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2021年9月17日発売

小さ子社

出版社名ヨミ:チイサゴシャ

ユニバーサル・ミュージアム

さわる!“触”の大博覧会
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内容紹介
コロナ禍を経験した人類は、「さわらない・さわれない・さわらせない」日常が人間本来のコミュニケーション(触れ合い)を破壊することを知った。非接触社会は、豊かな触感を持つ文化を育てることができない。

さわって楽しむアート作品が大集合! さまざまな素材と手法を用いて、“触”の可能性を探る、「ユニバーサル・ミュージアム」大博覧会(国立民族学博物館、2021年9月2日~11月30日)の公式図録。

出展作家の解説に加え、「さわる美術鑑賞」の全国の取り組み事例を紹介する論考・コラムなど、総勢65名が執筆。

ユニバーサル・ミュージアムは単なる障害者対応、弱者支援ではない。コロナ禍の今だからこそ、視覚優位・視覚偏重の従来の博物館展示のあり方に一石を投じる。
目次
ごあいさつ(𠮷田憲司)

■総論
「未開の知」に触れる―東京2020オリンピック・パラリンピックの先へ―(広瀬浩二郎)
わあわあ対話が生まれる博物館―権威主義をぶっ壊せ!―(小山修三)
鑑賞と制作の新たな地平(半田こづえ)

■第0章 試触コーナー ―なぜさわるのか、どうさわるのか―
[出展作品によせて]
無視覚流鑑賞をユニバーサル化するために(広瀬浩二郎)
立体地図(三木繁親)
てざわりの旅―なぜ今、耳なし芳一なのか―(わたる(石川智弥+古屋祥子))

■第1章 彫刻を超克する
[出展作品によせて]
ひとのかたち(片山博詞)
つながる石彫(冨長敦也)
イメージする形(高見直宏)
動物彫刻(田代雄一)
厚みある時間/時空ピラミッド(北川太郎)

[論考]
彫刻にさわるとは(篠原聰)

[コラム]
「目で見ないこと」と「自然科学」には「期待」しかみえない(安曽潤子)

■第2章 風景にさわる
[出展作品によせて]
信楽をさわる―陶器で作るユニバーサル地図―(矢野徳也・さかいひろこ)
五感を研ぎ澄まして「体感するまちあるき」―信楽射真ワークショップ報告―(宇野晶)
場所に触れるということ(酒百宏一)
「貝塚の樹」―手ざわりに満ちた風景への回帰―(安芸早穂子)

[論考]
野外活動のユニバーサル化(山本清龍)
大きなものを身体でたしかめる―ダム―(藤村俊)

[コラム]
ふるさと考古学―遺跡と人のワークショップ―(さかいひろこ)

■第3章 アートで対話を拓く
[出展作品によせて]
触覚によるかたちの合成、線の表現(前川紘士)
この世界は小さな点でできている。(加藤可奈衛)
五感とふれあう(島田清徳)
龍脈を求めて(間島秀徳)
つやつやのはらわた(松井利夫)
様々な仮面(守屋誠太郎)
思考する手から感じる手へ、そして…(宮本ルリ子)

[論考]
「みる誕生」鑑賞会 アーティゾン美術館の新たな取り組み(細矢芳)
めぐるボーダレス・アートと、ユニバーサル・ミュージアム(田端一恵)

[コラム]
目を閉じてみる:感性の人間学・共感の環境学(阿部健一)

■第4章 歴史にさわる
[出展作品によせて]
古墳をひっくり返す(岡本高幸)
縄文の腕輪(石原道知)
服を土偶に/太陽の面(堀江武史)
西村公朝《ふれ愛観音像》 触ふれる仏像の試み(河島明子)
中東・湾岸地域の女性用飾面(後藤真実)

[論考]
歴史体感ツアーの試み(北井利幸)

[コラム]
歴史資料にさわる(松井かおる)
国立アイヌ民族博物館が歩む共生社会に向けて(立石信一)

■ 第5章 音にさわる
[出展作品によせて]
アーティストと視覚支援学校生徒との共同制作(亀井岳)
対話する音(渡辺泰幸)
さわる音―音を楽しむ原点へ―(永田砂知子)
タッチアート―人類の新たな「進化」が始まる!―(広瀬浩二郎)

[論考]
聴覚と触覚が呼び起こす―母の声と手足を通して―(大石徹)

[コラム]
ろう者と博物館(相良啓子)

■第6章 見てわかること、さわってわかること
[出展作品によせて]
想像開花模様/Flowering Imagination (Yoko-Sonya)
おもちゃでコミュニケーション― おもちゃと遊ぶ手―(長嶺泉子)
「Tactile Photography = さわる写真」というアート・メディウム(天田万里奈)
陶板名画(大杉栄嗣)
触図という二次創作物による作品鑑賞の新たなかたち(辰巳明久)
彫刻『神奈川沖浪裏』―北斎の世界観に触れる―(戸坂明日香)
さわるポップアップ絵本の魅力(桑田知明)
触察本 小川未明『野ばら』、『山之口貘詩選集』(真下弥生)
変体仮名を触読する意義(伊藤鉄也)
「点字つきさわる絵本」のいままでとこれから(千葉美香)

[論考]
触図活用のABC―アーティスト、視覚障害者、学芸員の協働―(真下弥生)
触図活用の新展開?! (岡本裕子)
美術館における協働の試み―「さわるコレクション」制作の現場から―(松山沙樹)

[コラム]
日本展示資料の新たな活用―「Dr. みんぱこ」の開発―(日髙真吾)

■第7章 ユニバーサル・ミュージアムの未来
[論考]
「さわる展示」の意義と苦悩―南山大学人類学博物館の実践から―(黒澤浩)
未就学児と向き合うこと―さらなるユニバーサル・ミュージアムの展開を目指して―(鈴木康二)
盲学校と美術館の連携(藤島美菜)
ユニバーサル・ミュージアムで信頼できる社会へ(堀江典子)
ユニバーサル・ミュージアム研究会は何を目指すのか(原礼子)

[コラム]
博物館から社会を変える―公開シンポジウムの成果―(広瀬浩二郎)
結語ならぬ決語 世界をつなぐユニバーサル・ミュージアム―“触”の大博覧会から2025年大阪・関西万博へ―(広瀬浩二郎)

ユニバーサル・ミュージアム研究会のあゆみ
出展作品・資料リスト
出展・執筆者プロフィール
著者略歴
国立民族学博物館(コクリツミンゾクガクハクブツカン kokuritsuminzokugakuhakubutsukan)
広瀬 浩二郎(ヒロセ コウジロウ hirose koujirou)
自称「座頭市流フィールドワーカー」。 1967年、東京都生まれ。13歳の時に失明。筑波大学附属盲学校から京都大学に進学。2000年、同大学院にて文学博士号取得。専門は日本宗教史、触文化論。01年より国立民族学博物館に勤務。 現在はグローバル現象研究部・准教授。「ユニバーサル・ミュージアム」(誰もが楽しめる博物館)の実践的研究に取り組み、“さわる”をテーマとする各種イベントを全国で企画・実施している。 『目に見えない世界を歩く』『さわって楽しむ博物館』『それでも僕たちは「濃厚接触」を続ける!』(編著)『知のスイッチ』(共編著)など、著書多数。
タイトルヨミ
カナ:ユニバーサルミュージアム
ローマ字:yunibaasarumyuujiamu

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