近刊検索 デルタ

2018年9月27日発売

青弓社

出版社名ヨミ:セイキュウシャ

産婆と産院の日本近代

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内容紹介
戦前から戦後、そして現在に至る産婆・助産婦の実践の歴史を、ライフヒストリー、雑誌分析、行政資料などから多角的に描き出す。出産の近代化を支えた産婆・助産婦の営みから、「産む女性にとって何が必要か」をともに考える「助産」の重要性を説く。
目次
まえがき

序 章 産婆・助産婦・助産師の近代
 1 大正期生まれの開業助産婦ツルのライフヒストリー
 2 戦後の有床助産所の経験――一九六三年のI助産院日誌から
 3 有床助産所と地域の助産婦が果たした役割

第1章 明治期日本の助産婦に向ける医師の統制と期待――出産の正常と異常の境界をめぐって
 1 問題関心
 2 出産の医療化論の空白と「助産之栞」を読む意味
 3 緒方正清の助産婦教育と基本的姿勢
 4 助産婦に対する産科医の期待――新潟助産婦学校校長・高橋辰五郎の場合
 5 産む身体の区分をめぐる医師と助産婦の分業――医学士・古川栄の助産職観
 6 正常と異常の境界がつくられるとき――助産婦が遭遇する難産と対処法
 7 生命との対峙――自立性(ルビ:オートノミー)が鍛えられる場

第2章 性と出産の近代と社会統制――雑誌メディアからみた衛生観念・家族規範・国民意識の形成とその回路
 1 〈生命監視装置としての新産婆〉という視点の再検討
 2 近代産婆と医師の関係
 3 「助産之栞」からみる性と出産の近代
 4 統制のゆくえと担い手
 5 性と出産の統制と産婆

第3章 産婆の近代と出産の医療化――「助産之栞」を口述史料として読む
 1 「生きられた経験」としての出産の医療化
 2 一九一〇年代に歓迎された陣痛促進剤――「ピツイトリン」の衝撃
 3 腹式帝王切開術の定着とピツイトリン
 4 構成される出産の正常と異常の境界――三宅小民の症例報告を中心として
 5 「助産之栞」が示す対話的性格の意義

第4章 産師法制定運動の興隆と終焉
 1 「生るべくして生れなかった」法律をめぐって
 2 産師法制定運動の展開と産婆会の全国組織化――一九二五―二七年
 3 大日本産婆会と産師法制定運動
 4 女性が産院出産を選好した要因
 5 産婆は「療属」なのか

第5章 出産の戦後史
 1 出産と医療
 2 儀礼の変遷
 3 出産情報の流通と展開
 4 戦前と戦後の連続性
 5 「産む私」が本当に主役になる出産を目指す

第6章 戦後の助産婦教育
 1 GHQ公衆衛生福祉局の助産婦「民主化」政策
 2 戦前の産婆教育との不連続性
 3 戦後助産婦教育カリキュラムの変遷
 4 等閑視された助産の専門家養成

終 章 「助産」という実践を見えなくさせたもの――助産所と助産施設の違いを中心に
 1 助産実践の周辺化
 2 一九五〇年代に進行した出産の二つの施設化
 3 助産所とは何か――医療法と『母子衛生の主なる統計』の記述から
 4 助産施設とは何か――児童福祉法の成立過程と記述から
 5 戦前期の産院との断絶
 6 産む身体への配慮と出産の医療化

あとがき
著者略歴
大出 春江(オオデ ハルエ oode harue)
大妻女子大学人間関係学部教授。専攻は社会学。編著に『看取りの文化とケアの社会学』(梓出版社)、共著に『産み育てと助産の歴史――近代化の200年をふり返る』(医学書院)、『歴史と向きあう社会学――資料・表象・経験』(ミネルヴァ書房)、『ライフヒストリーの社会学』(弘文堂)など。
タイトルヨミ
カナ:サンバトサンインノニホンキンダイ
ローマ字:sanbatosaninnonihonkindai

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