近刊検索 デルタ

2022年3月10日発売

明石書店

出版社名ヨミ:アカシショテン

戦後日本における反差別教育思想の源流

解放教育思想の形成過程
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内容紹介
戦後日本の反差別教育思想の源流である、部落解放をめざす解放教育思想がいかに醸成され、その形成過程で、どのような思想的な「選択/排除」がなされたのか、その背景と事情を当該時期に展開された同和教育論、解放教育論を読み解くことによって解き明かす。
目次
序章 本書の課題
 一 反差別教育とは何か
 二 本書の目的と意義
 三 先行研究の検討と本書の方法
 四 本書の構成

第一部 最大原則「差別の現実から深く学ぶ」の形成過程

第一章 一九四〇~五〇年代における盛田嘉徳の「解放教育」論の史的考察――盛田嘉徳論と後の反差別教育論の「連続性」に着目して
 はじめに
 一 盛田嘉徳の「解放教育」論の前提
 二 一九四九年段階における抵抗意識の形成構想と「解放教育」の「一般化」構想
 三 「解放教育」をめぐる外在・内在的課題
 四 一九五〇年代における「解放教育」の「平易化」構想
 おわりに

第二章 全国同和教育研究協議会における融和教育批判論の受容
 はじめに
 一 全同教における融和教育批判論の形成過程
 二 融和教育批判論における観念性批判の思想性
 三 金子と盛田の同和教育構想における相違点
 おわりに

第三章 「反独占の同和教育」論の形成過程
 はじめに
 一 井上清の部落問題認識とその思想的系譜
 二 「反独占の同和教育」論の形成
 おわりに

第四章 戦後同和教育における三原則の選択――最大原則「差別の現実から深く学ぶ」成立過程で選択された三原則
 はじめに
 一 スローガンの変容とその背景
 二 「三原則」の選択
 おわりに

第二部 小川太郎の同和教育論と生活綴方的教育方法論

第五章 小川太郎の同和教育論における生活綴方的教育方法の位置
 はじめに
 一 小川太郎の社会観と生活綴方
 二 小川太郎の国民教育像と生活綴方論
 三 小川太郎の部落問題、同和教育認識と生活綴方
 四 小川太郎の同和教育論における生活綴方の役割や意義、及び、位置
 おわりに

第六章 戦後日本の反差別教育における「論理」の形成――小川太郎の生活綴方論の「変容」に着目して
 はじめに
 一 小川太郎の思想基盤と前期生活綴方論
 二 小川太郎における生活綴方論の「変容」─同和教育の影響─
 三 小川太郎の生活綴方論の「変容」によって形成された「反差別の論理」
 おわりに

第七章 生活綴方を基礎とした生活指導と教科指導の統合論の考察――小川太郎における教育構造論をてがかりとして
 はじめに
 一 小川太郎の課題意識と彼の教育構造論の枠組み
 二 小川論における生活綴方と生活指導の関係性
 三 生活綴方を基礎とした生活指導と教科指導の関係性
 おわりに

補論一 小川太郎の生活綴方的教育方法論、同和教育論への批判の解読――城丸章夫による批判を主な題材として
 はじめに
 一 小川太郎の生活指導論
 二 城丸章夫の小川生活指導論批判(一)─生活綴方論批判を中心に─
 三 城丸章夫の小川生活指導論批判(二)─同和教育論批判を中心に─
 四 小川太郎と城丸章夫の思想的相違点
 おわりに

第三部 「解放の学力」論の形成過程と「解放の主体形成」実践理念、実践構想

第八章 中村拡三における「解放の学力」論の成立過程
 はじめに
 一 第一期における中村拡三の思想
 二 第二期における中村拡三の思想変容
 三 「解放の学力」論の成立
 おわりに

第九章 「解放の学力」論形成過程における思想的「選択」と「排除」――中村拡三の「解放の学力」論を事例として
 はじめに
 一 第一期の中村拡三の「学力」形成論と思想構造
 二 第二期の中村拡三の「学力」形成論と思想構造
 三 第一期~第二期における中村拡三の「選択/排除」
 四 中村拡三の思想的「排除」の歴史的理由
 おわりに

第一〇章 福地幸造を支えた生活指導実践理念の含意
 はじめに
 一 福地幸造の思想的系譜と課題意識
 二 福地幸造における生活指導実践理念とそれに込められていた含意
 おわりに

第一一章 福地幸造における生活指導実践の構造
 はじめに
 一 福地生活指導実践の内容的側面─「親の生きざま」・「血脈の思想」─
 二 福地生活指導実践の組織的側面─「教育と運動の結合」・「部落研活動」─
 三 福地生活指導実践の方法的側面─「語り」、「価値争奪」、「担白」・「翻身」─
 おわりに

補論二 「語り」の作風への批判と賛同
 一 「語り」の作風への批判─竹内常一による批判を事例として─
 二 福地実践への賛同─林力を事例として─

終章 本書の結論と今後の課題
 一 要約と結論
 二 今後の研究課題

 参考文献
 初出一覧
 あとがき
 索引
著者略歴
板山 勝樹(イタヤマ カツキ itayama katsuki)
公立大学法人名桜大学 国際学群国際文化教育研究学系語学教育専攻教授。九州大学大学院人間環境学府発達・社会システム博士後期課程単位取得退学。修士(教育学)。福岡市での25年間の中学校教員を経て現職。その間、福岡市進路保障研究会事務局長、福岡地区進路保障協議会事務局長、福岡県人権研究所紀要編集委員、福岡市「同和」教育研究会事務局員等を歴任。研究分野は教育学、戦後教育史、戦後教育思想史。特に、戦後日本の反差別教育の歴史的研究。 共著に『人権論の教科書』(古橋エツ子監修・和田幸司編著、ミネルヴァ書房、2020年)、『教職へのいざない』(板山勝樹編著、東洋企画、2019年)、『ものごとを多面的にみる(名桜叢書 第1集)』(名桜大学編、出版舎Mugen、2014年)、『教職を拓く』(嘉納英明編著、東洋企画、2014年)。また、「第一次部落解放教育計画において提示された『反差別の論理』の必然性―日本教職員組合教育制度検討委員会報告批判という文脈に着目して―」(部落解放・人権研究所編『部落解放研究』213号 部落解放・人権研究所、150-168頁、2020年)など、戦後日本の反差別教育に関する論文が多数。
タイトルヨミ
カナ:センゴニホンニオケルハンサベツキョウイクシソウノゲンリュウ
ローマ字:sengonihonniokeruhansabetsukyouikushisounogenryuu

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