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2022年10月27日発売

人文書院

出版社名ヨミ:ジンブンショイン

「日本心霊学会」研究

霊術団体から学術出版への道
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内容紹介
人文書院創立100周年記念出版

霊術団体はいかにして人文系出版社へと姿を変えたのか。
日本近代の宗教、学知、出版を総合的に捉え直す画期的研究。

日本心霊学会は民間の精神療法団体として明治末に京都で誕生した。機関紙「日本心霊」を発行し、主に呼吸法を用いて人間の精神を活性化させるという心霊治療の伝授を活動の軸とすることで、当時の心霊ブームにも乗り、仏教僧侶を中心に瞬く間に多数の会員を獲得、アカデミシャンをも巻き込みながら日本有数の団体へと急成長する。そして昭和初期、学会の活動を通して培ったネットワークをもとに出版業へと船出、人文書院と名を変える。その活動の遍歴は、霊術研究のみならず、日本近代の宗教と学知、出版を総合的に捉え直す視点をもたらす。2013年に発見された「日本心霊」全号によって可能になった画期的研究。折口信夫、西田直二郎の新発見資料を収録。口絵、年表、人名索引付。

「日本心霊学会=人文書院は、精神療法/仏教/新宗教/神道/民俗学/文学/哲学といった諸領域を横断しながら、アカデミズムと民間の知に股をかけ、心霊治療と出版という二つの媒体(メディア)――霊的=精神的な〈エネルギー/メッセージ〉の媒体――を軸にして一つの組織を維持してきた。こうした脱領域性と組織性という矛盾した特徴を兼ね備えることで、分野横断的な共振の相を一つの団体とその刊行物に折りたたんできたのである。日本心霊学会研究とは、そうした共振の相の変貌――振幅を伴ったある一つの精神史――を、単なる観念の共通性や思想の構造的類似を超えて、具体的な組織と運動に定位して探求する足場を組み立てることに他ならない。」(「はじめに」より)


○目次

はじめに………栗田英彦

第一章 日本心霊学会の戦略………一柳廣孝
 はじめに
 一 日本心霊学会の理念とその特徴
 二 会員の獲得と組織の構築――「日本心霊 創立十周年記念号」から
 三 人文書院の出版戦略
 おわりに

コラム1 民間精神療法のなかの日本心霊学会………平野直子

第二章 日本の心霊研究と精神療法………吉永進一
 一 催眠術と心霊研究
 二 日本の催眠術と心霊研究、その濫觴
 三 催眠術の土着化と魔術化
 四 催眠術の興隆と変容
 五 催眠術師の勃興と衰退
 六 養生、修養、精神療法
 七 心霊研究

コラム2  H・カーリングトン『現代心霊現象之研究』を翻訳した関昌祐の心霊人生………神保町のオタ

第三章 大正期日本心霊学会と近代仏教――「外護方便」としての心霊治療………栗田英彦
 はじめに
 一 プラクティスの近代
 二 「外護方便」のメディア戦略
 三 会員・支部から見る日本心霊学会
 四 「新宗教」としての日本心霊学会
 おわりに――民間精神療法の比較分析から

コラム3 句仏心霊問題………栗田英彦

第四章 越境する編集者野村瑞城――『日本心霊』紙上の「神道」と「民俗」を中心に………渡勇輝
 はじめに
 一 「霊肉一致」と高僧伝
 二 「シヤマニズム」への傾倒と「神道」の発見
 三 「フオクロリスト」の自覚と柳田国男への接近
 四 脱退、その後の「神道」と「民俗」
 おわりに

コラム4 日本心霊学会編集部代表・野村瑞城(政造)の作品と略歴………菊地暁

第五章 編集者清水正光と戦前期人文書院における日本文学関係出版 ………石原深予
 はじめに
 一 日本心霊学会(民間精神療法団体)から人文書院(出版社)への移行
 二 清水正光の経歴と著書について
 三 川端康成と清水正光
 四 編集者清水正光と戦前期人文書院における日本文学関係出版
 おわりに

特別資料 西田直二郎・折口信夫講演録 (「日本心霊」より)
 年中行事と民俗研究………西田直二郎
 門 ◆ 精靈と大伴と物之部………折口信夫
 西田・折口講演解題………菊地暁

あとがき………栗田英彦

日本心霊学会~戦前期人文書院年表

人名索引
目次
口絵 

はじめに………栗田英彦

第一章 日本心霊学会の戦略………一柳廣孝
 はじめに
 一 日本心霊学会の理念とその特徴
 二 会員の獲得と組織の構築――「日本心霊 創立十周年記念号」から
 三 人文書院の出版戦略
 おわりに

コラム1 民間精神療法のなかの日本心霊学会………平野直子

第二章 日本の心霊研究と精神療法………吉永進一
 一 催眠術と心霊研究
 二 日本の催眠術と心霊研究、その濫觴
 三 催眠術の土着化と魔術化
 四 催眠術の興隆と変容
 五 催眠術師の勃興と衰退
 六 養生、修養、精神療法
 七 心霊研究

