近刊検索 デルタ

2022年2月10日発売

明石書店

出版社名ヨミ:アカシショテン

白から黄色へ ヨーロッパ人の人種思想から見た「日本人」の発見

1300年~1735年
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内容紹介
マルコ・ポーロの日本についての言及以降、ヨーロッパ人の東アジアへの旅行の機会が増し、その存在を知覚によって認識するようになる。その後の400年間、人種という概念がいかに形成され、日本人の捉え方がどう変化していったか、その過程を膨大な資史料から解明する。
目次
 日本の読者へのメッセージ
 謝辞
 著者の言葉


 人種と人種論議――基本定義
 啓蒙時代以前の人種――論議とその要素そして展開
  ステージⅠ――最初の出会い
  ステージⅡ――地域の情報
  ステージⅢ――長期の出会いと地域情報の拡大
  ステージⅣ――グローバルな情報と集大成
 集団の地位に関する近世の決定要素

 本書の目標

第一局面 推測段階――出会い以前の日本に関する知識(一三〇〇年-一五四三年)

第一章 ジパングの浮上とその先駆的民族誌
 肌の色の中世的意義とポーロの見解

第二章 大航海時代の幕開けと“ジパング”
 カリブ海のジパング――コロンブスの妄想
 マラッカに来る謎のゴーレス
 総括――推測段階における“人種”

第二局面 観察――初期の出会いと論議の始まり(一五四三年-一六四〇年)

第三章 日本人に関する初期の観察
 動き始めた論議――近世初期日本に関する人種知識の生産者たち
 日本人とは何者か――初期の特徴描写
 日本人の身体検査とその全体像
 日本人の起源と民族的類縁性――予備的推論

第四章 当代のヒエラルキーにおける日本人の位置
 尺度としての力
 測定基準としての技術及び文化の達成度
 包括的民族階層化の登場
 アコスタの階層論
 ヴァリニャーノの階層論
 リンスホーテンの階層論
 集団の属性論

第五章 新人類秩序の鏡像
 政治的軍事的ヒエラルキー――奴隷と傭兵
 社会的文化的ヒエラルキー――先住民との性交渉と結婚
 精神の階層――イエズス会の会士資格
 力とヒエラルキー――日本人対中国人

第六章 観察局面期の“人種”とその認識上の限界
 近世の観察者に見る認識上の限界
 可視域を無視し不可視域を見る
 総括――観察段階の“人種”

第三局面 再検討――議論の到達点(一六四〇年-一七三五年)

第七章 日本人の体型と起源に関するオランダの再評価
  身体への転換――初期の徴候
  日本人の起源に関する再検討

第八章 力、地位そして世界秩序における日本人の位置
 オランダの力とアジアにおけるその限界
 日本人の力とオランダに対するその影響
 世界及びアジアのヒエラルキーと日本の位置

第九章 新しい分類学を求めて――植物、医術そして日本人
 植物学、医学そして科学的思考の高まり
 包括的人間分類法の誕生と日本人
 人種マーカーとしての黄色い肌の登場

第一〇章 “人種”と「再検討段階」における認識上の限界
 視覚的想像の限界
 当代ペテン師の教訓
 要約――「再検討段階」における“人種”

むすび――近世ヨーロッパにおける人種論議と日本人のケース
  近世人種論議のメカニズム
  近世ヨーロッパにおける人種の本質
  ローカルからグローバルへ――近世人種論議に対する日本の寄与
  “ヨーロッパ”の概念形成と人種に対するそのインパクト
  人種とヨーロッパ例外主義の問題
  まとめそしてプロローグ

訳者あとがき

 図の掲載書名と出典
 注
 参考文献
 索引
著者略歴
ロテム・コーネル(ロテム コーネル rotemu kooneru)
1960年7月、イスラエルのミフモレット生まれ。 ハイファ大学アジア学科正教授。専門は日本近代史。 エルサレムのヘブライ大学で東アジア学と心理学を専攻。ベルリン自由大学で1年、筑波大学で6年の研究の後、博士号を取得。さらにスタンフォード大学とヘブライ大学で研究を続ける。1998年、ハイファ大学で教職に就き、2004年に教授。日露戦争が地域と世界に及ぼした緊張と影響の研究をおこなう。2010年以降は、近世アジア、特に日本における人種と人種主義の研究調査が中心。早稲田大学、大阪大学、ジュネーブ大学、ミュンヘン大学の客員教授も務める。 主要著書 The Forgotten War between Russia and Japan―and its legacy. 2005 Historical Dictionary of the Russo-Japanese War. 2006 The Impact of the Russo-Japanese War. 2007 Rethinking the Russo-Japanese War 1904/05. 2007 The A to Z of the Russo-Japanese War. 2009 Race and Racism in Modern East Asia: Western and Eastern Construction. (with Walter Demel) 2013 Race and Racism in Modern East Asia (Vol. II): Interactions, Nationalism, Gender and Lineage. (with Walter Demel) 2015 Tsushima (Oxford’s Great Battles) 2021
滝川 義人(タキガワ ヨシト takigawa yoshito)
ユダヤ、中東研究者。長崎県諫早市出身、早稲田大学第一文学部卒業、元駐日イスラエル大使館チーフインフォメーションオフィサー。 主要著書:『ユダヤ解読のキーワード』(新潮社、1998年) 主要訳書:キャロル・リトナー編『ホロコーストの記憶――エリ・ウィーゼルが問うもの』(サイマル出版会、1990年)、アブラハム・レビン『涙の杯――ワルシャワゲットーの日記』(影書房、1993年)、マーチン・ギルバート『ホロコースト歴史地図――1918-1948』(東洋書林、1995年)、デボラ・E・リップシュタット『ホロコーストの真実――大量虐殺否定者たちの噓ともくろみ』(上下)(恒友出版、1995年)、ロベルト・S・ヴィストリヒ編『ナチス時代ドイツ人名事典』(東洋書林、2002年)、アブラム・レオン・ザハル『ユダヤ人の歴史』(明石書店、2003年)、ウリ・ラーナンほか編『イスラエル現代史』(明石書店、2004年)、クローディア・クーンズ「ナチと民族原理主義」(青灯社、2006年)、ジョアン・コメイ『ユダヤ人名事典』(東京堂出版、2010年)、アモス・エロン『ドイツに生きたユダヤ人の歴史――フリードリヒ大王の時代からナチズム勃興まで(明石書店、2013年)、イスラエル・メイル・ラウ「深淵より ラビ・ラウ回想録」(ミルトス、2015年)、『アメリカに生きるユダヤ人の歴史――アメリカへの移住から第一次世界大戦後の大恐慌時代まで』(上下)(明石書店、2020年)など多数。
タイトルヨミ
カナ:シロカラキイロヘヨーロッパジンノジンシュシソウカラミタニホンジンノハッケン
ローマ字:shirokarakiiroheyooroppajinnojinshushisoukaramitanihonjinnohakken

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