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2016年2月8日発売

明石書店

出版社名ヨミ:アカシショテン

マイクロファイナンス事典

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内容紹介
世界20数ヶ国におけるマイクロファイナンスの現状、金融の相互扶助組織、協同組合について、48人の執筆者がリサーチとその理論的整理を行う。マイクロファイナンス欧州研究センタ(CERMi)から刊行された本分野の基本図書、待望の邦訳版。
目次
 CERMiについて
 謝辞

 序

前書きと各章の概略――マイクロファイナンスにおけるミスマッチの探求[ベアトリス・アルメンダリズ/マルク・ラビー]


第1部 マイクロファイナンス実践の理解

マイクロファイナンスの評価戦略――方法論と発見についての覚書[ディーン・カルラン/ナサニエル・ゴールドバーグ]
 1 はじめに――なぜ評価なのか
 2 マイクロファイナンスの定義
 3 評価すべき政策のタイプ
 4 方法論的アプローチ
 5 インパクトの指標
 6 評価に向けての特筆すべき課題

溝に橋を架ける――マイクロファイナンス研究の理論と実証を統一する[グレッグ・フィッシャー/マイトリーシュ・ガータク]
 1 はじめに
 2 理論
 3 実証
 4 溝に橋を架ける
 5 結論

ドイツの初期信用組合と今日のマイクロファイナンス組織――類似点と相異点[ティモシー・W・ギネイン]
 1 初期のマイクロファイナンス機関
 2 ドイツの信用組合の形成
 3 信用組合と今日のマイクロファイナンス
 4 結論

マイクロファイナンス・サービスへの需要の多様さと複雑さの理解――インフォーマル金融からの教訓[イザベル・ゲラン/ソレーヌ・モルヴァン=ルー/ジャン=ミシェル・セルヴェ]
 1 貨幣、負債、および貯蓄の社会的意味
 2 人びとは金融をどう認識し、経験しているのか
 3 マイクロファイナンスの繰り替えにおけるインフォーマルな金融慣行の役割
 4 結論

マイクロファイナンスにおける倫理[マレク・ヒュードン]
 1 はじめに
 2 マイクロファイナンスの倫理的論拠
 3 マイクロファイナンスに内在する倫理的次元の課題
 4 マイクロファイナンスの公正な金利
 5 権利に基づくマイクロファイナンスへのアプローチ
 6 倫理課題に取り組む政策と実践
 7 結論


第2部 マイクロファイナンスのマクロ環境と組織的背景の理解

マイクロファイナンスのトレードオフ――規制、競争、財政[ロバート・カル/アスリ・デミルギュス=クント/ジョナサン・モーダック]
 1 はじめに
 2 マイクロバンキング・ブリテンのデータ
 3 契約
 4 商業化
 5 規制
 6 競争
 7 結論

監督とはすばらしきもの――マイクロファイナンス機関の規制・監視における選択肢と釣り合い[ジェイ・K・ローゼンガード]
 1 はじめに
 2 忘れぬように――なぜ金融機関を規制・監視するのか
 3 用語の確認――なぜ規制と監視を区別するのか
 4 インフォーマル経済――マイクロファイナンス機関はどこがそれほど特別なのか
 5 選択肢のメニュー――MFIの監督を主に代替する機関は何か
 6 釣り合いの原理――対立する目標をどうバランスさせることができるか
 7 結論
 付記:重要な言及に関する覚書

マイクロファイナンス機関の業績――マクロ条件は問題となるのか[ニールス・ヘルメース/アルヤール・メーステルス]
 1 はじめに
 2 マクロ条件とMFIの業績――文献の概括
 3 方法論
 4 データ
 5 結果
 6 結論

ボリビアのマイクロファイナンス――金融システムの成長、アウトリーチ、および安定の基礎[クラウディオ・ゴンサレス=ベガ/マルセロ・ビジャファニ=イバルネガライ]
 1 背景
 2 金融深化
 3 特異的な業績
 4 不安定性――クレジットと流動性リスク
 5 並外れたアウトリーチ
 6 結論

マイクロファイナンス――戦略的マネジメントの枠組み[ガイ・スチュアート]
 1 価値の創造
 2 認可環境
 3 公的価値――戦略的マネジメントの枠組み
 4 政策上の疑問に関する経営者の視点――持続可能性、およびすべての貧者のための公的価値創出
 5 結論と、さらなる研究のための提案

マイクロファイナンス機関が限界顧客のニーズを満たすうえで、どのような外部コントロールメカニズムが役立つのか[バレンティナ・ハルタルスカ/デニス・ナドルニヤク]
 1 はじめに
 2 国際比較分析のための枠組み
 3 規制とMFIの業績への影響
 4 格付けのインパクト
 5 その他のコントロールメカニズム
 6 結論


