近刊検索 デルタ

2024年1月12日発売

明石書店

出版社名ヨミ:アカシショテン

京の坤境界

桂川が流れる〈平坦な坂〉をめぐる
このエントリーをはてなブックマークに追加
内容紹介
坂が境界であるなら、平坦な坂もある。京都中心部と坤方向の外部との往還に渡らねばならない桂川とその両岸に広がる地域は、境界ゾーンをなしてきた。これを坤境界ととらえ桂川と古くからの渡河点である久世橋両岸の吉祥院、久世を巡り、歴史的変遷をたどる。
目次
 はじめに

第一章 境界としての桂川
 桂川が隔て、結んだもの
 一、古代
  葛野の開発
  葛野大堰
  松尾大社
  月読神社
  櫟谷宗像神社、大井神社
  法輪寺と空海
  伏見稲荷と秦氏
  石清水八幡宮と秦氏
  上賀茂・下鴨神社と秦氏
  木嶋坐天照御魂神社
 二、中世~近世
  用水指図
  「御庄」とは?
  土一揆と起請文
  隔てつつ結ぶ
 三、「桂男」、「桂女」をめぐって
  「桂」という地名
  桂男
  桂の樹に倚る月神
  桂女
  桂女像の転換
  近世の桂女
  近代の桂女
 四、近現代の桂川
  保津川下り
  水害と河道整備
  堤外地(河川敷)の利用
  桂川河川敷の農地
  流作地の拡がり
  都市近郊空間としての流作地
  近代の河川管理と桂川堤外地
  時代を映す堤外地風景
  未来に向けて
 五、京都の坤境界としての桂川

第二章 桂川に南面する吉祥院
 一、吉祥院天満宮近辺
  吉祥天女社と天満宮
  吉祥院六斎念仏踊り
 二、南條――吉祥院菅原町近辺
  『雍州府志』にみる小島
  喜田貞吉の小島村考
  検非違使とキヨメ
  小島村の草場
  牛馬吟味
  近代の南條
  在日朝鮮人の集住
  南條の六斎講
  六斎念仏講の衰退と菅原講での継承
  菅原講の危機と再建
  運動のリニューアル、学校との連携
  地域活動のネットワーク化
  境界からの発信
 三、西條――吉祥院西ノ茶屋町近辺
  西條茶屋
  陽泉亭
  日向地蔵と日向大神宮
  日向地蔵の受難と再生
  日向地蔵再びの危機
  八九年ぶりの新築
  大乗仏典塔の発掘調査
  自前の水

第三章 桂川に北面する久世
 一、久世大築町近辺
  清目の田畑
  清目の暮らし
  近世舁揚村の動向
  舁揚村の近代
  久世の米騒動
  大藪水平社
  久世結婚差別事件
  一斗缶の便所
  新川からニューリバーへ
 二、久世殿城町近辺
  岩倉と久世
  癲狂院一件
  廃仏毀釈と大日堂
  廃仏毀釈と癲狂院
  大日堂と下久世村
  善定の行方
 三、久世上久世町近辺
  蔵王堂
  久世六斎念仏
  綾戸社と国中社
  駒形稚児
  少将井駒形神人
  駒頭の行方
  上久世村としての供奉

終章 「坤の境界」が持つ意味
 一、地理的周縁と身分的周縁
 二、癒し、再生の場としての周縁
 三、中心による周縁の位置付け
  駒形の移動
  祇園社の氏子圏
  周縁による中心の「逆定言」
 四、都市・京都の中心と周縁
 五、おわりに
  坤境界の変容
  坤境界の特性

 あとがき
著者略歴
中西 宏次(ナカニシ ヒロツグ nakanishi hirotsugu)
一九四六年八月、京都西陣の聚楽第東堀跡に生まれ、育つ。一九七一年から二〇〇七年まで大阪府立高校教員(社会科、地歴公民科)、二〇〇九年から二〇一四年まで京都精華大学人文学部特任教授。二〇一四年から二〇二〇年同大学特別研究員、非常勤講師。現在は京都民衆史研究所・代表。 著書 『聚楽第・梅雨の井物語』(阿吽社、一九九九年)『戦争のなかの京都』(岩波ジュニア新書、二〇〇九年)『京都の坂――洛中と洛外の「境界」をめぐる』(明石書店、二〇一六年) 共著書 『学校のことば・教師のことば』(一九九四年、東方出版)『学校のモノ語り』(二〇〇〇年、東方出版)『学校の境界』(二〇〇三年、阿吽社)『むかし学校は豊かだった』(二〇〇九年、阿吽社)『マンガで読み解くマンガ教育』(二〇一四年、阿吽社)『小さな地域と小さな学校』(二〇二〇年、明石書店)など
タイトルヨミ
カナ:キョウノヒツジサルキョウカイ
ローマ字:kyounohitsujisarukyoukai

※近刊検索デルタの書誌情報はopenBDのAPIを使用しています。

-- 広告 -- AD --

【AD】
今、注目すべき第三書館の本
一番やさしい俳句再入門
実は俳句の本をけっこう出しています

-- 広告 -- AD --

もうすぐ発売(1週間以内)

※近刊検索デルタの書誌情報はopenBDのAPIを利用しています。