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2024年7月24日発売

人文書院

出版社名ヨミ:ジンブンショイン

21世紀の自然哲学へ

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内容紹介
元素、大気、大地、菌類から人間までをも貫く哲学は可能か

惑星規模の気候変動と資本主義の加速によって人間と環境の関係が揺らいでいる。地球が沸騰するいま、哲学は何を思考し、どう変わりえるのか。ドゥルーズ、ガタリをはじめ、ラトゥール、スローターダイク、コッチャ、パース、リュイエル、マルディネ、ライプニッツ、ベルクソン、デリダ、ガブリエル、グラント、シェリング、西田、坂部など多様な理論を手掛かりにした気鋭たちによる熱気みなぎる挑戦。

「地球がグツグツと音を立てて煮詰まりつつある。科学者たちが予想する気候変動の「ティッピングポイント」の侵犯は、日ごとに現実化していく。その一方で、そのような気候変動を牽引していると考えられるグランド・アクセラレーションと呼ばれる諸現象は、いまだおさまるところをしらない。人間のさまざまな行為の及ぼす影響が、人間の行為を可能にする環境それ自体を不可逆的に変化させつつある。」(序論より)

◎目次
序論 いま、新たな自然哲学が必要であることについて……近藤和敬

第Ⅰ部
地球は破壊されなければならない――ブルーノ・ラトゥールのANTと新気候体制論……久保明教
山の時間、社会体のリズム――身体性と時間性をめぐる人類学的考察……山崎吾郎
大気の自然哲学試論――スローターダイク・コッチャ・ラトゥール……古村信明
進化における成長の原理としてのアガペー ――パースにおける愛と境界の変革……佐古仁志
 コラム1 歌を歌うとき――ドゥルーズ゠ガタリのスピノザ的自然について……平田公威
 コラム2 ドラマ化の方法――初期ドゥルーズの自然哲学と実存……得能想平

第Ⅱ部
超越論的経験論から自然哲学へ――ドゥルーズ哲学の終着としての形而上学的コスモロジー……小林卓也
ガタリの〈artificeの哲学〉における「素材」について――自然と機械の差異の向こう側を語る試みとして……山森裕毅
自分で自分を形づくる二つの形――ドゥルーズ、リュイエル、マルディネ……小倉拓也
 コラム3 脱構築と自然の鏡――ポスト脱構築的自然史の構想……小川歩人
 コラム4 石積みの実在を直観する――日本哲学から二一世紀の自然哲学へ……織田和明
 
第Ⅲ部
ライプニッツのモナド論と現実の捩れた構造――自然哲学試論……ジミー・エイムズ
光明のバロック――「日本哲学」における現前と自然……水橋雄介
宇宙からの眺め、炭素からの解放――ベルクソンの複数世界論と代替生化学……米田翼

終章 超越論的地質学としての自然――ドゥルーズとシェリングの二一世紀……檜垣立哉
 コラム5 もっとデータを!――計量研究と統治の技法……永吉希久子 

あとがき(檜垣立哉)
目次
序論 いま、新たな自然哲学が必要であることについて……近藤和敬
 1 状況認識――人新世、大加速、閉塞状況
 2 グレーバー――『万物の黎明』:人間の社会の可能性
 3 ラトゥール――近代機械:人間/自然の二項分裂
 4 スピノザ――自然法=自然法則:自然と非自然の分離以前の自然という外部
 5 モンテスキューからデュルケムへ――自然的な法と集合表象と感情の論理
 6 集合表象論の意味――モースからレヴィ=ストロースへ
 7 ドゥルーズの『差異と反復』を位置づけなおす
 8 強度的システムと第三の存在論的反復の意味
 9 形而上学の終焉への異なる応答――新たな自然哲学の必然性

第Ⅰ部

地球は破壊されなければならない……久保明教
 ――ブルーノ・ラトゥールのANTと新気候体制論
 1 謎めく自然
 2 人新世における純化の崩壊
 3 ガイアという怪物
 4 気候変動懐疑論をめぐる理性と力
 5 いかに地球に降り立つか

山の時間、社会体のリズム……山崎吾郎
 ――身体性と時間性をめぐる人類学的考察
 1 一般化された対称性と自然の位置づけ
 2 リズムとその不調
 3 毒キノコになる――世界制作とアクターの変容
 4 山のなかの身体と時間
 5 アクターの身体と時間スケール
 6 社会体のなかの多様なリズム

大気の自然哲学試論……古村信明
 ――スローターダイク・コッチャ・ラトゥール
 1 大気の自然哲学にむけて
 2 大気の球体論――スローターダイク
 3 球体と地球温暖化――スローターダイク×ラトゥール
 4 ガイアと「大気の存在論」――コッチャ
 5 球体からガイアへ――ラトゥール

進化における成長の原理としてのアガペー……佐古仁志
 ――パースにおける愛と境界の変革
 1 はじめに
 2 パースにおけるアガペー的進化の位置づけ
 3 進化と愛
 4 パースにおける成長の原理としてのアガペー
 おわりに――境界を変革するものとしてのアガペーと賭博

