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定価:3,080円(2,800円+税)
判型:A5
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内容紹介
日本の戦後高度経済成長期を現在途上国が経験している「開発」すなわち他者からの援助を利用した近代化の過程の先駆として捉え、農村、炭鉱、公衆衛生の三つの分野について、とりわけ女性の働きに焦点を当て、高度成長がどのように準備されたのかを振り返る。
目次
はじめに 開発社会学の視点から戦後を語る意味
第1章 高度成長を用意したもの――映画『家族』の風景を理解する[佐藤寛]
1.高度経済成長真っただ中の日本列島を縦断する「家族」
2.映画の背景にある高度成長の日本で起きていたこと
3.近代化の奔流
4.高度成長の主人公としての「家族」
第一部 途上国としての戦後日本
第2章 開発社会学の視点で見る戦後の石炭産業[佐野麻由子・滝村卓司]
1.はじめに
2.開発社会学の視点
3.石炭政策を開発プロセスとして見る
4.GHQによる石炭開発政策
5.独立後の日本の石炭開発
6.石炭産業の盛衰に見る戦後(1945~1962年)の日本の開発経験とは
7.開発経験として通時的に石炭産業の盛衰を見ることの意味
第3章 協同農業普及事業導入時における“適応・再編成”――戦後日本における外部介入型の農村開発[辰己佳寿子]
1.終戦直後の日本における外部介入型の農村開発
2.協同農業普及事業導入による日本政府の対応
3.普及員を介して適応・再編成されていく普及事業
4.戦後日本における“適応・再編成”型の農村開発
第4章 日本の公衆衛生におけるGHQの介入と変化[坂本真理子]
1.はじめに
2.戦後占領政策の中で公衆衛生対策が強化された背景
3.GHQが行った公衆衛生分野での介入――保健所の整備
4.GHQが行った公衆衛生分野での介入――地域に合わせた対応の多様性
5.戦後公衆衛生の担い手(リーダーの発掘・人材開発)――保健婦に焦点を当てて
6.衛生指標に見る改善
7.GHQ撤退後の公衆衛生の変化
第二部 高度成長を準備したローカルな状況
第5章 資源エネルギー開発としての炭鉱――旧産炭地田川から見た日本の「発展」と「開発」経験[佐野麻由子]
1.はじめに
2.旧産炭地域における筑豊地域の位置づけ
3.日本の近代化過程における産炭地の礎の形成
4.戦後復興期の石炭をめぐる開発・発展プロジェクト
5.石炭産業から見えた日本の発展経験、開発経験
第6章 外部介入型の農村開発から内発的な農村発展への転換過程――山口県における生活改善の変遷を通して[辰己佳寿子]
1.傍流に位置づけられる生活改善
2.山口県における初期の生活改善普及事業(昭和20年代)
3.山口県の生活改善普及事業の特徴(昭和30-40年代)
4.生活改善普及事業からむらづくり運動への転換(昭和50年代から平成初期)
5.条件不利地で展開するむらづくり運動
第7章 人づくり 外発と内発の中で創られていった保健婦[坂本真理子]
1.はじめに
2.歴史的な連続性の中で創られていった保健婦という職業――二つの外発的機会
3.地域密着型の活動と行政組織の中での特異的な立ち位置の中で創られていった保健婦の特性
4.保健婦たちの活動へのモチベーションを支え、職業観を培った学習活動
5.職業としての定着の後に問われるもの
終章 占領政策を開発援助として見る[佐藤寛]
1.復興政策としての民主化と経済成長
2.米日援助関係からの教訓
3.経済開発と社会開発
4.被援助国からドナーへ
あとがき
第1章 高度成長を用意したもの――映画『家族』の風景を理解する[佐藤寛]
1.高度経済成長真っただ中の日本列島を縦断する「家族」
2.映画の背景にある高度成長の日本で起きていたこと
3.近代化の奔流
4.高度成長の主人公としての「家族」
第一部 途上国としての戦後日本
