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定価:3,850円(3,500円+税)
判型:四六
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内容紹介
詩は尾崎翠を癒し、幸福感や病からの回復をもたらした。「詩と病理」を中心に作品を読み解き、ハイセンスな尾崎翠像の再構築をはかる。 「第七官界彷徨」については尾崎翠以前の「第七官」使用例を辿り、時代状況を踏まえた新たな解釈を提示する。
新発見の作品・書簡を収録し、さらに同時代評を紹介する。
新発見の作品・書簡を収録し、さらに同時代評を紹介する。
目次
論文編
序 章
一 研究の背景と目的
二 研究方法
三 論文の構成
第一章 「第七官」をめぐって
──明治期から昭和初期における「第七官」の語誌と尾崎翠の宗教的・思想的背景──
はじめに
一 「第七官界彷徨」発表以前の「第七官(感)」1――井上円了
二 「第七官界彷徨」発表以前の「第七官(感)」2──綱島梁川・内村鑑三
三 「第七官界彷徨」発表以前の「第七官(感)」3──骨相学関係
四 「第七官界彷徨」発表以前の「第七官(感)」4──大正期の仏教関係
五 「第七官界彷徨」発表以前の「第七官(感)」5──薄田泣菫・与謝野晶子
六 「第七官界彷徨」発表以前の「第七官(感)」6──オリバー・ロッジ『死後の生存』
七 「第七官界彷徨」発表以前の「第七官(感)」7──橋本五作『岡田式静坐の力』
八 大正末期から昭和初期の芸術の新潮流における「第七官(感)」
九 大正末期から昭和初期の散文における「第七官(感)」
一〇 「第六官(感)」の変遷
一一 「第七官(感)」の変遷
一二 尾崎翠が接したと考えられる「第七官(感)」の用例
おわりに
第二章 「第七官界彷徨」論
──「喪失感」と「かなしみ」、「回想」のありかた──
はじめに
一 物語内での「第七官」と、「喪失感」と「かなしみ」
二 「こころこまやかなやりとり」と別離
三 「よほど遠い過去のこと」という語りの意味
おわりに 「第七官界彷徨」における回想のありかた
第三章 「歩行」論
──おもかげを吹く風、耳の底に聴いた淋しさ──
はじめに
一 冒頭と末尾に配されている詩と、回想する「私」
二 「私」の歩行と「おもかげを忘れる」こと
(一)「私」の歩行の目的が変化することについて
(二)おもかげを忘れること
三 「私」の淋しさと「芭蕉の幹が風に揺れる音」
(一)「私」の淋しさについて
(二)「芭蕉の幹」を吹く風 「私」を吹く風
四 「私」が九作から教えられた詩
(一)おたまじゃくしの機能
(二)詩を読むこと
おわりに
第四章 「こほろぎ嬢」論
──神経病、反逆、頭を打たれること──
はじめに
一 こほろぎ嬢についての曖昧な情報と否定的な見解
二 「桐の花」と「こほろぎ」──「こほろぎ嬢」における詩歌の影響
(一) 神経病
(二) 桐の花
(三) こほろぎ
(四)「桐の花」と「こほろぎ嬢」とのイメージの重なり
三 「古風なものがたり」と「どつぺるげんげる」──こほろぎ嬢の恋と反逆
(一)「古風なものがたり」、『伊勢物語』、七夕伝説
(二)「どつぺるげんげる」、火星、反逆
四 「こほろぎ嬢」における神経病者たち
(一)「神経病に罹つてゐる文学」
(二)「黒つぽい痩せた」女性
五 頭を打たれる感覚、こほろぎ嬢の孤独
(一)こほろぎ嬢の頭痛、「私たち」と「母」との共通性
(二)こほろぎ嬢の孤独のきわだち
(三)「まくろおど」への問いかけ、「頭を打たれる感覚」
おわりに
第五章 「地下室アントンの一夜」論
──ロシア文学受容、統合失調症の精神病理を補助線として──
はじめに
一 尾崎翠のロシア文学への関心とチェーホフ受容
二 チェーホフ「決闘」とエヴレイノフ「心の劇場」からの「地下室アントンの一夜」への影響
(一)チェーホフ「決闘」
(二)エヴレイノフ「心の劇場」
三 「地下室アントンの一夜」における詩人の危機の回避
四 (地下室にて)における回復の様相
おわりに
終 章
一 研究成果(論文編)の要約
二 「もくれん」に見る聴覚と女性像の回復
三 今後の課題
初出一覧
主要参考文献
あとがき
資料編
一 新たに確認できた尾崎翠自身による書簡・作品
A 書簡
B 作品
作品についての注記
二 新たに確認できた同時代評および同時代人との関係を示す資料
A 同時代評
B 写真
C 尾崎翠に関係する作品・作者
序 章
一 研究の背景と目的
二 研究方法
三 論文の構成
第一章 「第七官」をめぐって
