近刊検索 デルタ

2013年7月15日発売

明石書店

出版社名ヨミ:アカシショテン

原発ゼロをあきらめない

反原発という生き方
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内容紹介
反原発を貫いてきた小出裕章さん、中嶌哲演さん、そして3・11以後に反原発に取り組んでいる長谷川羽衣子さんに安冨歩氏がインタビュー。原発推進に突き進むなかで、私たちはどう考え、どう生きていけばよいのか、その手掛かりを3人から学ぶ。
目次
 はじめに


対話1………小出裕章×安冨歩
 ○騙されたから、自分で落とし前をつけたいのです
  私の場合、圧力はまったくかからなかった。だからそれに耐えているという意識は全然ありません
  「金は残せないけれど、教育だけは受けさせる」と父に言われて育ちました
  自分が生きていくことが社会にどういう意味を持っているのか。それを問うているのが大学闘争だと気づいた
  自分の人生をいいわけにして生きるなんて、そんなつまらない人生はない
  女川原発反対闘争で裁判になったとき、証人として来てくれたのが水戸巌さんでした
  高校時代は地質が大好きだった。でも、人のために役に立ちたいという思いで原子力に傾倒
  滅多に騙されない私が平和利用ということばに、コロリと騙されました
  騙されたからしかたがない、と言ってしまったら、終わりだと思います
  助教は誰にも命令されない、誰にも命令しなくてすむ、非常に恵まれたポストです
  『東大話法』なんて本を書く人は、東大ではダメですね
  原発事故後、「個人で発言するな」と言われました
  一人ひとりが自発的な意思でデモに参加したことは、日本では画期的なことだと思いますが、懸念もあるんです
  無縁的なものを復活させることが、日本社会に自由を回復させる道になる
  誰かを守るためにやっているのではなく、全部自分のためなのです
  自分が何をするか、ということがいちばん大切なこと。徹底的な個人主義者なんです
  原発をとめるために必要なのは、無縁者のつながりと、「連帯を求めて孤立を恐れず」という生き方


対話2………中嶌哲演×安冨歩/平智之/深尾葉子
 ○平和も幸福も自他ともに成り立つ道を追求していく
  広島原爆1000発分の死の灰がたまると知って、絶対に小浜につくらせてはいけないと決意を固めました
  意見や主義の違いがあっても原発だけはつくらせまい。その一点で一致団結したのです
  大多数の有権者が反対していることを行わないのは為政者の当然のモラリティではないか
  過去に対する洞察力がなければ、薄っぺらな軽い発言しか出てこない
  生き物すべてが汚染によって被っているストレスに政治はもっと目を向けなければならない
  想定外のことが起こりうるということを想定する謙虚さが、足りない
  事故後も変わらず、同じ手口、同じ屁理屈を繰り返す国と東電
  そんなに必要で安全な原発を、なぜ若狭に建てるのか。それが私の最初の大疑問だったのです
  ものごとはいろいろな条件に支えられて存在し、変化し、消滅する
  年金も健康も子育ても、原発と同じ構造を抱えている
  恐怖から創造的な解決は絶対に生まれない
  福島県民の声を受けとめることが運動の根底になければならない
  事故の収束作業にあたる労働者は特攻隊員の原発版
  「我々は差別する卑怯な生き物である」ことをまず受け入れる
  原子力村が頼りにしているものはなにか。それを断ち切らなければならない
  ごまかすために、膨大な書類と東大話法が必要になる
  小浜には古いものは大切に守りぬくという良い面での保守性がある。だから原発を拒んでこれたのです
  自己犠牲としての利他主義には落とし穴がある。自らが楽しみ、それが他者の幸せにもつながることがベスト
  禁原発が工夫を生みだし、希望を生みだす
  差別と犠牲の構造は入れ子構造。一朝一夕で克服できる問題ではない。だからこそあとの世代に伝えていかなければ
  未来の他者に対して利する行為を現在を生きる私たちが問われている
  暗闇を照らす導きの灯りとして、「自分自身」と「真理」を大事にしなさい


