ほか
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定価:2,750円(2,500円+税)
判型:A5
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内容紹介
伝説の映画監督が遺した珠玉の作品群を読み解く――
『細い目』『グブラ』『ムクシン』『ムアラフ』『タレンタイム』『ラブン』等の作品を通じて「もう一つのマレーシア」を描き、世界に感動をよんだ不世出の映画監督ヤスミン・アフマド。彼女が遺した長編映画6作品と短編1作品を、民族、宗教、言語などの社会的背景を踏まえて多角的に読み解き、その特徴と魅力、より深い愉しみ方を紹介します。
ヤスミン作品を支えた映画人・舞台人、ヤスミンの遺志を継ぐ者たちの情報や、役者名・登場人物名一覧、上映データと劇中に登場する食べ物、音楽、詩などの参考情報等も収録。没後10年を経てなお人びとを魅了し続ける混成的・多層的・多義的な物語世界=「ヤスミン・ワールド」の全貌に迫ります。
読めばヤスミン作品の新たな姿が立ち上がり、マレーシア社会の姿がみえてくるとともに作品を観たくなる――そんな映画と世界の読み解きガイドです。
『細い目』『グブラ』『ムクシン』『ムアラフ』『タレンタイム』『ラブン』等の作品を通じて「もう一つのマレーシア」を描き、世界に感動をよんだ不世出の映画監督ヤスミン・アフマド。彼女が遺した長編映画6作品と短編1作品を、民族、宗教、言語などの社会的背景を踏まえて多角的に読み解き、その特徴と魅力、より深い愉しみ方を紹介します。
ヤスミン作品を支えた映画人・舞台人、ヤスミンの遺志を継ぐ者たちの情報や、役者名・登場人物名一覧、上映データと劇中に登場する食べ物、音楽、詩などの参考情報等も収録。没後10年を経てなお人びとを魅了し続ける混成的・多層的・多義的な物語世界=「ヤスミン・ワールド」の全貌に迫ります。
読めばヤスミン作品の新たな姿が立ち上がり、マレーシア社会の姿がみえてくるとともに作品を観たくなる――そんな映画と世界の読み解きガイドです。
目次
■はじめに――現実と切り結ぶ「映画の力」を珠玉の作品群にみる
■第1部 ヤスミン・アフマド作品の混成的な特徴と魅力――演出、情報提示、脚本、翻訳の視点から
第1章 演出しない演出─演技させるのではなく物語を引き出す
第2章 綿密に計算された情報の提示─余白の解釈を託しつつ常識を揺さぶる
第3章 脚本に見る物語の継承と多層化─マレーシア映画史におけるヤスミン
第4章 文化的基盤の読解と翻訳を希求する作品世界─背景の読み解きと多色字幕
■第2部 多層的・多義的物語世界の愉しみ方――長編六作、短編一作を読み解く
●①オーキッド三部作『細い目』/『グブラ』/『ムクシン』
◆内容紹介
◆「もう一つのマレーシア」を美しく描く……山本 博之
◆約束と父性――オーキッドの「結婚」……山本 博之
◆共同体の決まり――「いなくなる」こと……山本 博之
◆オーキッドとジェイソンの物語のもう一つの結末……山本 博之
◆許しはいつも間に合わない……野澤 喜美子
◆ジェイソンの母が照らす「もう一つのマレーシア」……篠崎 香織
◆夢の中のあなた――夢中人と愛の期限……及川 茜
◆マレー人少女の心をつかんだ金城武と『ラヴソング』……宋 鎵琳・野澤 喜美子
◆「歌神」サミュエル・ホイの歌による予感と鎮魂……増田 真結子
◆ジェイソンが本名を名乗らなかったわけ……増田 真結子
◆「上海灘」が流れるとき……増田 真結子
◆ヤスミン作品を支えるタイ音楽のフィーリング……秋庭 孝之
◆タゴールの詩にみえる普遍的な人間愛……深尾 淳一
◆マレーシアのガザル音楽……山本 博之
◆ヤスミンとオートバイ……山本 博之
◆一二歳の旅――ヤスミン映画と児童文学……西 芳実
●②『ムアラフ』
◆内容紹介
◆ブライアンは「改宗」したのか……山本 博之
◆ロハナとロハニが唱える数字……山本 博之
◆相対化で変わりうる「改宗」の意味……光成 歩
◆「家路」の旋律が表すもの……増田 真結子
◆『ムアラフ』に登場するムアラフと再誕……山本 博之
●③『タレンタイム』
