近刊検索 デルタ

2017年6月15日発売

新曜社

出版社名ヨミ:シンヨウシャ

漱石のヒロインたち 古典から読む

古典から読む
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内容紹介
◆漱石文学を魅力的にしている女性たち
 数々の名作を書き、今なお人気の「国民的作家」夏目漱石については、これまでも数多の言述がなされ、ほとんど出尽くした観があります。しかし不思議と、漱石が描く女性主人公(ヒロイン)についてはほとんど論じられていません。『虞美人草』の藤尾、『行人』のお直、『それから』の三千代、そして『三四郎』の美禰子など、作品を魅力的にしているヒロインたちの性格とユニークな言動を、漱石はどこから着想したのでしょう。英文学者としての学識はもちろんとして、幼少期からの日本の古典と漢文学への造詣によるところが大きい、と著者は言います。『坊っちやん』と義経伝説、『こころ』と夢幻能との関係、また『源氏物語』『平家物語』『方丈記』、能・謡曲と関係づけた読解から新たな展望が開けてきます。漱石死後百年目の今年の注目作になることでしょう。
目次
漱石のヒロインたち 目次
はじめに

第一部 漱石のヒロインたち

第一章 『虞美人草』の「紫の女」
 1 藤尾は「新しい女」か
 2 藤尾と『源氏物語』
 3 藤尾と『葵上』
 4 藤尾の成仏

第二章 『行人』のお直をめぐって
 1 嫉妬する男たち
 2 二郎と女たち
 3 お直の正体

第三章 『それから』の三千代百合の表象
 1 『金色夜叉』の百合
 2 Dora Thornのlily
 3 水死する女
 4 水の中の百合
 5 ヒロインの二面性

第四章 『三四郎』の美禰子をめぐって
 1 「水の女」のイメージ
 2 那美との相違
 3 美禰子の肖像画
 4 「迷羊」のゆくえ

第二部 漱石文学と古典

第五章 漱石と『方丈記』
 1 『方丈記』の英訳
 2 漱石の『方丈記』論
 3 『草枕』と『方丈記』
 4 『倫敦塔』と『方丈記』

第六章 『門』の美的世界
 1 『門』が描く自然
 2 「市中の山居」
 3 「近代の桃源」
 4 『門』と与謝蕪村

第七章 「坊っちやん」という謎『坊っちやん』と義経伝説
 1 「坊っちやん」という呼称
 2 「坊っちやん」は行動するのか
 3 都会と田舎
 4 坊っちゃんと義経
 5 『船弁慶』と『坊っちやん』
 6 漱石と『船弁慶』

第三部 『こころ』をめぐって

第八章 『こころ』に描かれた「時」
 1 重ねられた「時間」
 2 「先生」というシテ
 3 『こころ』とアレゴリー0
 4 「時の翁」
 5 「時」の力

第九章 「私」との対話
 1 名前がないこと
 2 「私」という自称
 3 ふたりの「私」
 4 「私」と「主人公」


あとがき
索引
  
   装幀 難波園子
著者略歴
増田 裕美子(マスダ ユミコ masuda yumiko)
タイトルヨミ
カナ:ソウセキノヒロインタチ
ローマ字:sousekinohirointachi

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