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定価:3,080円(2,800円+税)
判型:四六
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内容紹介
宮澤賢治・村上春樹など文学作品からミステリ、ラノベ、百合小説、BL、アイドル、ゲームまで、多種多様な対象とジャンルを取り上げその現代的意義と可能性を明らかにする。錯綜する日本のサブカルチャーを読み解く視座を提供する試み。
目次
はじめに
――日本サブカルチャーを読むための史的展望
一 本書の目的
二 日本におけるサブカルチャーの定義
三 対抗文化としてのサブカルチャー
四 一九七〇年代のサブカルチャー
五 カルチャー/サブカルチャーの境界の消滅
六 日本文化論とサブカルチャー――一九八〇年代以降の展開
七 サブカルチャー批評の現在
八 本書の構成
Ⅰ サブカルチャーの多様な展開
セカイ系文学の系譜…押野武志
――宮沢賢治からゼロ年代へ
一 セカイ系文学とは何か
二 賢治の世界認識
三 「世界」から「セカイ」へ
四 サブカルチャーとしての賢治
五 セカイ系文学の射程
山川直人『100%の女の子』における合成の機能…西田谷 洋
――村上春樹の原作小説との対照
一 はじめに
二 合成される『パン屋襲撃』
三 潜勢的なものの現勢化への抵抗
四 潜勢性と現勢性の対立の強化
五 レイヤーのコンポジティングと未了
『食堂かたつむり』試論…水川敬章
――倫子のイメージをめぐって
一 はじめに――自然派ワインを導きに
二 強くて可愛い娘の物語――小説『食堂かたつむり』
三 可愛い呆けた娘の物語――映画『食堂かたつむり』
四 小説への接近――絵本『りんごさんとるりこさん』とマンガ『食堂かたつむり』
五 おわりにかえて――倫子を回帰させる『食堂かたつむりの料理』
生と死の狭間で歌う少女…千田洋幸
――AKB48から美空ひばりへ、リン・ミンメイへ
一 アイドルの記憶装置としての『Show must go on』
二 焦土に歌う美空ひばり
三 死を呼び寄せるアイドル、リン・ミンメイ
四 〝死の天使″ぱるるの誕生
ドライビングゲームにおいて、いかにして「物語」は
マウントされるのか、あるいはされないのか…竹本寛秋
一 問題設定
二 「物語」としてのドライビングゲーム――アーケードゲームからコンシューマゲームへ
三 『首都高バトル』が拡張した「プレイ経験」の質
四 二重の「プレイ経験」としての『グランツーリスモ』
五 『Forza Motorsport』における「プレイ経験」の継承と展開
六 おわりに
Ⅱ キャラクターから複数の物語へ
〈操り〉という亡霊…諸岡卓真
――東川篤哉『ここに死体を捨てないでください!』
一 ユーモアミステリと〈操り〉
二 〈操り〉の拡張
三 〈操り〉の逆説
四 〈操り〉の崩れ
五 連鎖する勘違い
六 必然としての偶然
七 事件の真相
八 〈操り〉という亡霊
九 〈操り〉の誘惑
pixivという未来…岩川ありさ
―― 「クィア・アダプテーション」としての二次創作
一 pixivとジェンダー
二 「タグ」がつなぐオルタナティブな物語
三 「祈り」としての二次創作
四 「クィアな再解釈」の可能性
五 「腐女子ヘイト」という問題系
六 pixivという未来
〈関係〉を書くことの可能性…佐 藤 亮
――百合小説・中里十『君が僕を』論
一 はじめに
二 「百合」というジャンル
三 ジャンルの問題
四 中里一の百合論
五 『君が僕を』論(1)――枠組みと混交性
六 『君が僕を』論(2)――解けない問いをめぐって
七 『君が僕を』論(3)――構造の解明と解明不可能な謎
八 『君が僕を』論(4)――二つの終わり
九 おわりに
ミステリとライトノベル…横濱雄二
――谷川流『涼宮ハルヒの憂鬱』シリーズにおける物語世界の構成
一 物語世界の表象
二 物語世界の動態
三 物語世界の操作可能性
四 物語世界の駆動力
五 物語世界の複数性
六 物語世界の代補と代表
Ⅲ サブカルチャーを理解するための新たな枠組み
物語としてのゲーム/テレプレゼンスとしてのゲーム…榊 祐 一
―― 『バイオハザード』を例として
一 はじめに
二 理論的考察
