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定価:4,400円(4,000円+税)
判型:A5
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内容紹介
トルコでは政府の開発主義に抗して、長らく反原発運動が行なわれているが、従来の抗議運動とは異なり、祝祭的で党派を超えた大規模な運動という特徴がある。どのように運動が発生し、進展したのか。日本の原子力輸出にも警鐘を鳴らす必読の書!
目次
凡例
略号表
序章 市民の声を求めて
1.日本の原発輸出と現地の反対運動
1-1.日本の原発が「トルコで一番幸せな街」へ
1-2.原発をめぐる世界の動向と日本の原発輸出
1-3.祭りのような反原発集会
1-4.40年以上続くトルコの反原発運動
2.社会運動のフレーミング戦略と予示的政治
2-1.社会運動研究のアプローチ
2-2.トルコの原子力問題についての研究
2-3.トルコの社会運動についての研究
2-4.分析に用いた資料
3.本書の構成
第1章 トルコの原発建設計画
1.原子力「平和利用」の拡大とトルコ
1-1.「アトムズ・フォー・ピース」
1-2.親米政策の一環としての原子力協定
2.繰り返された原発建設の試み
2-1.原子力研究の開始(第1期:1955~1971年)
2-2.建設地の選定とスウェーデンとの交渉(第2期:1972~1980年)
2-3.契約方式をめぐる交渉の難航(第3期:1980年代前半)
2-4.国際社会に懸念されたアルゼンチンとの協力(第4期:1980年代後半)
2-5.進まない国際入札(第5期:1992~2000年)
2-6.AKP政権下の原発建設計画(第6期:2004年~)
3.初の原発稼働へ近づくトルコ
3-1.ロシアによるアックユ原発の建設
(1)世界初のBOT契約
(2)事業の運営体制
(3)2023年に向け進む建設
3-2.先行き不透明なシノップ原発事業
3-3.第3原発建設に向けた動き
4.大国のシンボルとしての原発
第2章 トルコにおける環境運動と政治
1.トルコの環境運動の始まり(1960~70年代)
1-1.都市公害問題の深刻化
1-2.ローカルな環境運動の発生と環境団体の設立
1-3.政治的混乱と社会運動の先鋭化
2.社会運動の停滞と「新しい社会運動」の登場(1980~90年代)
2-1.1980年クーデターと市民社会の統制
2-2.民主化と市民社会の再活性化
2-3.「新しい社会運動」の登場
2-4.開発の加速と環境運動の拡大
2-5.クーデター後に生じた新たな機会
3.トルコにおける「緑の党」の試み
4.新自由主義への抵抗(2000年代以降)
4-1.民主化の進展と後退
4-2.縁故主義と開発事業へ高まる反発
4-3.ゲズィ抗議運動のインパクト
4-4.強まる権威主義
4-5.資本主義の正当性を問う
第3章 トルコにおける反原発運動の展開
1.漁民たちの反対運動――反原発運動の登場
2.「放射能を帯びたチャイはおいしい」――チェルノブイリ原発事故とトルコ
2-1.1980年クーデターの影響
2-2.チェルノブイリ原発事故へのトルコの反応
2-3.「放射能チャイ」論争――広がる放射能汚染への不安
2-4.「中東工科大学レポート」
2-5.署名・啓発運動の開始
3.高揚した1990年代の運動
3-1.運動拡大へ高まる気運
3-2.反核プラットフォームの結成
3-3.アックユ反原発フェスティバル
3-4.シノップでの反原発運動の始まり
3-5.原発建設中止を求める裁判
3-6.自主管理住民投票
3-7.反原発運動の勝利
4.2000年代以降の展開
4-1.反核プラットフォームの再結成
4-2.原発の建設・運転・売電関連法とアックユ原発入札への抗議
4-3.福島原発事故のインパクトと日本への抗議
4-4.環境影響評価をめぐる裁判闘争
(1)アックユ原発の環境影響評価
(2)シノップ原発の環境影響評価
(3)その他の裁判闘争
第4章 運動レパートリーと予示的政治
1.社会運動のレパートリー
2.トルコの反原発運動のレパートリー
3.創造性と祝祭性――予示的政治の顕れ
第5章 反原発運動のアクターと資源動員
1.反核プラットフォーム
