近刊検索 デルタ

2017年4月28日発売

明石書店

出版社名ヨミ:アカシショテン

南アジア系社会の周辺化された人々

下からの創発的生活実践
叢書 「排除と包摂」を超える社会理論 〔関西学院大学先端社会研究所〕
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内容紹介
「排除」と「包摂」の二元論的思考を超え、「排除型社会」とは異なる社会のあり方を構想する本叢書の第三巻は、インド、ネパール、スリランカなどの南アジア社会および欧米の南アジア系移民社会を対象に、周辺化された人々の生活実践の創発力に注目する。
目次
 叢書『「排除と包摂」を超える社会理論』序文

序章 社会的排除の闇を内在的に読み替える[関根康正/鈴木晋介]
 1 政策科学の「排除と包摂」論への懐疑
 2 新たな社会的結束に向けての問題意識
 3 本書の構成

第1章 イギリスにおける「アジア系」市民の政治参加[若松邦弘]
 1 イギリスにおけるアジア系
 2 政治参加の構図
 3 政党支持の現状
 4 政治参加の変化

第2章 ブリティッシュ・エイジアン音楽の諸実践における「代表性」と周縁化──サブ・エスニシティの観点から[栗田知宏]
 1 はじめに──エイジアン音楽の「一体性」と多様性
 2 ボリウッド音楽は「汎南アジア的」ジャンルか
 3 バングラーの発展とハイブリッド化──パンジャービー音楽の影響力
 4 リミックス文化とエイジアン・アンダーグラウンド
 5 「エイジアン・バンド」
 6 R&B・ヒップホップ志向の強まり──2000年代以降のエイジアン音楽
 7 「デーシー」にみるサブ・エスニシティの政治
 8 まとめ

第3章 インド系英語作家にみる排除と包摂──ジュンパ・ラヒリを事例に[鳥羽美鈴]
 1 はじめに
 2 インド系英語作家に対するオリエンタリズムのまなざし
 3 描かれる移民体験
 4 語られる移民体験
 5 おわりに

第4章 コロニアル・インドにおける「美術」の変容──神の表象をめぐる「周辺」からの抵抗[福内千絵]
 1 はじめに
 2 ヒンドゥー教世界に対する西洋のまなざし
 3 ネオ・ヒンドゥーイズムにおけるヴェーダ
 4 美術作品化されるプラーナ
 5 プラーナ的ヒンドゥー教の再興とベンガル派
 6 プリント画とヒンドゥーイズム
 7 おわりに

第5章 ネパールにおけるカーストの読み替え──肉売りを担う人々の日常と名乗りのポリティクス[中川加奈子]
 1 はじめに
 2 先行研究の検討
 3 活動家によるカースト表象
 4 カドギによるカースト・イメージの再解釈
 5 括り直されるカースト
 6 まとめ

第6章 ネオリベラリズムと路傍の仏堂──スリランカの民衆宗教実践にみるつながりの表現[鈴木晋介]
 1 はじめに
 2 増殖する路傍の仏堂
 3 「仏教の再呪術化」と仏像の呪力──第一の文脈
 4 変容する生活の場──第二の文脈
 5 おわりに──より良き現世、祈りの宛先

第7章 下からの創発的連結としての歩道寺院──インドの路上でネオリベラリズムを生き抜く[関根康正]
 1 はじめに
 2 歩道に生きる
 3 「歩道寺院」の誕生のメカニズム
 4 事例1:歩道寺院 その1
 5 事例2:歩道寺院 その2
 6 結び

結章 「社会的排除と包摂」論批判──ネオリベラリズムの終焉にむけて[関根康正]
 1 問題の所在──〈社会的排除と包摂〉論の政治性
 2 ネオリベ資本主義がもたらす「分裂社会」化
 3 「管理社会」という分裂社会の貧困
 4 修正主義批判
 5 「グローバル資本主義の終焉」の前に立って
 6 「規制訓練的三者関係の差別」から「管理的三者関係の差別」へ
 7 分裂社会の核心的問題としての棄民の極貧状態(pauperism)
 8 結び──極貧状態からの創発を共有する

 あとがき
 索引
著者略歴
関根 康正(セキネ ヤスマサ sekine yasumasa)
関西学院大学社会学部教授 専門は南アジア社会および南アジア系移民社会の文化人類学。著編書に『スリランカの祭』(共著、工作舎 1982年)、Theories of Pollution(ILCAA 1989)、『ケガレの人類学』(東京大学出版会 1995年)、『〈都市的なるもの〉の現在』(編著、東京大学出版会 2004年)、『宗教紛争と差別の人類学』(世界思想社 2006年)、『排除する社会・受容する社会』(編著、吉川弘文館 2007年)、『ストリートの人類学 上巻、下巻』(編著、国立民族学博物館 2009年)、Pollution, Untouchability and Harijans(Rawat Publications 2011)、From Community to Commonality(共著 Seijo University 2011)、『フィールドワーカ-ズ・ハンドブック』(編著、世界思想社 2011年)、『社会苦に挑む南アジアの仏教──B. R. アンベードカルと佐々井秀嶺による不可触民解放闘争』(共著、関西学院大学出版会 2016年)など。
鈴木 晋介(スズキ シンスケ suzuki shinsuke)
茨城キリスト教大学文学部助教 1971年生まれ。筑波大学博士課程歴史・人類学研究科単位取得退学。関西学院大学先端社会研究所専任研究員を経て、現職。博士(文学)(総合研究大学院大学文化科学研究科)。専攻は文化人類学。主要著作に『つながりのジャーティヤ──スリランカの民族とカースト』(法蔵館 2013年)、『スリランカを知るための58章』(共編著、明石書店 2013年)、『フィールドは問う──越境するアジア』(共著、関西学院大学出版会 2013年)など。
タイトルヨミ
カナ:ミナミアジアケイシャカイノシュウヘンカサレタヒトビト
ローマ字:minamiajiakeishakainoshuuhenkasaretahitobito

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