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2022年4月27日発売

人文書院

出版社名ヨミ:ジンブンショイン

親密なる帝国

朝鮮と日本の協力、そして植民地近代性(コロニアル・モダニティ)
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内容紹介
日本と朝鮮、戦時下における文化「協力」

〈内鮮一体〉の掛け声のもと一度は手を取り合いながら、戦後には否認された数々の経験と記憶。忘れ去られたその歴史を掘り起こし、「協力vs抵抗」では捉えきれない朝鮮人作家たちの微細な情動に目を凝らす。日本と朝鮮半島に共有された植民地近代という複雑な体験がもたらす難問に挑み、ポストコロニアル研究に新たな光を当てる画期作。

「本書で論じられるのは、「韓国(朝鮮)と日本の近代史において親しく分有され、しかし否認されてきた植民地的過去と、アジア・太平洋地域において争われているその遺産の広範な意味」である。植民地末期に活躍した金史良(キムサリャン)、張赫宙(チャンヒョクチュ)、姜敬愛(カンギョンエ)ら植民地朝鮮出身作家とその作品は、日本帝国の崩壊後、日本では忘却もしくは周縁化され、韓国と北朝鮮では対日協力と抵抗の二分法的論理に基づいて分類・評価されてきた。クォンは、これらの作品が――植民地期からポストコロニアル期にかけて――生産/翻訳/消費されるプロセスを徹底して追跡することによって、記憶の抹消や固定的な二分法を乗り越え、コロニアルな近代経験が孕む難問(コナンドラム)を明るみに出していく。」(訳者あとがきより)
目次
日本語版への序文

謝辞

第1章 植民地近代性(コロニアル・モダニティ)と表象の難問(コナンドラム)

第2章 朝鮮文学を翻訳する
転換期と危機 朝鮮文学とは何か 植民地文学、国民文学、世界文学を議論する 朝鮮文学の歴史を構築する

第3章 マイナー・ライター
言語的な故郷喪失 一九四〇年の芥川賞 植民化された私小説 純文学の驕り

第4章 光の中に
手紙の交換 「光の中に」 非家庭的な家庭 解体する形式 未決の結末

第5章 コロニアル・アブジェクト
(自己)反省的なパロディ 植民地のモダンボーイ(モ‐鮮人) 植民地のモダンガール 討論:国民文学の再構築

第6章 コロニアル・キッチュを演じる
〈春香伝〉の語り直し 植民地ノスタルジアと帝国ノスタルジアのはざまで 民族的伝統としての春香物語(「春香伝」) コロニアル・キッチュとしての「春香伝」 村山知義と張赫宙 「朝鮮らしさ」の翻訳 植民地の言語と翻訳(不)可能性 植民地朝鮮での座談会 「帰郷」という問題

第7章 トランスコロニアルな座談会を盗み聞きする
日本における座談会の登場 座談会を盗み聞きする 座談会「朝鮮文化の将来」 コロニアルな他者を検閲する

第8章 地方への転回
植民地から地方へ 帝国のはざまの朝鮮  帝国のマスメディアと循環する地方 植民地コレクション

第9章 満洲の記憶を忘却する
植民地の真相のパラドックス 阿片の密売 コロニアル・リアリズムのポストコロニアル体制

第10章 ポストコロニアリティの逆説
ポストコロニアル・ノスタルジア 帝国の三角関係 帝国を否認する アジアにおけるポストコロニアリティはいつなのか 冷戦とポスト冷戦のパラドクス べつの手段による帝国

訳者あとがき

人名索引
著者略歴
ナヨン・エィミー・クォン(ナヨンエィミークォン nayoneィmiikuォn)
ナヨン・エィミー・クォン デューク大学アジア中東研究学部准教授、同大アジア系アメリカ人とディアスポラ研究プログラムディレクター。主な業績に”Transcolonial Film Coproductions in the Japanese Empire: Antinomies in the Colonial Archive” Cross Currents: East Asian History Culture Review (2012、タカシ・フジタニとの共編)、Theorizing Colonial Cinema: Reframing Production, Circulation, and Consumption of Film in Asia, (Indiana University Press, 2022、小田桐拓志、白文任との共編)など。
永岡 崇(ナガオカタカシ nagaokatakashi)
永岡 崇(ながおか・たかし) 駒澤大学総合教育研究部講師。大阪大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得満期退学。博士(文学)。著書に、『新宗教と総力戦 教祖以後を生きる』(名古屋大学出版会、2015年)、『宗教文化は誰のものか 大本弾圧事件と戦後日本』(名古屋大学出版会、2020年)、共編著に『日本宗教史のキーワード 近代主義を超えて』(慶應義塾大学出版会、2018年)など。
猪岡 叶英(イノオカカナエ inookakanae)
猪岡 叶英(いのおか・かなえ) 西宮市立郷土資料館学芸員。大阪大学大学院文学研究科博士後期課程在学中。論文に「在阪沖縄出身者による祖先祭祀の実践 家系図の作成と香炉(ウコール)継承を中心に」(『待兼山論叢』50号、2016年)など。
鎌倉 祥太郎(カマクラショウタロウ kamakurashoutarou)
鎌倉 祥太郎(かまくら・しょうたろう) 大谷大学ほか非常勤講師。大阪大学文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。論文に「「メディア」になる、ということ 新日本文学会第十五回大会における津村喬の大会報告をめぐって」(『待兼山論叢』48号、2014年)など。
川村 邦光(カマクラクニミツ kamakurakunimitsu)
川村 邦光(かまくら・くにみつ) 文筆業。東北大学大学院文学研究科満期退学。2016年大阪大学大学院文学研究科退職。著書に『日本民俗文化学講義』(河出書房新社、2018年)など。 
ファクンド・ガラシーノ(ファクンドガラシーノ fakundogarashiino)
ファクンド・ガラシーノ(Facund Garasino) 国際協力機構緒方貞子平和開発研究所研究員。大阪大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。論文に"Japan's Last Colonial Frontier: Settler Migration, Development, and Expansionism in the Brazilian Amazon," Transpacific Visions: Connected Histories of the Pacific across North and South, Lexington Books, 2021.など。
黛 友明(マユズミトモアキ mayuzumitomoaki)
黛 友明(まゆずみ・ともあき) 香川県立ミュージアム学芸員。大阪大学文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。論文に「芸能・共同体・関係性 伊勢大神楽の事例を通じて」(『大阪大学日本学報』第33号、2014年)など。 
山口 良太(ヤマグチリョウタ yamaguchiryouta)
山口 良太(やまぐち・りょうた) 一般企業勤務。大阪大学大学院文学研究科博士前期課程修了。論文に「複製技術時代の霊」(『文化/批評』3号、2011年)など。
畑中 小百合(ハタナカサユリ hatanakasayuri)
畑中 小百合(はたなか・さゆり) 大阪大学非常勤講師。大阪大学文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。「戦時下の農村と演劇 素人演劇と移動演劇」(『演劇学論集』47号、2008年)など。
タイトルヨミ
カナ:シンミツナルテイコク
ローマ字:shinmitsunaruteikoku

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