対話3………長谷川羽衣子×安冨歩
 ○市民のエネルギーを政治につなげるために
  ミニスカサンタもチャイナドレスも楽しいデモにするための演出
  母の影響で環境問題と出会い、大学時代は江戸時代の下肥の研究に没頭
  「長谷川さんは激しすぎるんだ」「いや、ふつうやけど」
  おおい町に通い、おおい町で声をあげられない現実を知る
  厳戒態勢のなかで開かれた再稼働住民説明会に不満を感じて「もうひとつの住民説明会」を開く
  原発交付金の話をドイツで発表したら、会場から驚きの声があがったんです
  差別がだめなのは経済的にあわなくなるから。怨念を生み、その解消に膨大なコストがかかる
  人々の絶望こそが原子力村の重要なエネルギー。あきらめてはだめなんです
  プラズマ化した社会で重要なのはお助け協同組合のようなネットワーク
  若い世代の危機感を変革の流れにつなげるために


 対話を終えて――「無縁者」ネットワークが原発をとめる
著者略歴
安冨 歩(ヤストミ アユム yasutomi ayumu)
1963年大阪府生まれ。京都大学大学院経済学研究科修士課程修了。京都大学人文科学研究所助手、ロンドン大学政治経済学校(LSE)滞在研究員、名古屋大学情報文化学部助教授、東京大学大学院総合文化研究科・情報学環助教授を経て、東京大学東洋文化研究所准教授、2009年より同教授。博士(経済学)。主な著書に、『原発危機と「東大話法」』『幻影からの脱出』『親鸞ルネサンス』〈共著〉(いずれも明石書店)、『もう「東大話法」にはだまされない』『学歴エリートは暴走する』(講談社α新書)、『生きる技法』『合理的な神秘主義』(青灯社)、『今を生きる親鸞』(共著、樹心社)、『生きるための論語』(ちくま新書)、『超訳 論語』(ディスカバー21)、『経済学の船出』(NTT出版)、『生きるための経済学』(NHKブックス)、『ハラスメントは連鎖する』(共著、光文社新書)、『複雑さを生きる』(岩波書店)、『「満洲国」の金融』『貨幣の複雑性』(以上、創文社)ほか。
小出 裕章(コイデ ヒロアキ koide hiroaki)
京都大学原子炉実験所助教。1949年、東京生まれ。1968年、東北大学工学部原子核工学科入学。原子力の平和利用を志した在学中、東北電力女川原子力発電所の反対運動にかかわり、反原発の立場からの研究を決意。74年、同大学院工学研究科修士課程修了。同年、京都大学原子炉実験所に入所し、原子力の危険性を一貫して訴え続ける。専門は放射線計測/原子力安全。著書に『原発のウソ』『騙されたあなたにも責任がある』など多数。
中嶌 哲演(ナカジマ テツエン nakajima tetsuen)
明通寺(福井県小浜市にある真言宗御室派寺院。本堂と三重塔は国宝に指定されている)住職。1942年、福井県生まれ。東京藝術大学中退。高野山大学仏教学科卒。学生時代、日本宗教者平和協議会にかかわり、広島の被爆者支援をつづける。「世界一の原発銀座」若狭にある明通寺(真言宗・小浜市)の住職として、原発現地での反原発市民運動を展開。「原発設置反対小浜市民の会」事務局長を務める。93年「原子力行政を問い直す宗教者の会」結成に参加。
長谷川 羽衣子(ハセガワ ウイコ hasegawa uiko)
NGO「e-みらい構想」代表、緑の党共同代表。京都生まれ。奈良女子大学卒業、上智大学大学院修士課程修了。清水寺や高台寺を庭として育ち、自然や文化に親しむ。2009年、修士論文「『江戸町触集成』悉皆調査に基づく長期統計分析――下肥・塵芥処理を中心として」が優秀論文に選ばれる。2011年震災と原子力発電所の事故を受け、若手研究者・学生などと共に持続可能なエネルギー・環境の研究、実現を目的としたNGO「e-みらい構想」を設立、代表を務める。2012年3月、脱原発デモ「バイバイ原発3.10京都」の呼びかけ人を務め、6000人の参加を実現。5月、大飯原発再稼働に際して、地元おおい町で「もうひとつの住民説明会」を開催。7月、緑の党(Greens Japan)の共同代表となる。著書に『原発ゼロ――私たちの選択』(かもがわ出版、2012年、共著)
タイトルヨミ
カナ:ゲンパツゼロヲアキラメナイ
ローマ字:genpatsuzerooakiramenai

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