◆内容紹介
◆「月の光」、そして「もう一つのマレーシア」……山本 博之
◆翻訳可能性と雑種性――『タレンタイム』に集う才能たち……山本 博之
◆死による再生と出発――ヤスミンを送る映画……山本 博之
◆届かない歌に込めた祈り……野澤 喜美子
◆茉莉花の物語……及川 茜
◆ビッグフットを求めて――ヤスミンが描く家族のかたち……西 芳実
◆一七歳の試練――SPMを控えた少年少女の群像……金子 奈央
◆「ライラとマジュヌン」――『タレンタイム』に至るイスラム文学の系譜……山本 博之
◆『タレンタイム』にみるマレーシアのインド系世界……深尾 淳一
●④『ラブン』
◆内容紹介
◆都会暮らしに慣れたマレー人も……山本 博之
◆心の庭に招き入れる寛容さ……野澤 喜美子
◆見えざるものを見る力――ヤスミンとユーハンをつなぐもの……西 芳実
●⑤『チョコレート』
◆甘くて苦い決意……山本博之
■第3部 ヤスミン・ワールドを支える人びと――先行の映画人・舞台人たちの物語
◆ハリス・イスカンダル(スタンダップ・コメディアン/俳優/監督)
◆アイダ・ネリナ(女優)
◆トー・カーフン(脚本家・監督・俳優/ジャーナリスト/書店経営者)
◆ナムロン(俳優/監督)
◆ミスリナ・ムスタファ(女優/芸術家)
◆ラヒム・ラザリ(俳優/監督)
◆イェオ・ヤンヤン(女優)
◆アゼアン・イルダワティ(女優/歌手)
◆ジット・ムラド(脚本家/俳優/スタンダップ・コメディアン)
◆スカニア・ベヌゴパル(女優/演劇人)
■第4部 伴走者・継承者たちの歩み――約束を守り遺志を継ぎ伝える者
◆ジョビアン・リー――生涯を捧げてヤスミンのメッセージを伝え続ける永遠の「パートナー」
◆ホー・ユーハン――映画という絆で結ばれた唯一無二の「盟友」
◆シャリファ・アマニ――見出され開花した才能が期待を集める美しく強き「娘」
■資料
①長編監督作品 上映基本データと参考情報
②ヤスミン・ワールド人名一覧(演者名・役名索引)
③ヤスミン・アフマド年譜
参考・参照文献一覧
あとがき
編著者略歴
■第1部 ヤスミン・アフマド作品の混成的な特徴と魅力――演出、情報提示、脚本、翻訳の視点から
第1章 演出しない演出─演技させるのではなく物語を引き出す
第2章 綿密に計算された情報の提示─余白の解釈を託しつつ常識を揺さぶる
第3章 脚本に見る物語の継承と多層化─マレーシア映画史におけるヤスミン
第4章 文化的基盤の読解と翻訳を希求する作品世界─背景の読み解きと多色字幕
■第2部 多層的・多義的物語世界の愉しみ方――長編六作、短編一作を読み解く
●①オーキッド三部作『細い目』/『グブラ』/『ムクシン』
◆内容紹介
◆「もう一つのマレーシア」を美しく描く……山本 博之
◆約束と父性――オーキッドの「結婚」……山本 博之
◆共同体の決まり――「いなくなる」こと……山本 博之
◆オーキッドとジェイソンの物語のもう一つの結末……山本 博之
◆許しはいつも間に合わない……野澤 喜美子
◆ジェイソンの母が照らす「もう一つのマレーシア」……篠崎 香織
◆夢の中のあなた――夢中人と愛の期限……及川 茜
◆マレー人少女の心をつかんだ金城武と『ラヴソング』……宋 鎵琳・野澤 喜美子
◆「歌神」サミュエル・ホイの歌による予感と鎮魂……増田 真結子
◆ジェイソンが本名を名乗らなかったわけ……増田 真結子
◆「上海灘」が流れるとき……増田 真結子
◆ヤスミン作品を支えるタイ音楽のフィーリング……秋庭 孝之
◆タゴールの詩にみえる普遍的な人間愛……深尾 淳一
◆マレーシアのガザル音楽……山本 博之
◆ヤスミンとオートバイ……山本 博之
◆一二歳の旅――ヤスミン映画と児童文学……西 芳実
●②『ムアラフ』
◆内容紹介
◆ブライアンは「改宗」したのか……山本 博之
◆ロハナとロハニが唱える数字……山本 博之
◆相対化で変わりうる「改宗」の意味……光成 歩
◆「家路」の旋律が表すもの……増田 真結子
◆『ムアラフ』に登場するムアラフと再誕……山本 博之
●③『タレンタイム』
◆内容紹介
◆「月の光」、そして「もう一つのマレーシア」……山本 博之
◆翻訳可能性と雑種性――『タレンタイム』に集う才能たち……山本 博之