マイクロファイナンスにおけるコーポレートガバナンスの課題[マルク・ラビー/ロイ・マースランド]
 1 はじめに
 2 なぜマイクロファイナンス業界にとってガバナンスが大切なのか
 3 マイクロファイナンスのガバナンスに関する文献を概観する
 4 エージェンシー理論と取締役会運営を超えて
 5 マイクロファイナンスのガバナンスのための新しい枠組み
 6 新たな研究課題


第3部 商業化へ向けた現在の流れ

企業責任か、社会的成果と金融包摂か[ジャン=ミシェル・セルヴェ]
 1 二重の曖昧な動きに翻弄されるマイクロファイナンス
 2 社会的責任の認知
 3 社会的成果および環境面での成果の評価基準としての社会的責任
 4 金融機関のビジネスの中心におけるマイクロファイナンスの社会的責任
 5 結論

社会的責任投資家とマイクロファイナンス機関との連環(リンク)の重要性[エルナ・カレル=ルエディ]
 1 社会的責任投資家とマイクロファイナンス部門とのリンク
 2 リンクが社会的インパクトを育てる
 3 リンクは自立の達成に決定的な役割を果たす
 4 リンクはマイクロファイナンス・バリューチェーンの効率を高める
 5 リンクはマイクロファイナンスのミッションを高める
 6 課題と誤解
 7 結論

マイクロファイナンス機関のミッションドリフト[ベアトリス・アルメンダリズ/アリアーヌ・サファルス]
 1 はじめに
 2 貧困削減ミッションの全体像
 3 理論的視点から見たミッションドリフト
 4 取引コストでミッションドリフトは起こらない
 5 MFIの多様性によるミッションドリフト
 6 ラテンアメリカとアジアの対比
 7 結びに代えて

マイクロファイナンスへの社会的投資――リスク、リターン、貧困層へのアウトリーチとのあいだのトレードオフ[リンツ・ガレマ/ロベルト・レンジンク]
 1 はじめに
 2 データ
 3 リスク―リターン―アウトリーチのトレードオフ
 4 リスク―リターン―アウトリーチのトレードオフを定量化する
 5 結論

効率[ベルン・バルケンホール/マレク・ヒュードン]
 1 はじめに
 2 マイクロファイナンスの理論と実践における効率
 3 効率の定義と動因(ドライバー)
 4 効率指標とその尺度
 5 効率と財政自立――最近の流れ
 6 効率と公共政策――どのインセンティブが効果的か
 7 結論

マイクロファイナンス機関の社会的財政的効率[カルロス・セラノ=シンカ/ベゴーニャ・グティエレス=ニエト/セシリオ・マル・モリネロ]
 1 はじめに
 2 MFIの業績の測定
 3 実証的研究
 4 最終考察


第4部 満たされない需要を満たす――農業融資の課題

マイクロファイナンスは農業融資のための適切なツールか[ソレーヌ・モルヴァン=ルー]
 1 はじめに
 2 農村金融の旧いパラダイムから新しいパラダイムへ
 3 農業への融資――イノベーションへのニーズ
 4 結論


マイクロクレジットの需要はどれほどなのか――セルビア農村地域の事例[ウィリアム・パリエンテ]
 1 はじめに
 2 セルビア農村部のクレジット市場
 3 選択ベース・コンジョイント分析による需要の評価
 4 結論


農村部のマイクロファイナンスと農業バリューチェーン――ニカラグアにおける地方開発基金(FDL)の戦略と展望[ヨーハン・バスティエンセン/ピーター・マチェッティ]
 1 はじめに
 2 マイクロファイナンスと包含的バリューチェーンの発展――理論的枠組み
 3 農業金融におけるバリューチェーンアプローチにむけて――ニカラグアにおけるFDL
 4 結論


第5部 満たされない需要を満たす――預金、保険、超貧困層への照準

女性と小口預金[ベアトリス・アルメンダリズ]
 1 はじめに
 2 なぜMFIと併行してROSCAが普及しているのか
 3 コミットメント貯蓄の需要――MFIで満たすことができるのか
 4 さまざまな課題
 5 結論


貧困層の貯蓄能力を高める――分割払い計画、およびそれらの変形についての覚書[スチュアート・ラザフォード]
 1 分割払い計画の優勢
 2 しかし貧困層にも仲介は必要である
 3 貧困層の分割払い計画
 4 分割払い計画に価値を加える――信頼性
 5 分割払い計画に価値を加える――柔軟性
 6 分割払い計画に価値を加える――流動性を利用した預金増大
 7 結論


貧困層のための保険――定義とイノベーション[クレイグ・チャーチル]
 1 はじめに
 2 マイクロインシュアランスの登場
 3 マイクロインシュアランスとはなにか
 4 マイクロインシュアランスとマイクロファイナンス
 5 供給と需要の課題
 6 登場しつつあるイノベーション
 7 結論


