近刊検索 デルタ

2023年6月26日発売

明石書店

出版社名ヨミ:アカシショテン

韓国の公的扶助

「国民基礎生活保障」の条件付き給付と就労支援
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内容紹介
韓国の「国民基礎生活保障」は日本の生活保護にあたる制度だが、その特徴である「能力活用の条件付き」給付と「就労支援付き」給付の両側面から仕組みの全体像を捉え、理論的・実践的・政策的意義、および日本の福祉制度への示唆について考察する。
目次
 はじめに

序章 国民基礎生活保障における「条件付き給付」をどう捉えるか
 1 国民基礎生活保障における「条件付き給付」
 2 国民基礎生活保障はいかに捉えられてきたか
  (1)制度導入の意義をめぐって
  (2)「能力活用の条件付き」給付をめぐって
  (3)「就労支援付き」給付をめぐって
  (4)先行研究の限界
 3 研究目的、分析対象、全体の構成
  (1)「条件付き給付」のあり方を問う
  (2)国民基礎生活保障の位置づけと隣接制度
  (3)本書の構成

第1章 国民基礎生活保障の概観
 1 制度導入とその後の経緯
  (1)制度導入(2000年)
  (2)オーダーメイド型給付への改革(2015年)
  (3)第1次(2018~20年)および第2次(2021~23年)基礎生活保障総合計画
 2 現行制度の仕組み
  (1)目的および給付の基本原則
  (2)給付の対象と種類
  (3)給付の方式と水準
  (4)給付決定の流れ
 3 受給状況
  (1)受給者の全体的状況
  (2)受給世帯類型および世帯人数別でみる受給者の状況
 4 小括

第2章 国民基礎生活保障の歴史的理解
 1 「先成長・後分配」期の貧困対策
  (1)「先成長・後分配」と社会保障制度の遅れ
  (2)労働能力のある貧困者への制度外での対応
 2 アジア通貨危機と国民基礎生活保障の導入
  (1)「先成長・後分配」からの政策転換
  (2)応急措置としての雇用保険適用拡大と時限的生活保護の実施
  (3)「条件付き給付」をともなった国民基礎生活保障の成立
 3 「条件付き給付」の仕組み
  (1)制度理念
  (2)「能力活用の条件付き」給付と「就労支援付き」給付の共存
 4 小括

第3章 「能力活用の条件付き」給付の位置づけと意味──生存権保障をめぐって
 1 国民基礎生活保障の法的性格
  (1)憲法における生存権と国民基礎生活保障
  (2)最低生活保障のための法体系
 2 労働能力のある者に対する「能力活用の条件付き」給付
  (1)給付の基本原則
  (2)「能力活用の条件付き」給付の方法
 3 「能力活用の条件付き」給付の意味
 4 小括

第4章 「就労支援付き」給付の仕組み──自活事業の対象・プロセス・内容とその可能性
 1 条件付き受給者の決定
  (1)労働能力の有無
  (2)「条件付き受給者」と「条件賦課猶予者」
 2 条件付き受給者が参加する自活事業を提示する自活支援計画
  (1)自活支援計画作成の大まかな流れ
  (2)自活力量評価と自活支援計画で提示する自活事業の決定の方法
 3 自活勤労事業の担い手と事業の内容
  (1)地域自活センターと自活ケースマネジメント
  (2)自活勤労事業の種類と給付の内容
  (3)資産形成支援事業
 4 「就労支援付き」給付の可能性
 5 小括

第5章 「韓国型失業扶助」としての国民就業支援制度
 1 韓国における就労困難層とそれに対する従来の対応
  (1)アジア通貨危機後に浮かび上がった就労困難層
  (2)就労困難な若年層
  (3)就労形態にみる「特殊形態勤労従事者」と自営業の多さ
  (4)従来の雇用対策と社会保障制度による対応
 2 「韓国型失業扶助」として位置づけられた国民就業支援制度
  (1)導入背景
  (2)制度概要
  (3)現状
 3 国民就業支援制度の特徴と示唆
  (1)現金給付と就労支援サービスの組み合わせ
  (2)政府、自治体、民間による相談支援と働く場の創出までを含む就労支援サービス
  (3)日本への示唆
 4 小括

終章 国民基礎生活保障の含意
 1 国民基礎生活保障をトータルで捉える
  (1)本書の論点と概要
  (2)「条件付き給付」の全体的仕組み
 2 国民基礎生活保障の可能性と課題
  (1)「条件付き給付」の意義と限界
  (2)「福祉と労働の連携」の視点からみた国民基礎生活保障
 3 本書の意義と今後の課題

 あとがき
 参考文献
 索引
著者略歴
松江 暁子(マツエ アキコ matsue akiko)
首都大学東京大学院人文科学研究科単位取得満期退学。博士(社会福祉学)。明治学院大学社会学部副手を経て、現在、国際医療福祉大学医療福祉学部専任講師。専門は、社会保障、貧困に対する支援。主な著書・論文等に、大泉啓一郎・金成垣・松江暁子編著『アジアにおける高齢者の生活保障――持続可能な福祉社会を求めて』(明石書店、2017年)、「生活保護問題の現段階――韓国の経験からの示唆を探る」埋橋孝文編著『どうする日本の福祉政策』(ミネルヴァ書房、2020年)、「韓国――IMF経済危機と社会保障制度の創設」田多英範編著『世界はなぜ社会保障制度を創ったのか――主要9カ国の比較研究』(ミネルヴァ書房、2014年)など。
タイトルヨミ
カナ:カンコクノコウテキフジョ
ローマ字:kankokunokoutekifujo

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