◆死による再生と出発――ヤスミンを送る映画……山本 博之
◆届かない歌に込めた祈り……野澤 喜美子
◆茉莉花の物語……及川 茜
◆ビッグフットを求めて――ヤスミンが描く家族のかたち……西 芳実
◆一七歳の試練――SPMを控えた少年少女の群像……金子 奈央
◆「ライラとマジュヌン」――『タレンタイム』に至るイスラム文学の系譜……山本 博之
◆『タレンタイム』にみるマレーシアのインド系世界……深尾 淳一
●④『ラブン』
◆内容紹介
◆都会暮らしに慣れたマレー人も……山本 博之
◆心の庭に招き入れる寛容さ……野澤 喜美子
◆見えざるものを見る力――ヤスミンとユーハンをつなぐもの……西 芳実
●⑤『チョコレート』
◆甘くて苦い決意……山本博之
■第3部 ヤスミン・ワールドを支える人びと――先行の映画人・舞台人たちの物語
◆ハリス・イスカンダル(スタンダップ・コメディアン/俳優/監督)
◆アイダ・ネリナ(女優)
◆トー・カーフン(脚本家・監督・俳優/ジャーナリスト/書店経営者)
◆ナムロン(俳優/監督)
◆ミスリナ・ムスタファ(女優/芸術家)
◆ラヒム・ラザリ(俳優/監督)
◆イェオ・ヤンヤン(女優)
◆アゼアン・イルダワティ(女優/歌手)
◆ジット・ムラド(脚本家/俳優/スタンダップ・コメディアン)
◆スカニア・ベヌゴパル(女優/演劇人)
■第4部 伴走者・継承者たちの歩み――約束を守り遺志を継ぎ伝える者
◆ジョビアン・リー――生涯を捧げてヤスミンのメッセージを伝え続ける永遠の「パートナー」
◆ホー・ユーハン――映画という絆で結ばれた唯一無二の「盟友」
◆シャリファ・アマニ――見出され開花した才能が期待を集める美しく強き「娘」
■資料
①長編監督作品 上映基本データと参考情報
②ヤスミン・ワールド人名一覧(演者名・役名索引)
③ヤスミン・アフマド年譜
参考・参照文献一覧
あとがき
編著者略歴
著者略歴
山本 博之(ヤマモト ヒロユキ yamamoto hiroyuki)
京都大学東南アジア地域研究研究所准教授/混成アジア映画研究会代表。専門は東南アジア地域研究/メディア研究。研究テーマはナショナリズムと混血者・越境者、災害対応と社会、混成アジア映画。主な著書に、『映画から世界を読む』(京都大学学術出版会、2015年)、Film in Contemporary Southeast Asia: Cultural Interpretation and Social Intervention(編著、Routledge、2012)、『復興の文化空間学――ビッグデータと人道支援の時代(災害対応の地域研究 1)』などがある。
秋庭 孝之(アキバ タカユキ akiba takayuki)
2007年タイ王国チュラロンコーン大学文学部タイ研究科修士課程修了。タイ映画を中心にタイの現代文化について研究。「タイ王国・現代美術展 Show Me Thai~みてみ☆タイ~」のカタログ翻訳(2007年)や映画『花と兵隊』のタイ語翻訳(2009年)、その他いくつかの媒体にタイ映画について寄稿。現在は民間企業において東南アジア地域を中心としたグローバルMICE業務を担当する。CMP (Certified Meeting Professional)。
及川 茜(オイカワ アカネ oikawa akane)
神田外語大学アジア言語学科講師。近世日中比較文学およびマレーシア中国語文学を中心に、中国語圏諸文学の翻訳と研究に従事する。映画に関する論考に「家のない女たち――ロウ・イエ『パリ、ただよう花』とグオ・シャオルー『中国娘』に見られる中国人女性の移動」(奈倉京子編『中国系新移民の新たな移動と経験』明石書店、2018)などがある。
金子 奈央(カネコ ナオ kaneko nao)
長崎外国語大学国際コミュニケーション学科特任講師。専門はマレーシア地域研究。研究テーマは、多民族国家の教育政策と教育実践。主著に「Formation of Independent Education System in Sabah」(『Islam and Cultural Diversity in Southeast Asia (Vol.2): Perspectives from Indonesia, Malaysia, the Philippines, Thailand, and Cambodia』東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所、2018年)がある。