2.各アクターによる資源動員
2-1.公的職業団体
2-2.環境団体
2-3.政党と地方自治体
2-4.芸術家
第6章 トルコの反原発世論と運動参加の背景
1.原発建設に対するトルコの世論
1-1.ボアジチ大学の研究者による調査(2007年7~8月実施)
1-2.グリーンピース地中海による調査(2011年3~4月実施)
1-3.Ipsos社による調査(2011年5月実施)
1-4.KONDA社による調査(2011年4月、2012年3月、2018年3月実施)
1-5.政治的・社会的分断を越えた反原発世論
2.運動参加者たちの語り――なぜ原発に反対するのか
2-1.「どの家にもガン患者がいる」――チェルノブイリの記憶
2-2.日本への視線――広島・長崎・福島
2-3.その他の運動参加動機
(1)環境意識の高まりと資本主義への懐疑
(2)生業への悪影響の不安
(3)将来世代への責任
第7章 反原発運動のフレーミング戦略
1.反原発運動の主張
2.フレーミング論の視点
3.表現とデザインのフレーム分析
3-1.原発の危険性
(1)「核は死を招く」――危険性の警告
(2)「原発事故を繰り返すな」――過去の教訓
(3)核兵器のイメージ――広島・長崎とナーズム・ヒクメット
(4)「核より命」
3-2.安全管理への懸念
3-3.放射性廃棄物への懸念
3-4.自然環境への悪影響
3-5.原発の経済的非合理性
3-6.再生可能エネルギーへの期待
3-7.「原発は時代遅れ」
3-8.外国依存悪化への懸念
3-9.「原発は嘘まみれ」――政権への不信
3-10.民主主義との矛盾
(1)「政府は市民の声を無視している」――政権批判のフレーム
(2)「我々の未来を守る」――自己決定への要求
(3)森林伐採と民主主義
4.マスターフレームとしての「自由と民主主義」
終章 社会変革の要求と予示的実践
1.本書のまとめ
2.変革を求める市民たち――建国100周年を前に
巻末資料
参考文献
あとがき
索引
略号表
序章 市民の声を求めて
1.日本の原発輸出と現地の反対運動
1-1.日本の原発が「トルコで一番幸せな街」へ
1-2.原発をめぐる世界の動向と日本の原発輸出
1-3.祭りのような反原発集会
1-4.40年以上続くトルコの反原発運動
2.社会運動のフレーミング戦略と予示的政治
2-1.社会運動研究のアプローチ
2-2.トルコの原子力問題についての研究
2-3.トルコの社会運動についての研究
2-4.分析に用いた資料
3.本書の構成
第1章 トルコの原発建設計画
1.原子力「平和利用」の拡大とトルコ
1-1.「アトムズ・フォー・ピース」
1-2.親米政策の一環としての原子力協定
2.繰り返された原発建設の試み
2-1.原子力研究の開始(第1期:1955~1971年)
2-2.建設地の選定とスウェーデンとの交渉(第2期:1972~1980年)
2-3.契約方式をめぐる交渉の難航(第3期:1980年代前半)
2-4.国際社会に懸念されたアルゼンチンとの協力(第4期:1980年代後半)
2-5.進まない国際入札(第5期:1992~2000年)
2-6.AKP政権下の原発建設計画(第6期:2004年~)
3.初の原発稼働へ近づくトルコ
3-1.ロシアによるアックユ原発の建設
(1)世界初のBOT契約
(2)事業の運営体制
(3)2023年に向け進む建設
3-2.先行き不透明なシノップ原発事業
3-3.第3原発建設に向けた動き
4.大国のシンボルとしての原発
第2章 トルコにおける環境運動と政治
1.トルコの環境運動の始まり(1960~70年代)
1-1.都市公害問題の深刻化
1-2.ローカルな環境運動の発生と環境団体の設立
1-3.政治的混乱と社会運動の先鋭化
2.社会運動の停滞と「新しい社会運動」の登場(1980~90年代)
2-1.1980年クーデターと市民社会の統制
2-2.民主化と市民社会の再活性化
2-3.「新しい社会運動」の登場
2-4.開発の加速と環境運動の拡大
2-5.クーデター後に生じた新たな機会
3.トルコにおける「緑の党」の試み
4.新自由主義への抵抗(2000年代以降)
4-1.民主化の進展と後退
4-2.縁故主義と開発事業へ高まる反発
4-3.ゲズィ抗議運動のインパクト
4-4.強まる権威主義