第2章 開発社会学の視点で見る戦後の石炭産業[佐野麻由子・滝村卓司]
1.はじめに
2.開発社会学の視点
3.石炭政策を開発プロセスとして見る
4.GHQによる石炭開発政策
5.独立後の日本の石炭開発
6.石炭産業の盛衰に見る戦後(1945~1962年)の日本の開発経験とは
7.開発経験として通時的に石炭産業の盛衰を見ることの意味
第3章 協同農業普及事業導入時における“適応・再編成”――戦後日本における外部介入型の農村開発[辰己佳寿子]
1.終戦直後の日本における外部介入型の農村開発
2.協同農業普及事業導入による日本政府の対応
3.普及員を介して適応・再編成されていく普及事業
4.戦後日本における“適応・再編成”型の農村開発
第4章 日本の公衆衛生におけるGHQの介入と変化[坂本真理子]
1.はじめに
2.戦後占領政策の中で公衆衛生対策が強化された背景
3.GHQが行った公衆衛生分野での介入――保健所の整備
4.GHQが行った公衆衛生分野での介入――地域に合わせた対応の多様性
5.戦後公衆衛生の担い手(リーダーの発掘・人材開発)――保健婦に焦点を当てて
6.衛生指標に見る改善
7.GHQ撤退後の公衆衛生の変化
第二部 高度成長を準備したローカルな状況
第5章 資源エネルギー開発としての炭鉱――旧産炭地田川から見た日本の「発展」と「開発」経験[佐野麻由子]
1.はじめに
2.旧産炭地域における筑豊地域の位置づけ
3.日本の近代化過程における産炭地の礎の形成
4.戦後復興期の石炭をめぐる開発・発展プロジェクト
5.石炭産業から見えた日本の発展経験、開発経験
第6章 外部介入型の農村開発から内発的な農村発展への転換過程――山口県における生活改善の変遷を通して[辰己佳寿子]
1.傍流に位置づけられる生活改善
2.山口県における初期の生活改善普及事業(昭和20年代)
3.山口県の生活改善普及事業の特徴(昭和30-40年代)
4.生活改善普及事業からむらづくり運動への転換(昭和50年代から平成初期)
5.条件不利地で展開するむらづくり運動
第7章 人づくり 外発と内発の中で創られていった保健婦[坂本真理子]
1.はじめに
2.歴史的な連続性の中で創られていった保健婦という職業――二つの外発的機会
3.地域密着型の活動と行政組織の中での特異的な立ち位置の中で創られていった保健婦の特性
4.保健婦たちの活動へのモチベーションを支え、職業観を培った学習活動
5.職業としての定着の後に問われるもの
終章 占領政策を開発援助として見る[佐藤寛]
1.復興政策としての民主化と経済成長
2.米日援助関係からの教訓
3.経済開発と社会開発
4.被援助国からドナーへ
あとがき
著者略歴
佐藤 寛(サトウ カン satou kan)
開発社会学舎主宰(アジア経済研究所名誉研究員)
〈主な著書・論文〉
『コンビニからアジアを覗く』(編著)日本評論社、2021/『開発援助と人類学』(編著)明石書店、2011/『開発援助の社会学』(単著)世界思想社、2005/「戦後日本の生活改善運動」『開発学を学ぶ人のために』(菊池京子編)pp.144-163、世界思想社、2001/「日本のODAの存在意義」『国際開発研究』第7巻第2号、pp.9-25、国際開発学会、1998
〈自分にとっての「戦後研究」の意味〉
大学の卒論で『開発社会学序説』を書いた時から「内発的発展論」は私の中で未解決な問題として残っています。そして途上国の発展と開発援助を考える際に、日本の発展の軌跡をどう捉えるか、明治維新と戦後復興を開発の文脈でどう相対化するか、がこの内発的発展論問題を解く鍵を提供してくれるのではないかと思っています。その意味で戦後研究は私の開発社会学研究にとっての「宝の山」なのです。
タイトルヨミ
カナ:センゴニホンノカイハツケイケン
ローマ字:sengonihonnokaihatsukeiken
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