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2013年3月25日発売

明石書店

出版社名ヨミ:アカシショテン

スリランカを知るための58章

エリア・スタディーズ
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内容紹介
1983年以来26年間に及んだ内戦。2004年のスマトラ沖大地震とインド洋大津波。「輝ける島」スリランカは近年、大きな試練にさらされた。本書はスリランカの全体像とともに、内戦と災害を積極的に取り上げ再生する人々の生活を深層から描き出す。
目次
 はじめに
 スリランカ地図


Ⅰ スリランカ概観

第1章 ランカー島――多様な自然環境
第2章 スリランカという国――国名とイメージ
第3章 スリランカの民族構成――「ジャーティヤ」からはじめるボトム・アップの視角
第4章 多様な言語――人の移動と言語の接触がもたらすもの
第5章 南アジアのなかのスリランカ――海と陸を通じての関係
第6章 日本とスリランカ――片想いと無関心


Ⅱ 激動の歴史、そして「内戦終結」

第7章 南インドの王権とスリランカ――地域的抗争の歴史
第8章 ポルトガルの進出と植民地化――スリランカ王権の抵抗と分裂
第9章 植民地統治とエリート――独立後も続く影響力
第10章 植民地支配とシンハラ・ナショナリズム――宗教と言語と政治
第11章 民族紛争の泥沼――独立とシンハラ・オンリー政策
第12章 内戦終結の経緯――「強い国家」を印象づける終結と未解決の問題
第13章 紛争影響地の人びとの暮らし――北部州マンナール県での聞き取りから
第14章 内戦後の展望――あらたな不安のはじまり
  【コラム1】王権と宗教――王宮と寺院のもたれあい


Ⅲ 生業と経済

第15章 開発がもたらした格差、国を支える出稼ぎ――英語経済と母語経済
第16章 水稲耕作と焼畑――農業形態の多様性と変化
第17章 セイロン紅茶と政治――プランテーションが生んだもの
第18章 豊かな海と漁村――地曳網漁から沖合漁業へ
第19章 ガーメント・ファクトリー――輸出産業としての縫製業
第20章 青い海辺の高級ホテル――観光産業(1)
第21章 小さな島の世界遺産――観光産業(2)
  【コラム2】激戦地から観光地へ――シンハラ人の人気観光スポット


Ⅳ 暮らしと社会

第22章 カーストの現在――実体性の喪失
第23章 二大政党制と「村の政治」――民主主義の「顔」
第24章 家族のかたち――流動化する現代社会のなかで
第25章 スリランカの女性たち――「家の仕事」
第26章 教育制度の歴史――教育の場で使用される言語の歴史
第27章 スリランカの教育制度の現状――言語問題と試験制度
第28章 ろう者の言語、スリランカ手話の世界――聴者のまなざしの外にあるもの
第29章 高齢者と福祉――豊かな地域社会と急速な高齢化
第30章 高齢者の生活――村の老人たち


Ⅴ 祈りと文化

第31章 神々と仏――多宗教の現実
第32章 徳と益――仏教とヒンドゥー教
第33章 アブラハムの宗教――イスラームとキリスト教
第34章 ペラヘラの通る夜――祭礼の行進は暮らしのなかを行く
第35章 悪霊祓いとピリット――現世利益の諸相
第36章 グローバル資本主義と「弥勒の再会」――お会いするのは2000年ぶりでしょうか
第37章 サリーを着こなす――衣装とナショナリズム
第38章 村の食事――ミルクティーとスパイスの魔法
第39章 住まう――オープンベランダからの風景
第40章 癒す――アーユルヴェーダ
第41章 クリケット・マッチのある日――世界的スター選手の輩出