コラム1
歌を歌うとき……平田公威
 ――ドゥルーズ゠ガタリのスピノザ的自然について

コラム2
ドラマ化の方法……得能想平
 ――初期ドゥルーズの自然哲学と実存

第Ⅱ部

超越論的経験論から自然哲学へ……小林卓也
 ――ドゥルーズ哲学の終着としての形而上学的コスモロジー
 序
 1 前期ルクレティウス論における自然哲学の萌芽
 2 超越論的経験論による能力論の継承
 3 超越論的経験論は自然哲学本来の企図を満たすか
 4 『千のプラトー』における自然哲学の回帰
 5 自然哲学の暫定的終着としての『襞』
 6 襞の論理による形而上学的コスモロジーの開示
 結論

ガタリの〈artificeの哲学〉における「素材」について……山森裕毅
 ――自然と機械の差異の向こう側を語る試みとして
 はじめに
 1 反(半)‐自然主義と素材
 2 素材とは何か①――イェルムスレウの言語理論の独創的な展開
 3 素材とは何か②――表現の素材について
 4 素材とは何か③――捕獲のマテリオへ
 5 素材が開く領野――マイナー科学について
 結び

自分で自分を形づくる二つの形……小倉拓也
 ――ドゥルーズ、リュイエル、マルディネ
 はじめに
 1 晩年の〈自然〉の哲学の構想
 2 絶対的表面の絶対的俯瞰
 3 真の形と内的結合
 4 眩暈、リズム、開放
 5 形の行為、モニュメント
 6 哲学の形
 7 芸術の形
 おわりに

コラム3
脱構築と自然の鏡……小川歩人
 ――ポスト脱構築的自然史の構想

コラム4
石積みの実在を直観する……織田和明
 ――日本哲学から二一世紀の自然哲学へ

第Ⅲ部

ライプニッツのモナド論と現実の捩れた構造……ジミー・エイムズ
 ――自然哲学試論
 序論
 1 「心」概念と「客観的世界」概念の生成
 2 ライプニッツのモナド論
 3 スモーリンの視点の因果論
 結語

光明のバロック……水橋雄介
 ――「日本哲学」における現前と自然
 はじめに
 1 表面からマスクへ
 2 嘘から夢へ
 3 夢から筆箱へ
 4 バロックと自然
 結論に代えて

宇宙からの眺め、炭素からの解放……米田翼
 ――ベルクソンの複数世界論と代替生化学
 1 はじめに――宇宙から眺めた生命
 2 世界の複数性をめぐる思想
 3 存在の連鎖としての世界の複数性――ラブジョイ『存在の大いなる連鎖』
 4 存在の分岐としての世界の複数性――ベルクソン『創造的進化』
 5 生命の起源を複数化する――ベルクソン的な代替生化学
 6 炭素からの解放――代替生化学のエピステモロジー(Ver.1.0.)
 7 結びにかえて――化合物空間の複数性

終章 超越論的地質学としての自然……檜垣立哉
 ――ドゥルーズとシェリングの二一世紀
 はじめに――ドゥルーズの自然哲学
 1 マルクス・ガブリエルおよび思弁的実在論(グラント)におけるシェリング
 2 実在論としての意義
 3 ガブリエルにおけるシェリングとドゥルーズ
 4 グラントとドゥルーズ――超越論的火山活動
 5 生物と地層――キュヴィエとジョフロワ
 6 発生生物学とキールマイヤー
 7 イデアの質料
 おわりに――シェリングとドゥルーズ

コラム5
もっとデータを!……永吉希久子
 ――計量研究と統治の技法

あとがき(檜垣立哉)
著者略歴
近藤 和敬(コンドウ カズノリ kondou kazunori)
【編者】近藤 和敬(こんどう・かずのり) 1979年生まれ。大阪大学大学院人間科学研究科准教授。大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(人間科学)。『カヴァイエス研究』(月曜社)、『数学的経験の哲学』(青土社)、『〈内在の哲学〉へ』(青土社)、『ドゥルーズ=ガタリの『哲学とは何か』を精読する』(講談社選書メチエ)、『人類史の哲学』(月曜社)など。
檜垣 立哉(ヒガキ タツヤ higaki tatsuya)
【編者】檜垣 立哉(ひがき・たつや) 1964年生まれ。専修大学文学部教授、大阪大学名誉教授。東京大学大学院人文科学研究科博士課程中途退学。博士(文学)。『日本近代思想論』(青土社)、『バロックの哲学』(岩波書店)、『日本哲学原論序説』(人文書院)、『ベルクソンの哲学』(講談社学芸文庫)、『ドゥルーズ 解けない問いを生きる』(ちくま学芸文庫)ほか多数。
タイトルヨミ
カナ:ニジュウイッセイキノシゼンテツゲクヘ
ローマ字:nijuuisseikinoshizentetsugekuhe

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