三 『バイオハザード』の分析(1)――物語の水準に注目して
四 『バイオハザード』の分析(2)――プレイ経験に関わる水準に注目して
五 おわりに
サブカルチャー批評の現在と未来…柳瀬善治
――三・一一以後のサブカルチャー批評は何を表象すべきなのか
一 はじめに
二 原爆とメディア――三島・ハイデガー・データベース
三 サブカルチャー批評における歴史的反復の問題
四 「資本主義の逆説的な帰結」としての「(偽の)崇高」
五 他者に開かれた「崇高」あるいは「絶対的退屈」からの開口部
六 「スーパーフラット」を読み替える――「襞」 = 「空隙」としてのフラット
七 「平滑空間」としてのサブカルチャーあるいは「死者」と「未生の分子」をめぐる〈線〉
八 おわりに 「倫理的な形象の出現」と「接合可能性」
――三・一一以後のサブカルチャーは何を表象すべきか
あとがき
――戦前期の大衆文学論に触れながら
初出一覧
執筆者紹介
人名索引
――日本サブカルチャーを読むための史的展望
一 本書の目的
二 日本におけるサブカルチャーの定義
三 対抗文化としてのサブカルチャー
四 一九七〇年代のサブカルチャー
五 カルチャー/サブカルチャーの境界の消滅
六 日本文化論とサブカルチャー――一九八〇年代以降の展開
七 サブカルチャー批評の現在
八 本書の構成
Ⅰ サブカルチャーの多様な展開
セカイ系文学の系譜…押野武志
――宮沢賢治からゼロ年代へ
一 セカイ系文学とは何か
二 賢治の世界認識
三 「世界」から「セカイ」へ
四 サブカルチャーとしての賢治
五 セカイ系文学の射程
山川直人『100%の女の子』における合成の機能…西田谷 洋
――村上春樹の原作小説との対照
一 はじめに
二 合成される『パン屋襲撃』
三 潜勢的なものの現勢化への抵抗
四 潜勢性と現勢性の対立の強化
五 レイヤーのコンポジティングと未了
『食堂かたつむり』試論…水川敬章
――倫子のイメージをめぐって
一 はじめに――自然派ワインを導きに
二 強くて可愛い娘の物語――小説『食堂かたつむり』
三 可愛い呆けた娘の物語――映画『食堂かたつむり』
四 小説への接近――絵本『りんごさんとるりこさん』とマンガ『食堂かたつむり』
五 おわりにかえて――倫子を回帰させる『食堂かたつむりの料理』
生と死の狭間で歌う少女…千田洋幸
――AKB48から美空ひばりへ、リン・ミンメイへ
一 アイドルの記憶装置としての『Show must go on』
二 焦土に歌う美空ひばり
三 死を呼び寄せるアイドル、リン・ミンメイ
四 〝死の天使″ぱるるの誕生
ドライビングゲームにおいて、いかにして「物語」は
マウントされるのか、あるいはされないのか…竹本寛秋
一 問題設定
二 「物語」としてのドライビングゲーム――アーケードゲームからコンシューマゲームへ
三 『首都高バトル』が拡張した「プレイ経験」の質
四 二重の「プレイ経験」としての『グランツーリスモ』
五 『Forza Motorsport』における「プレイ経験」の継承と展開
六 おわりに
Ⅱ キャラクターから複数の物語へ
〈操り〉という亡霊…諸岡卓真
――東川篤哉『ここに死体を捨てないでください!』
一 ユーモアミステリと〈操り〉
二 〈操り〉の拡張
三 〈操り〉の逆説
四 〈操り〉の崩れ
五 連鎖する勘違い
六 必然としての偶然
七 事件の真相
八 〈操り〉という亡霊
九 〈操り〉の誘惑
pixivという未来…岩川ありさ
―― 「クィア・アダプテーション」としての二次創作
一 pixivとジェンダー
二 「タグ」がつなぐオルタナティブな物語
三 「祈り」としての二次創作
四 「クィアな再解釈」の可能性
五 「腐女子ヘイト」という問題系
六 pixivという未来
〈関係〉を書くことの可能性…佐 藤 亮
――百合小説・中里十『君が僕を』論
一 はじめに
二 「百合」というジャンル
三 ジャンルの問題
四 中里一の百合論
五 『君が僕を』論(1)――枠組みと混交性
六 『君が僕を』論(2)――解けない問いをめぐって
七 『君が僕を』論(3)――構造の解明と解明不可能な謎
八 『君が僕を』論(4)――二つの終わり
九 おわりに
ミステリとライトノベル…横濱雄二
――谷川流『涼宮ハルヒの憂鬱』シリーズにおける物語世界の構成