──明治期から昭和初期における「第七官」の語誌と尾崎翠の宗教的・思想的背景──
はじめに
一 「第七官界彷徨」発表以前の「第七官(感)」1――井上円了
二 「第七官界彷徨」発表以前の「第七官(感)」2──綱島梁川・内村鑑三
三 「第七官界彷徨」発表以前の「第七官(感)」3──骨相学関係
四 「第七官界彷徨」発表以前の「第七官(感)」4──大正期の仏教関係
五 「第七官界彷徨」発表以前の「第七官(感)」5──薄田泣菫・与謝野晶子
六 「第七官界彷徨」発表以前の「第七官(感)」6──オリバー・ロッジ『死後の生存』
七 「第七官界彷徨」発表以前の「第七官(感)」7──橋本五作『岡田式静坐の力』
八 大正末期から昭和初期の芸術の新潮流における「第七官(感)」
九 大正末期から昭和初期の散文における「第七官(感)」
一〇 「第六官(感)」の変遷
一一 「第七官(感)」の変遷
一二 尾崎翠が接したと考えられる「第七官(感)」の用例
おわりに
第二章 「第七官界彷徨」論
──「喪失感」と「かなしみ」、「回想」のありかた──
はじめに
一 物語内での「第七官」と、「喪失感」と「かなしみ」
二 「こころこまやかなやりとり」と別離
三 「よほど遠い過去のこと」という語りの意味
おわりに 「第七官界彷徨」における回想のありかた
第三章 「歩行」論
──おもかげを吹く風、耳の底に聴いた淋しさ──
はじめに
一 冒頭と末尾に配されている詩と、回想する「私」
二 「私」の歩行と「おもかげを忘れる」こと
(一)「私」の歩行の目的が変化することについて
(二)おもかげを忘れること
三 「私」の淋しさと「芭蕉の幹が風に揺れる音」
(一)「私」の淋しさについて
(二)「芭蕉の幹」を吹く風 「私」を吹く風
四 「私」が九作から教えられた詩
(一)おたまじゃくしの機能
(二)詩を読むこと
おわりに
第四章 「こほろぎ嬢」論
──神経病、反逆、頭を打たれること──
はじめに
一 こほろぎ嬢についての曖昧な情報と否定的な見解
二 「桐の花」と「こほろぎ」──「こほろぎ嬢」における詩歌の影響
(一) 神経病
(二) 桐の花
(三) こほろぎ
(四)「桐の花」と「こほろぎ嬢」とのイメージの重なり
三 「古風なものがたり」と「どつぺるげんげる」──こほろぎ嬢の恋と反逆
(一)「古風なものがたり」、『伊勢物語』、七夕伝説
(二)「どつぺるげんげる」、火星、反逆
四 「こほろぎ嬢」における神経病者たち
(一)「神経病に罹つてゐる文学」
(二)「黒つぽい痩せた」女性
五 頭を打たれる感覚、こほろぎ嬢の孤独
(一)こほろぎ嬢の頭痛、「私たち」と「母」との共通性
(二)こほろぎ嬢の孤独のきわだち
(三)「まくろおど」への問いかけ、「頭を打たれる感覚」
おわりに
第五章 「地下室アントンの一夜」論
──ロシア文学受容、統合失調症の精神病理を補助線として──
はじめに
一 尾崎翠のロシア文学への関心とチェーホフ受容
二 チェーホフ「決闘」とエヴレイノフ「心の劇場」からの「地下室アントンの一夜」への影響
(一)チェーホフ「決闘」
(二)エヴレイノフ「心の劇場」
三 「地下室アントンの一夜」における詩人の危機の回避
四 (地下室にて)における回復の様相
おわりに
終 章
一 研究成果(論文編)の要約
二 「もくれん」に見る聴覚と女性像の回復
三 今後の課題
初出一覧
主要参考文献
あとがき
資料編
一 新たに確認できた尾崎翠自身による書簡・作品
A 書簡
B 作品
作品についての注記
二 新たに確認できた同時代評および同時代人との関係を示す資料
A 同時代評
B 写真
C 尾崎翠に関係する作品・作者
著者略歴
石原 深予(イシハラ ミヨ ishihara miyo)
1975年、京都府出身。京都府立大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得認定退学。博士(文学)。2010-11年、中国・西安外国語大学東方語言文化学院日本語学部外国人教師。現在、京都府立大学大学院学術研究員。
著書に『前川佐美雄編集『日本歌人』目次集:戦前期分』(私家版、2010年)、『郷土出身文学者シリーズ⑦ 尾崎翠』(共著、鳥取県立図書館、2011年)、『近代仏教スタディーズ(仮)』(共著、法藏館、2015年刊行予定)がある。
タイトルヨミ
カナ:オサキミドリノシトビョウリ
ローマ字:osakimidorinoshitobyouri
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