4-5.資本主義の正当性を問う
第3章 トルコにおける反原発運動の展開
1.漁民たちの反対運動――反原発運動の登場
2.「放射能を帯びたチャイはおいしい」――チェルノブイリ原発事故とトルコ
2-1.1980年クーデターの影響
2-2.チェルノブイリ原発事故へのトルコの反応
2-3.「放射能チャイ」論争――広がる放射能汚染への不安
2-4.「中東工科大学レポート」
2-5.署名・啓発運動の開始
3.高揚した1990年代の運動
3-1.運動拡大へ高まる気運
3-2.反核プラットフォームの結成
3-3.アックユ反原発フェスティバル
3-4.シノップでの反原発運動の始まり
3-5.原発建設中止を求める裁判
3-6.自主管理住民投票
3-7.反原発運動の勝利
4.2000年代以降の展開
4-1.反核プラットフォームの再結成
4-2.原発の建設・運転・売電関連法とアックユ原発入札への抗議
4-3.福島原発事故のインパクトと日本への抗議
4-4.環境影響評価をめぐる裁判闘争
(1)アックユ原発の環境影響評価
(2)シノップ原発の環境影響評価
(3)その他の裁判闘争
第4章 運動レパートリーと予示的政治
1.社会運動のレパートリー
2.トルコの反原発運動のレパートリー
3.創造性と祝祭性――予示的政治の顕れ
第5章 反原発運動のアクターと資源動員
1.反核プラットフォーム
2.各アクターによる資源動員
2-1.公的職業団体
2-2.環境団体
2-3.政党と地方自治体
2-4.芸術家
第6章 トルコの反原発世論と運動参加の背景
1.原発建設に対するトルコの世論
1-1.ボアジチ大学の研究者による調査(2007年7~8月実施)
1-2.グリーンピース地中海による調査(2011年3~4月実施)
1-3.Ipsos社による調査(2011年5月実施)
1-4.KONDA社による調査(2011年4月、2012年3月、2018年3月実施)
1-5.政治的・社会的分断を越えた反原発世論
2.運動参加者たちの語り――なぜ原発に反対するのか
2-1.「どの家にもガン患者がいる」――チェルノブイリの記憶
2-2.日本への視線――広島・長崎・福島
2-3.その他の運動参加動機
(1)環境意識の高まりと資本主義への懐疑
(2)生業への悪影響の不安
(3)将来世代への責任
第7章 反原発運動のフレーミング戦略
1.反原発運動の主張
2.フレーミング論の視点
3.表現とデザインのフレーム分析
3-1.原発の危険性
(1)「核は死を招く」――危険性の警告
(2)「原発事故を繰り返すな」――過去の教訓
(3)核兵器のイメージ――広島・長崎とナーズム・ヒクメット
(4)「核より命」
3-2.安全管理への懸念
3-3.放射性廃棄物への懸念
3-4.自然環境への悪影響
3-5.原発の経済的非合理性
3-6.再生可能エネルギーへの期待
3-7.「原発は時代遅れ」
3-8.外国依存悪化への懸念
3-9.「原発は嘘まみれ」――政権への不信
3-10.民主主義との矛盾
(1)「政府は市民の声を無視している」――政権批判のフレーム
(2)「我々の未来を守る」――自己決定への要求
(3)森林伐採と民主主義
4.マスターフレームとしての「自由と民主主義」
終章 社会変革の要求と予示的実践
1.本書のまとめ
2.変革を求める市民たち――建国100周年を前に
巻末資料
参考文献
あとがき
索引
著者略歴
森山 拓也(モリヤマ タクヤ moriyama takuya)
同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科博士後期課程修了。博士(グローバル社会研究)。NPO法人ピースデポ研究員、「脱軍備・平和レポート」編集長を経て、現在、NPO法人気候ネットワーク職員。著書に『イスラーム世界の挫折と再生:「アラブの春」後を読み解く』(共著、明石書店、2014年)、『ピース・アルマナック2021:核兵器と戦争のない地球へ』(共著、緑風出版、2021年)など。
タイトルヨミ
カナ:ゲンパツトタタカウトルコノヒトビト
ローマ字:genpatsutotatakautorukonohitobito
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