一 物語世界の表象
二 物語世界の動態
三 物語世界の操作可能性
四 物語世界の駆動力
五 物語世界の複数性
六 物語世界の代補と代表
Ⅲ サブカルチャーを理解するための新たな枠組み
物語としてのゲーム/テレプレゼンスとしてのゲーム…榊 祐 一
―― 『バイオハザード』を例として
一 はじめに
二 理論的考察
三 『バイオハザード』の分析(1)――物語の水準に注目して
四 『バイオハザード』の分析(2)――プレイ経験に関わる水準に注目して
五 おわりに
サブカルチャー批評の現在と未来…柳瀬善治
――三・一一以後のサブカルチャー批評は何を表象すべきなのか
一 はじめに
二 原爆とメディア――三島・ハイデガー・データベース
三 サブカルチャー批評における歴史的反復の問題
四 「資本主義の逆説的な帰結」としての「(偽の)崇高」
五 他者に開かれた「崇高」あるいは「絶対的退屈」からの開口部
六 「スーパーフラット」を読み替える――「襞」 = 「空隙」としてのフラット
七 「平滑空間」としてのサブカルチャーあるいは「死者」と「未生の分子」をめぐる〈線〉
八 おわりに 「倫理的な形象の出現」と「接合可能性」
――三・一一以後のサブカルチャーは何を表象すべきか
あとがき
――戦前期の大衆文学論に触れながら
初出一覧
執筆者紹介
人名索引
著者略歴
押野 武志(オシノ タケシ oshino takeshi)
一九六五年、山形県生まれ。東北大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。博士(文学)。北海道大学教授。専門は日本近代文学、表象文化論。著書に『宮沢賢治の美学』(二〇〇〇年、翰林書房)、『童貞としての宮沢賢治』(二〇〇三年、ちくま新書)、『文学の権能││漱石・賢治・安吾の系譜』(二〇〇九年、翰林書房)、共編著に『日本探偵小説を読む││偏光と挑発のミステリ史』(二〇一三年、北海道大学出版会)、『コレクション・モダン都市文化 第八八巻 札幌の都市空間』(二〇一三年、ゆまに書房)など。
西田谷 洋(ニシタヤ ヒロシ nishitaya hiroshi)
一九六六年、石川県生まれ。金沢大学大学院社会環境科学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。富山大学人間発達科学部教授。専門は日本近代文学。著書に『語り寓意イデオロギー』(二〇〇〇年、翰林書房)、『認知物語論とは何か?』(二〇〇六年、ひつじ書房)、『政治小説の形成』(二〇一〇年、世織書房)、『新美南吉童話の読み方』(二〇一三年、双文社出版)、『文学理論』(二〇一四年、ひつじ書房)、『ファンタジーのイデオロギー││現代日本アニメ研究』(二〇一四年、ひつじ書房)、『テクストの修辞学』(二〇一四年、翰林書房)など。
水川 敬章(ミズカワ ヒロフミ mizukawa hirofumi)
一九七八年、岡山県生まれ。名古屋大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。博士(文学)。愛知教育大学助教。専門は日本近現代文学・文化。論文に「サド裁判論││澁澤龍《彦》の戦術とその意義をめぐって」(『日本近代文学』二〇〇九年五月)、「太宰治、リパッケージ そして、『嫌われ松子の一生』」(『季刊iichiko』二〇一〇年七月)など。
千田 洋幸(チダ ヒロユキ chida hiroyuki)
一九六二年生まれ、岩手県出身。東京学芸大学大学院教育学研究科修士課程修了、立教大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。東京学芸大学教授。専門は日本近現代文学、現代文化、国語教育。著書に『テクストと教育││ 「読むこと」の変革のために』(二〇〇九年、溪水社)、『ポップカルチャーの思想圏││文学との接続可能性あるいは不可能性』(二〇一三年、おうふう)、共編著に『村上春樹と一九八〇年代』(二〇〇八年、おうふう)、『村上春樹と一九九〇年代』(二〇一二年、おうふう)など。
竹本 寛秋(タケモト ヒロアキ takemoto hiroaki)
