた軍事的メル...


「アメリカは正しい」か

市民の意見30の会/著

ISBN978-4-8074-9127-8

在庫僅少

中東

湾岸戦争ではアメリカ国民の一致団結した政府支持が報じられたが、実態は違った。本書は、日本の市民有志がニューヨー...


写真集 イラク戦争下の子供たち

豊田直巳/著

ISBN978-4-8074-0410-0

在庫あり

写真集中東

戦争開始の大義は消え失せて、憎悪の反復応酬と子供たちのこころとからだの傷だけが残っている――。イラク、パレスチ...


イスラム社会学とマルキシズム

B・S・ターナー/著 樋口辰雄/訳

ISBN978-4-8074-8301-3

在庫僅少

中東

イスラーム文化圏に関する西欧の学問的伝統=進歩・発展する西欧社会に対し永遠に停滞しているイスラム社会というオリ...


緑の書 リビアのカダフィ大佐の理論

カッザーフィ/著 藤田進/訳

ISBN978-4-8074-8608-3

在庫あり

中東

リビアの指導者カダフィ大佐の唯一の著作。政党も議会制民主主義も否定し、直接民主制による〈人民委員会〉を基礎にし...


復刻版〈パレスチナ問題を考える〉シンポジウムの記録

板垣雄三/編著

ISBN978-4-8074-1212-9

在庫あり

中東

1977年に横浜で開催されたシンポジウム「パレスチナ問題を考える」の記録を復刻刊行。同シンポは板垣東大名誉教授...


※書誌情報はopenBDのAPIを使用しています。