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定価:3,520円(3,200円+税)
判型:四六
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内容紹介
◆漱石文学を魅力的にしている女性たち
数々の名作を書き、今なお人気の「国民的作家」夏目漱石については、これまでも数多の言述がなされ、ほとんど出尽くした観があります。しかし不思議と、漱石が描く女性主人公(ヒロイン)についてはほとんど論じられていません。『虞美人草』の藤尾、『行人』のお直、『それから』の三千代、そして『三四郎』の美禰子など、作品を魅力的にしているヒロインたちの性格とユニークな言動を、漱石はどこから着想したのでしょう。英文学者としての学識はもちろんとして、幼少期からの日本の古典と漢文学への造詣によるところが大きい、と著者は言います。『坊っちやん』と義経伝説、『こころ』と夢幻能との関係、また『源氏物語』『平家物語』『方丈記』、能・謡曲と関係づけた読解から新たな展望が開けてきます。漱石死後百年目の今年の注目作になることでしょう。
数々の名作を書き、今なお人気の「国民的作家」夏目漱石については、これまでも数多の言述がなされ、ほとんど出尽くした観があります。しかし不思議と、漱石が描く女性主人公(ヒロイン)についてはほとんど論じられていません。『虞美人草』の藤尾、『行人』のお直、『それから』の三千代、そして『三四郎』の美禰子など、作品を魅力的にしているヒロインたちの性格とユニークな言動を、漱石はどこから着想したのでしょう。英文学者としての学識はもちろんとして、幼少期からの日本の古典と漢文学への造詣によるところが大きい、と著者は言います。『坊っちやん』と義経伝説、『こころ』と夢幻能との関係、また『源氏物語』『平家物語』『方丈記』、能・謡曲と関係づけた読解から新たな展望が開けてきます。漱石死後百年目の今年の注目作になることでしょう。
目次
漱石のヒロインたち 目次
はじめに
第一部 漱石のヒロインたち
第一章 『虞美人草』の「紫の女」
1 藤尾は「新しい女」か
2 藤尾と『源氏物語』
3 藤尾と『葵上』
4 藤尾の成仏
第二章 『行人』のお直をめぐって
1 嫉妬する男たち
2 二郎と女たち
3 お直の正体
第三章 『それから』の三千代百合の表象
1 『金色夜叉』の百合
2 Dora Thornのlily
3 水死する女
4 水の中の百合
5 ヒロインの二面性
第四章 『三四郎』の美禰子をめぐって
1 「水の女」のイメージ
2 那美との相違
3 美禰子の肖像画
4 「迷羊」のゆくえ
第二部 漱石文学と古典
第五章 漱石と『方丈記』
1 『方丈記』の英訳
2 漱石の『方丈記』論
3 『草枕』と『方丈記』
4 『倫敦塔』と『方丈記』
第六章 『門』の美的世界
1 『門』が描く自然
2 「市中の山居」
3 「近代の桃源」
4 『門』と与謝蕪村
第七章 「坊っちやん」という謎『坊っちやん』と義経伝説
1 「坊っちやん」という呼称
2 「坊っちやん」は行動するのか
3 都会と田舎
4 坊っちゃんと義経
5 『船弁慶』と『坊っちやん』
6 漱石と『船弁慶』
第三部 『こころ』をめぐって
第八章 『こころ』に描かれた「時」
1 重ねられた「時間」
2 「先生」というシテ
3 『こころ』とアレゴリー0
4 「時の翁」
5 「時」の力
第九章 「私」との対話
1 名前がないこと
2 「私」という自称
3 ふたりの「私」
4 「私」と「主人公」
注
あとがき
索引
装幀 難波園子
はじめに
第一部 漱石のヒロインたち
第一章 『虞美人草』の「紫の女」
1 藤尾は「新しい女」か
2 藤尾と『源氏物語』
3 藤尾と『葵上』
4 藤尾の成仏
第二章 『行人』のお直をめぐって
1 嫉妬する男たち
2 二郎と女たち
3 お直の正体
第三章 『それから』の三千代百合の表象
1 『金色夜叉』の百合
2 Dora Thornのlily
3 水死する女
4 水の中の百合
5 ヒロインの二面性
第四章 『三四郎』の美禰子をめぐって
1 「水の女」のイメージ
2 那美との相違
3 美禰子の肖像画
4 「迷羊」のゆくえ
第二部 漱石文学と古典
第五章 漱石と『方丈記』
1 『方丈記』の英訳
2 漱石の『方丈記』論
3 『草枕』と『方丈記』
4 『倫敦塔』と『方丈記』
第六章 『門』の美的世界
1 『門』が描く自然
2 「市中の山居」
3 「近代の桃源」
4 『門』と与謝蕪村
第七章 「坊っちやん」という謎『坊っちやん』と義経伝説
1 「坊っちやん」という呼称
2 「坊っちやん」は行動するのか
3 都会と田舎
4 坊っちゃんと義経
5 『船弁慶』と『坊っちやん』
6 漱石と『船弁慶』
第三部 『こころ』をめぐって
第八章 『こころ』に描かれた「時」
1 重ねられた「時間」
2 「先生」というシテ
3 『こころ』とアレゴリー0
4 「時の翁」
5 「時」の力
第九章 「私」との対話
1 名前がないこと
2 「私」という自称
3 ふたりの「私」
4 「私」と「主人公」
注
あとがき
索引
装幀 難波園子
著者略歴
増田 裕美子(マスダ ユミコ masuda yumiko)
タイトルヨミ
カナ:ソウセキノヒロインタチ
ローマ字:sousekinohirointachi
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