コラム2  H・カーリングトン『現代心霊現象之研究』を翻訳した関昌祐の心霊人生………神保町のオタ

第三章 大正期日本心霊学会と近代仏教――「外護方便」としての心霊治療………栗田英彦
 はじめに
 一 プラクティスの近代
 二 「外護方便」のメディア戦略
 三 会員・支部から見る日本心霊学会
 四 「新宗教」としての日本心霊学会
 おわりに――民間精神療法の比較分析から

コラム3 句仏心霊問題………栗田英彦

第四章 越境する編集者野村瑞城――『日本心霊』紙上の「神道」と「民俗」を中心に………渡勇輝
 はじめに
 一 「霊肉一致」と高僧伝
 二 「シヤマニズム」への傾倒と「神道」の発見
 三 「フオクロリスト」の自覚と柳田国男への接近
 四 脱退、その後の「神道」と「民俗」
 おわりに

コラム4 日本心霊学会編集部代表・野村瑞城(政造)の作品と略歴………菊地暁

第五章 編集者清水正光と戦前期人文書院における日本文学関係出版 ………石原深予
 はじめに
 一 日本心霊学会(民間精神療法団体)から人文書院(出版社)への移行
 二 清水正光の経歴と著書について
 三 川端康成と清水正光
 四 編集者清水正光と戦前期人文書院における日本文学関係出版
 おわりに

特別資料 西田直二郎・折口信夫講演録 (「日本心霊」より)
 年中行事と民俗研究………西田直二郎
 門 ◆ 精靈と大伴と物之部………折口信夫
 西田・折口講演解題………菊地暁

あとがき………栗田英彦

日本心霊学会~戦前期人文書院年表

人名索引
著者略歴
栗田 英彦(クリタ ヒデヒコ kurita hidehiko)
栗田 英彦(くりた・ひでひこ) 1978年生まれ。愛知県立大学、愛知学院大学等非常勤講師。宗教学、思想史。『近現代日本の民間精神療法』(共編著、国書刊行会)。
石原 深予(イシハラ ミヨ ishihara miyo)
石原深予(いしはら みよ) 1975年生まれ。奈良女子大学、相愛大学等非常勤講師。日本近代文学。『尾崎翠の詩と病理』(ビイング・ネット・プレス)、『前川佐美雄編集『日本歌人』目次集(戦前期分)増補・修正版』(私家版)。
一柳 廣孝(イチヤナギ ヒロタカ ichiyanagi hirotaka)
一柳廣孝(いちやなぎ ひろたか) 1959年生まれ。横浜国立大学教育学部教授。日本近現代文学・文化史。『〈こっくりさん〉と〈千里眼〉』(講談社)、『催眠術の日本近代』(青弓社)、『無意識という物語』(名古屋大学出版会)、『怪異の表象空間』(国書刊行会)。
菊地 暁(キクチ アキラ kikuchi akira)
菊地暁(きくち あきら) 1969年生まれ。京都大学人文科学研究所助教。民俗学。『柳田国男と民俗学の近代』(吉川弘文館)、『民俗学入門』(岩波新書)、『日本宗教史のキーワード』(共編著、慶應義塾大学出版会)。
神保町のオタ(ジンボウチョウノオタ jinbouchounoota)
神保町のオタ(じんぼうちょうのおた) 1959年生まれ。ブロガー。「神保町系オタオタ日記」(https://jyunku.hatenablog.com/)を運営。京都大学在籍時に吉永進一らとオカルト研究団体「近代ピラミッド協会」を結成。
平野 直子(ヒラノ ナオコ hirano naoko)
平野直子(ひらの なおこ) 早稲田大学非常勤講師。宗教社会学。『宗教と社会のフロンティア』(共著、勁草書房)、『近現代日本の民間精神療法』(共著、国書刊行会)。
吉永 進一(ヨシナガ シンイチ yoshinaga shinichi)
吉永進一(よしなが しんいち) 1957年生まれ。舞鶴工業高等専門学校人文科学部門教授、龍谷大学世界仏教文化研究センター客員研究員などを歴任。近代宗教史・秘教思想史。『神智学と仏教』(法藏館)、『近代仏教スタディーズ』(共編著、法藏館)、『近現代日本の民間精神療法』(共編著、国書刊行会)。2022年3月31日逝去。
渡 勇輝(ワタリ ユウキ watari yuuki)
渡勇輝(わたり ゆうき) 1987年生まれ。佛教大学大学院文学研究科歴史学専攻博士後期課程。日本近代思想史、神道史。「柳田国男の大正期神道論と神道談話会」(『佛教大学大学院紀要文学研究科篇』49)、「近代神道史のなかの「神道私見論争」」(『日本思想史学』52)。
タイトルヨミ
カナ:ニホンシンレイガッカイケンキュウ
ローマ字:nihonshinreigakkaikenkyuu

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人文書院の既刊から
ガルギ・バタチャーリャ/著 稲垣健志/訳 小笠原博毅/文
コンラートヤーラオシュ/著 橋本伸也/訳
もうすぐ発売(1週間以内)
Gakken:宮野公樹 
風媒社:溝口常俊 
ベースボール・マガジン社:佐藤和也 
中央公論新社:安倍晋三 橋本五郎 尾山宏 北村滋 

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