ほか
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定価:4,620円(4,200円+税)
判型:A5
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内容紹介
2020年に急逝した文化人類学者デヴィッド・グレーバー。その思考の意義は、未だ汲み尽くされぬ魅力と価値に溢れている。日本でも『価値論』『負債論』『官僚制のユートピア』『アナーキスト人類学のための断章』(以文社)、『ブルシット・ジョブ』(岩波書店)などをはじめとするその著作は、現代社会を鋭く批評し、専門分野を超えてさまざまな議論がなされてきた。
とりわけ、2011年(日本語訳は2016年)に刊行された『負債論』は、貨幣と負債の秘密を5000年の人類史から読み解き、同時代の金融危機の記憶と影響とあいまって、人々に大きな衝撃をもたらす、世界的なベストセラーとなった。
本書は、グレーバーの「人間経済 human economy」の概念を手がかりに、『負債論』で提起された経済や政治をめぐる思考を、さらに先へと推し広げていくべく編まれた論文集である。
新型コロナウイルスの流行、ウクライナ危機と連動した世界的な不況が広がる今日、「他者を信じ、他者に追う」営みによって新たな社会関係と価値を創造する「人間経済」の可能性とは何か、文化人類学的視座から考察していく。
※本書は、2021年に開催された文化人類学公開シンポジウム「人類学からみる現代世界の信用と負債ーー「人間経済」に向けて」の成果に基づく登壇者による論考をまとめた第Ⅰ部、グレーバーの著作の翻訳を多く手掛ける酒井隆史氏による特別寄稿論文、グレーバー本人の未翻訳論文、グレーバーが『負債論』執筆にあたって大きな影響を受けた経済人類学者キース・ハートによる、『負債論』の書評論文を追加収録した第Ⅱ部、そして第Ⅰ部の執筆陣(シンポジウム登壇者)による本書の総括である座談会を掲載した第Ⅲ部からなる。
とりわけ、2011年(日本語訳は2016年)に刊行された『負債論』は、貨幣と負債の秘密を5000年の人類史から読み解き、同時代の金融危機の記憶と影響とあいまって、人々に大きな衝撃をもたらす、世界的なベストセラーとなった。
本書は、グレーバーの「人間経済 human economy」の概念を手がかりに、『負債論』で提起された経済や政治をめぐる思考を、さらに先へと推し広げていくべく編まれた論文集である。
新型コロナウイルスの流行、ウクライナ危機と連動した世界的な不況が広がる今日、「他者を信じ、他者に追う」営みによって新たな社会関係と価値を創造する「人間経済」の可能性とは何か、文化人類学的視座から考察していく。
※本書は、2021年に開催された文化人類学公開シンポジウム「人類学からみる現代世界の信用と負債ーー「人間経済」に向けて」の成果に基づく登壇者による論考をまとめた第Ⅰ部、グレーバーの著作の翻訳を多く手掛ける酒井隆史氏による特別寄稿論文、グレーバー本人の未翻訳論文、グレーバーが『負債論』執筆にあたって大きな影響を受けた経済人類学者キース・ハートによる、『負債論』の書評論文を追加収録した第Ⅱ部、そして第Ⅰ部の執筆陣(シンポジウム登壇者)による本書の総括である座談会を掲載した第Ⅲ部からなる。
目次
諸 言
第Ⅰ部
序 章 信用、負債、返済(佐久間 寛)
第一章 商業経済と絡まり合う人間経済のありか――ラオスのコーヒー産地における農家による金貸しからの逃避をめぐって(箕曲在弘)
第二章 時間を与えあう――商業経済と人間経済の連環を築く「負債」をめぐって(小川さやか)
第三章 暴力の貸しを取り返しに行く――東アフリカ牧畜社会における復讐/感染/代替の論理(佐川 徹)
第四章 負債と労働の関係――グレーバーの『負債論』と『ブルシット・ジョブ』をつなぐもの(松村圭一郎)
第Ⅱ部
第五章 負債と約束―― 戦前大阪の都市下層社会における貸し借りの論理からみる(酒井隆史)
第六章 世界を生み出すのは価値である(デヴィッド・グレーバー/田口陽子訳)
第七章 負債、暴力、非人格的市場――ポランニー的省察(デヴィッド・グレーバー/佐久間寛訳)
第八章 デヴィッド・グレーバーと不平等世界の人類学(キース・ハート/林愛美訳)
第Ⅲ部
第九章 『負債と信用の人類学』座談会(小川さやか/佐川徹/佐久間寛/松村圭一郎/箕曲在弘)
第Ⅰ部
序 章 信用、負債、返済(佐久間 寛)
第一章 商業経済と絡まり合う人間経済のありか――ラオスのコーヒー産地における農家による金貸しからの逃避をめぐって(箕曲在弘)
第二章 時間を与えあう――商業経済と人間経済の連環を築く「負債」をめぐって(小川さやか)
第三章 暴力の貸しを取り返しに行く――東アフリカ牧畜社会における復讐/感染/代替の論理(佐川 徹)
第四章 負債と労働の関係――グレーバーの『負債論』と『ブルシット・ジョブ』をつなぐもの(松村圭一郎)
第Ⅱ部
第五章 負債と約束―― 戦前大阪の都市下層社会における貸し借りの論理からみる(酒井隆史)
第六章 世界を生み出すのは価値である(デヴィッド・グレーバー/田口陽子訳)
第七章 負債、暴力、非人格的市場――ポランニー的省察(デヴィッド・グレーバー/佐久間寛訳)
第八章 デヴィッド・グレーバーと不平等世界の人類学(キース・ハート/林愛美訳)
第Ⅲ部
第九章 『負債と信用の人類学』座談会(小川さやか/佐川徹/佐久間寛/松村圭一郎/箕曲在弘)
著者略歴
佐久間 寛(サクマ ユタカ sakuma yutaka)
明治大学政治経済学部准教授,専攻は文化人類学,アフリカ地域研究.主要著作に,Présence Africaine: Index alphabétque par auteurs 1947-2016 (Présence Africaine, 2021),『ガーロコイレ——ニジェール西部農村社会をめぐるモラルと叛乱の民族誌』(平凡社,2013年),主な訳書に,カール・ポランニー『経済と自由——文明の転換』(共訳,筑摩書房,2015年),クロード・レヴィ=ストロース『構造人類学ゼロ』(共訳,中央公論新社,近刊)がある.
箕曲 在弘(ミノオ アリヒロ minoo arihiro)
小川 さやか(オガワ サヤカ ogawa sayaka)
佐川 徹(サガワ トオル sagawa tooru)
松村 圭一郎(マツムラ ケイイチロウ matsumura keiichirou)
酒井 隆史(サカイ タカシ sakai takashi)
デヴィッド グレーバー(デヴィッド グレーバー deviddo gureebaa)
キース ハート(キース ハート kiisu haato)
田口 陽子(タグチ ヨウコ taguchi youko)
林 愛美(ハヤシ マナミ hayashi manami)
タイトルヨミ
カナ:フサイトシンヨウノジンルイガク
ローマ字:fusaitoshinyounojinruigaku
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