篠崎 香織(シノザキ カオリ shinozaki kaori)
北九州市立大学外国語学部教授。マレーシア地域の多民族社会について、主にマラヤ(マレーシア半島部とシンガポール)の華人社会の視点から研究。主著は『プラナカンの誕生──海峡植民地ペナンの華人と政治参加』(九州大学出版会、2017年)。映画関連では「継承と成功──東南アジア華人の『家』づくり」(『地域研究』13(2)、2013年)がある。
宋 鎵琳(ソン アニタ son anita)
東京在住台湾人。国立台北芸術大学演劇学部舞台演出専攻卒業。新聞社、フリーランス、化粧品会社を経て、2009年に日本映画専門大学院大学に入学し、映画プロデュース研究科修士を取得。2010年からアジアコンテンツアクイジションの仕事がはじまり、現在は日本の配信事業者で働いている。台湾デジタルアートグループ《Very Mainstream Studio》の顧問。
西 芳実(ニシ ヨシミ nishi yoshimi)
京都大学東南アジア地域研究研究所准教授。インドネシアを中心に多言語・多宗教地域の紛争・災害対応過程を研究。主著は『災害復興で内戦を乗り越える─2004年スマトラ島沖地震・津波とアチェ紛争』(京都大学学術出版会、2014年)。映画関連では「信仰と共生:バリ島爆弾テロ事件以降のインドネシアの自画像」(『地域研究』13(2)、2013年)など。映画で東南アジア社会の課題共有をはかるシネアドボ・ワークショップにも取り組む。
野澤 喜美子( )
野澤 喜美子(ノザワ キミコ nozawa kimiko)
慶應義塾大学法学部卒、出版社、映画配給会社を経て、映画専門大学院大学映画プロデュース修士修了。現在、三児の母。こどもたちがどのように映画に出会うか実地観察中。
深尾 淳一(フカオ ジュンイチ fukao junichi)
元映画専門大学院大学准教授。在チェンナイ日本国総領事館専門調査員を経て、現在、Ernst & Young LLPチェンナイ事務所ジャパン・デスク担当として、インド、チェンナイに在住。映画に関する著作としては、「グローバル化とインド映画産業:インタビュー調査を通して」『(『地域研究』13(2)、2013年)、「南インド映画:タミル語映画のいま」(『インド映画完全ガイド』、2015年)などがある。タミル語映画の字幕監修等も多数手がけている。
増田 真結子(マスダ マユコ masuda mayuko)
国内某総合出版社ライセンス部門勤務。現在はインドネシア、マレーシアなど東南アジア地域への版権輸出業務を担当。東京大学大院総合文化研究科在学中、国際交流基金のフェローシップを得て香港へ渡り、華人文芸・映画を中心としたアジアの文化・サブカルチャーを研究。香港の現地出版社に就職して中国語版の翻訳出版に携わる。中国語の講師、翻訳・通訳、ライター業を経て現職。
光成 歩(ミツナリ アユミ mitsunari ayumi)
津田塾大学学芸学部国際関係学科講師。専門はマレーシア地域研究。研究テーマ
は、多宗教社会におけるイスラム家族法と一般家族法の関係、マレー・イスラム
世界におけるムスリム女性の社会的地位。主な論文は“Controversial Boundary:
The Construction of Muslim Law Framework in Decolonizing Singapore”
(Malaysian Studies Journal. Vol. 4. 2015)。
タイトルヨミ
カナ:マレーシアエイガノハハ ヤスミン アフマドノセカイ
ローマ字:mareeshiaeiganohaha yasumin afumadonosekai
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