Ⅵ 開発援助と災害復興

第42章 外国援助と開発独裁――海外支援は平和・民主化をもたらすか?
第43章 受け継がれた草の根協力――青年海外協力隊の活動現場から
第44章 1958年のボランティア――サルボダヤ運動とは何か
第45章 試験競争と振り落とされる教育弱者――学校教育の現実と教育援助
第46章 医療援助――健康レベルが高い国への援助
第47章 現場を学ぶスタディツアー――「自分ごと」な学びへ
第48章 インド洋大津波の構造――減災機能を持つ海岸防潮林の再生・維持管理に向けて
第49章 津波の後で――被災地域のいま:復興を通じて見てきたもの・出会った人
第50章 津波復興支援の諸問題――NGO、NPOの活躍
  【コラム3】インド洋大津波直後の町にて――観光地ヒッカドゥワの様子

Ⅶ スリランカの諸地域案内

第51章 コロンボ――多文化都市の魅力
第52章 アヌラーダプラ――貯水池灌漑システムと仏教
第53章 キャンディ――「お国自慢」と「故郷自慢」
第54章 ヌワラエリヤ――紅茶農園の人びとと「アジア初」の町
第55章 ゴール――海のシルクロードの面影
第56章 ジャフナとワンニ――スリランカ・タミルの社会
第57章 トリンコマリー――天然良港をめぐる戦争の歴史
第58章 東南海岸――多文化地帯の実態
  【コラム4】バオバブとロバ――西北岸に残るアラブの文化


 スリランカを知るための文献ガイド
著者略歴
杉本 良男(スギモト ヨシオ sugimoto yoshio)
1950年北海道生まれ。東京都立大学大学院社会科学研究科社会人類学専攻博士課程単位取得・満期退学。博士(社会人類学)。専攻は社会人類学、南アジア研究。現在、国立民族学博物館民族文化研究部教授。 【著書・論文】 『インド映画への招待状』(青弓社、2002年)、『宗教と文明化』(二〇世紀における諸民族文化の伝統と変容7)(編著、ドメス出版、2002年)、『朝倉世界地理講座――大地と人間の物語4 南アジア』(立川武蔵・海津正倫との共編著、朝倉書店、2012年)など。
高桑 史子(タカクワ フミコ takakuwa fumiko)
1949年兵庫県生まれ。明治大学大学院政治経済研究科政治学専攻博士課程単位取得・満期退学。博士(社会人類学)。専攻は社会人類学、海洋人類学。現在、首都大学東京大学院・人文科学研究科教授。 【著書・論文】 『スリランカ――人々の暮らしを訪ねて』(澁谷利雄との共編著、段々社、2003年)、『スリランカ海村社会の女性たち――文化人類学的研究』(八千代出版、2004年)、『スリランカ海村の民族誌――開発・内戦・津波と人々の生活』(明石書店、2008年)など。
鈴木 晋介(スズキ シンスケ suzuki shinsuke)
1971年新潟県長岡市生まれ。筑波大学大学院博士課程歴史・人類学研究科単位取得退学。博士(文学)(総合研究大学院大学文化科学研究科)。専攻は文化人類学。現在、関西学院大学先端社会研究所専任研究員。 【著書・論文】 「内発的発展論とスリランカのサルボダヤ運動」(『開発経済学:貧困削減から持続的発展へ』高梨和紘編著、慶應義塾大学出版会、2005年)、「聖なる泉のほとり――スリランカ・エステートにおける女神崇拝の変容」(『アジア遊学89:宗教を生きる東南アジア』勉誠出版、2006年)、「青果物卸売市場の『いま』と『あの頃』――新潟県長岡市の地方卸売市場における『場所性』の変容を焦点として」(『ストリートの人類学 下巻』関根康正編『Senri Ethnological Reports 国立民族学博物館調査報告』No.81、2009年)、『つながりのジャーティヤ――スリランカの民族とカースト』(法藏館、2013年)。
タイトルヨミ
カナ:スリランカヲシルタメノゴジュウハッショウ
ローマ字:surirankaoshirutamenogojuuhasshou

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