緑の書 リビアのカダフィ大佐の理論

カッザーフィ/著 藤田進/訳

カダフィが生きていたならば

2011年10月20日、日本ではカダフィ大佐として知られたリビアの元国家元首ムアンマル・アル=カッザーフィーが殺された。

汎アラブ主義・反米主義路線、汎アフリカ主義

日本ではカダフィ大佐として知られる若き軍人は、1969年、リビアのトリポリで腐敗した旧体制を倒し、革命指導評議会を最高統治機関とする共和国を樹立する。エジプト革命を率いたナーセルやイスラム社会主義、アラブ民族主義などに影響を受け、汎アラブ主義・反米主義路線を標榜したカダフィ大佐の思想は、その後、中東のみならず世界に大きな影響を与え続けた。

議会制民主主義への疑問と『緑の書』

かつてはリビアの憲法とまで言われた『緑の書』には、カダフィ大佐の民主主義観や政治哲学がまとめられている。人民の代表とはなにか、それは議会制民主主義で実現されるものなのか。議会制民主主義への根本的な疑問と批判を突きつける本書の価値は失われていない。

緑の書 リビアのカダフィ大佐の理論
978-4-8074-8608-3
1986年7月
在庫あり
出版社による内容紹介:
リビアの指導者カダフィ大佐の唯一の著作。政党も議会制民主主義も否定し、直接民主制による〈人民委員会〉を基礎にした独自の民族的社会主義を理論化。アラブ・ナショナリズムの支持を背景に激しい反米・反西欧路線を掲げたリビアという国を理解する原典。
目次:
第一部 民主主義問題の解決
統治機構
議会
政党
階級
人民投票
人民会議と人民委員会
社会の法
誰が社会の動きを管理するのか
社会が法を逸脱したとき、それはいかに是正されるのか
マスコミ
最後に
第二部 経済問題の解決
第三の普遍的理論の経済的基盤
必要
公共部門および私的部門における賃労働、ならびに賃金をともなわない労働についての事例研究
家事使用人
第三部 第三の普遍理論の社会的基盤
第三の普遍理論の社会的基盤
家族
部族
民族
女性
マイノリティー
黒人-黒人が世界をひきいることになろう
教育
メロディーと芸術
スポーツ、乗馬、ショウ・見世物
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