マイクロファイナンスの届かない人びとに到達する――BRACの「超貧困層をターゲットにする」プログラムに学ぶ[デイヴィッド・ヒューム/カレン・ムーア/カジ・ファイサル・ビン・セラジュ]
 1 はじめに
 2 TUP誕生の背景
 3 CFPR-TUPプログラムの進化
 4 CFPR-TUPの現状
 5 CFPR-TUPの成果
 6 CFPR-TUPに関する懸念
 7 CFPR-TUPからの教訓
 8 デザイン上の特徴
 9 CFPR-TUPのプロセス
 10 結論


第6部 満たされない需要を満たす――ジェンダーと教育

金融活動におけるジェンダーとマイクロファイナンスのための教訓[イザベル・ゲラン]
 はじめに
 1 金融活動におけるジェンダー
 2 女性主導型の金融回路
 3 結論

ジェンダーへの真剣な取り組み――金融サービスのためのジェンダー公正議定書に向けて[リンダ・マイユー]
 1 金融サービスのためのジェンダー公正枠組み議定書
 2 なぜ、金融サービスのためにジェンダー公正議定書が必要なのか
 3 組織のジェンダーポリシー――商業上の損益決算
 4 金融サービスへの平等なアクセス――技術面でのイノベーションを含めた商品およびサービスの開発に不可分の要素
 5 金融サービスは、適切な商品設計、金融リテラシーを含めた非金融サービス、およびジェンダー行動学習を通して女性のエンパワーメントに貢献する
 6 ジェンダー指標はソーシャルパフォーマンスマネジメントに不可欠の要素である
 7 消費者保護と規制政策が機会のジェンダー平等とエンパワーメントを統合する
 8 ジェンダー公正のアドボカシー
 9 非常に貧しく弱い立場にある女性の具体的なニーズと利益を含める
 10 金融サービスにおけるジェンダー公正に向けた環境の推進――全国ネットワーク、政府、およびドナー機関の役割

マイクロファイナンスによる高等教育――グラミン銀行のケース[アシフ・U・ドウラ]
 1 はじめに
 2 グラミン銀行と教育
 3 高等教育ローン
 4 結論


 監訳者あとがき

 索引

 執筆者一覧

 編者紹介・監訳者紹介・訳者紹介
著者略歴
ベアトリス・アルメンダリズ(ベアトリス アルメンダリズ beatorisu arumendarizu)
ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン上級講師、ハーバード大学講師(休職中)。CERMi、およびロックフェラー・ラテンアメリカ研究所客員研究員。マイクロファイナンスに関して論文審査付き学術誌に幅広く寄稿しているほか、The Economics of Microfinance第1版、第2版を共同執筆。メキシコ南部で2つのマイクロファイナンス機関(グラミン・トラスト・チアパスおよびアルソル)を設立した。グラミン・クレディ・アグリコール・マイクロファイナンス基金およびユースセーフで理事を務めるほか、世界の水ガバナンス向上をめざす「イニシアティブWaterLex」の顧問でもある。
マルク・ラビー(マルク ラビー maruku rabii)
モンス大学(UMONS)ワロッケ・ビジネススクール准教授(組織研究およびマネジメント)。ほかにブリュッセル自由大学(ULB)ソルヴェイ・ブリュッセル経営学院客員教授、ハーバード大学ケネディ行政大学院のFIPEDエグゼクティブ・プログラム講師。ベルギーのモンスとブリュッセルを本拠とするCERMi(マイクロファイナンス欧州研究センター)の共同設立者・共同責任者の1人でもある。
笠原 清志(カサハラ キヨシ kasahara kiyoshi)
1948年生まれ。慶應義塾大学大学院社会学研究科博士課程修了。社会学博士。旧ユーゴスラヴィアのベオグラード大学に留学。立教大学社会学部、経営学部教授を経て、現在、跡見学園女子大学マネジメント学部教授。主な著書に『自己管理制度の変遷と社会的統合』『産業化と社会的統合』『社会主義と個人――ユーゴとポーランド』、訳書に『参加的組織の機能と構造』『企業戦略と倫理の探求』、『貧困からの自由――世界最大のNGO‐BRACとアベッド総裁の軌跡』など多数。
立木 勝(タチキ マサル tachiki masaru)
京都市出身。大阪府公立中学校・高等学校教諭、英会話学校職員を経て翻訳家。主な訳書に『貧困からの自由』『貧困とはなにか』(明石書店)、『物理学は歴史をどう変えてきたか』(東京書籍)、『イスラエル擁護論批判』(三交社)など
タイトルヨミ
カナ:マイクロファイナンスジテン
ローマ字:maikurofainansujiten

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