一九七三年、北海道生まれ。北海道大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。博士(文学)。鹿児島県立短期大学准教授。専門は日本近代文学、日本近代詩。論文に「山村暮鳥の〈戦後〉」(『人文』二〇一三年八月)、「「風景」は雑誌ではない││山村暮鳥と詩雑誌『風景』」(『雲』二〇一〇年九月)など。
諸岡 卓真(モロオカ タクマ morooka takuma)
一九七七年、福島県生まれ。北海道大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。北海道情報大学准教授。専門は日本近現代文学(主にミステリ)、現代視聴覚文化(主にビデオゲーム)。著書に『現代本格ミステリの研究││ 「後期クイーン的問題」をめぐって』(二〇一〇年、北海道大学出版会)、共編著に『日本探偵小説を読む││偏光と挑発のミステリ史』(二〇一三年、北海道大学出版会)など。
岩川 ありさ(イワカワ アリサ iwakawa arisa)
一九八〇年、兵庫県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程在籍。立教大学・文教大学・都留文科大学ほか非常勤講師。専門は日本現代文学、クィア批評、トラウマ研究。論文に「「痛み」の認識論の方へ││文学の言葉と当事者研究をつないで」(『現代思想』二〇一一年八月)、「境界の乗り越え方││多和田葉子『容疑者の夜行列車』をめぐって」(『論叢クィア』二〇一二年一一月)、「「セルフポートレート」の方へ││ 「イケメン」をめぐるポリティクス」(『ユリイカ』二〇一四年九月)など。
佐藤 亮( )
一九八六年、宮城県生まれ。北海道大学大学院文学研究科博士後期課程在籍。専門は日本近現代文学。論文に「村上春樹「レキシントンの幽霊」論:反復される集約:幽霊、犬、コレクション」(『日本近代文学会北海道支部会報』二〇一三年五月)など。
横濱 雄二(ヨコハマ ユウジ yokohama yuuji)
一九七二年、北海道生まれ。北海道大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。博士(文学)。甲南女子大学准教授。専門は日本近現代文学、現代視聴覚文化。共著に『天空のミステリー』(二〇一二年、青弓社)、『日本探偵小説を読む││偏光と挑発のミステリ史』(二〇一三年、北海道大学出版会)など。
榊 祐一(サカキ ユウイチ sakaki yuuichi)
一九六八年、福岡県生まれ。北海道大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。台湾・南臺科技大學應用日語系助理教授。専門は日本近代文学・文化、現代視聴覚文化(主にビデオゲーム、アニメーション)。共著に『ヴィジュアル・クリティシズム││表象と映画=機械の臨界点』(二〇〇八年、玉川大学出版部)、論文に「明治十年代末期における「唱歌/軍歌/新体詩」の諸相」(『日本近代文学』一九九九年一〇月)、「ビデオゲーム/物語/テレプレゼンス」(『層││映像と表現』二〇〇八年八月)など。
柳瀬 善治(ヤナセ ヨシハル yanase yoshiharu)
一九六九年、三重県生まれ。広島大学大学院社会科学研究科博士後期課程修了。博士(学術)。台湾・靜宜大學外語學院副教授。専門は日本近代文学、文学・文化理論。著書に『三島由紀夫研究││「知的概観的な時代」のザインとゾルレン』(二〇一〇年、創言社)、共著に『近代の夢と知性』(二〇〇〇年、翰林書房)、『戦間期東アジアの日本語文学』(二〇一三年、勉誠出版)、共訳に『グラウンド・ゼロを書く』(J・W・トリート著、二〇一〇年、法政大学出版局)など。
タイトルヨミ
カナ:ニホンサブカルチャーヲヨム
ローマ字:nihonsabukaruchaaoyomu
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押野 武志 最近の著作
水川 敬章 最近の著作
竹本 寛秋 最近の著作
諸岡 卓真 最近の著作
佐藤 亮 最近の著作
横濱 雄二 最近の著作
柳瀬 善治 最近の著作
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