近刊検索 デルタ

2024年7月10日発売

筑摩書房

出版社名ヨミ:チクマショボウ

台所に敗戦はなかった

戦前・戦後をつなぐ日本食
ちくま文庫
ちくま文庫
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内容紹介
うどんでコロッケ、バナナの皮で天ぷら、鰹節サンドイッチ!?
「日本が戦争に負けようがGHQが進駐してこようが、ご飯は作らにゃナラン」
戦中~戦後の婦人雑誌で生まれたレシピをつくって食べて、見えてきた
“おっかさん”たちの台所奮闘記!

===
うどんでプリン、海苔巻きバナナ、肉なし「そばすき焼き」にはんぺんサンドイッチ……。台所をあずかる女たちは、国破れても立ち止まってはいられなかった。明治から戦後二十年ほどまでの料理本約七百冊、婦人雑誌二千冊に登場するレシピを実際に作って食した著者が、その背後に潜む国家の政治性と"かあさん"たちが生み出すゆかいな創意工夫に迫る、実践的食文化史!
===

日々を何とか乗り越えていこうとする台所での極限の工夫や発想の中にはユーモアが宿る。それは逞しくて、頼もしくて、時に切ない。(略)一方、戦中戦後の台所に立つがゆえに、「家庭経済のやりくり」としての「工夫」が、時に「国家経済のやりくり」の「押し付け」にすり替わってしまったことなどについても、随所でシビアに言及している。
――湯澤規子(解説より)

カバーデザイン 三木俊一(文京図案室)
目次
はじめに

第1章 すき焼き
 一九二八年の「すき焼き」
 鋤や鍬で本当にすき焼きができるのか
 すき焼きのプロトタイプ
 家庭百科事典の「すき焼き」
 すき焼きとはなんだ?
 大阪からやってきたすき焼き
 すき焼きを語る人々
 変わりすき焼きのいろいろ
 そばすき焼きという最終形態

第2章 サンドイッチ
 サンドイッチが和食になった頃
 和製サンドイッチは米不足が生みの親
 一九三三年(昭和八年)の「ツナサンド」は鰹節
 テリヤキバーガーの先祖はもしかして
 穴子サンド
 和風オープンサンドは海苔トースト
 寿司とサンドイッチ

第3章 うどんとマカロニ
 あべかわはマカロニで
 スパゲティ、マカロニ、?類珍品集
 マカロニ鍋のいろいろ
 うどんのトマト和え
 そばナポリタン
 マカロニ(西洋うどん)の折り方
 マカロニはご飯のおかず?
 スパケット飯(スパケット・アラ・ロメース)
『日々活用お料理辞典』から「マカロニー」の項を開くと……
 うどんで、かりんとう
 うどんで、パン
 うどんで、ビスケット
 うどんで、プリン
 うどんのコロッケ
 うどんのうに焼き

第4章 ねぎま
「ねぎま鍋」のナゾ
 マグロは赤身か、脂身か
 一九七〇年代からさかのぼる「ねぎま」
 一九六〇年代の「ねぎま」は
 一九五〇年代のねぎま汁をたずねて
 ねぎま――戦時篇
 日本陸軍調理法でのねぎま
 ねぎま鍋の黄金時代
「ネギ鮪」が「ネギ間」に変わるそのとき
 マグロの脂身は足が早い
 冷蔵庫で下克上
 一九八〇年代の脂身事情
 一九九〇年代は偽装大トロ時代
 ねぎま鍋の生い立ちから終焉まで

第5章 人工葡萄酒
 葡萄酒の自家醸造は合法?だった
 つくりませう!葡萄酒
 甘味代用の葡萄酒も自家醸造だった
 自家醸造のトマト酒
 人工葡萄酒は黒豆で

第6章 おしるこ&珍スイーツ
 ハイカラさんのバナナ料理
 和食?洋食?不明のバナナ料理の数々
 バナナの皮?
 バタくさい葛湯はピーナッツで
 やまいもでホットケーキ
 おはぎ作りは里芋で
 柿で柿餅、柿団子
 梨もどきは海軍のデザートにもなった
 お汁粉の歴史 ―― 戦前篇
 お汁粉の歴史 ―― 戦後篇
 汁粉は……小麦粉で

第7章 カルピスもどきと代用コーヒー
 まさしくカルピス
 カルピス・のようなもの
 モダンドリンク集 
 黒豆コーヒー
 紫蘇コーヒーは熱中症対策か?
 大麦コーヒーは発芽飲料だった
 滋養農村コーヒーのこしらえ方
 米糠コーヒー、米糠油

第8章 玉子チーズ
 質問:玉子からすみって、何ですか?
 玉子チーズは「特許品」ですと?
 玉子チーズの前身は玉子からすみだった
 チーズとからすみはおんなじだった
 玉子チーズのルーツは味噌漬けだった

おわりに

解説 湯澤規子
著者略歴
魚柄 仁之助(ウオツカ ジンノスケ uotsuka jinnosuke)
魚柄 仁之助(うおつか・じんのすけ):1956年、福岡県うまれ。食文化研究家。著書に『食べ物の声を聴け!』(岩波書店)『冷蔵庫で食品を腐らす日本人』(朝日新聞社)『うおつか流大人の食育』(合同出版)などがある。
タイトルヨミ
カナ:ダイドコロニハイセンハナカッタ
ローマ字:daidokoronihaisenhanakatta

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