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定価:3,300円(3,000円+税)
判型:A5
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内容紹介
パリ前衛芸術から実験的文体へ
セザンヌ絵画のように風景を書き、ピカソのキュビズム絵画のように短編を構築し、映画カメラのズーム・イン/アウトのごとく語りの実験をし、映像が連なり流れるような映画的文体で短編作品を書いた散文実験。 ヘミングウェイは、環大西洋的(トランスアトランティック)前衛芸術の文脈からいかなる衝撃/着想を得たのか、多彩な図版とともにその深層に迫る!
セザンヌ絵画のように風景を書き、ピカソのキュビズム絵画のように短編を構築し、映画カメラのズーム・イン/アウトのごとく語りの実験をし、映像が連なり流れるような映画的文体で短編作品を書いた散文実験。 ヘミングウェイは、環大西洋的(トランスアトランティック)前衛芸術の文脈からいかなる衝撃/着想を得たのか、多彩な図版とともにその深層に迫る!
目次
序 章 アヴァンギャルド・ヘミングウェイ
0.パリ前衛の刻印
1.祝祭のパリ
2.スタインの薫陶
3.ジャンル越境の芸術実験
第一部 前衛の衝撃——祝祭都市パリへ
第一章 セザンヌが連れてきた近代——絵画の知覚、散文の身体
1.身体的散文を求めて
2.セザンヌ絵画の「風景のつくり方」
3.「大きな二つの心臓のある川」
4.ロレンスの卓見、芸術の身体
5.セザンヌの空間——遠くにあってなお大きな山
6.ヘミングウェイと「世界の手ざわり」
第二章 スタインの教えとピカソの誠実——断片、空間、氷山理論
1.セザンヌのこどもたち
2.スタインのセザンヌ——「部分」へ
3.スタインの実験——瞬間の詩学
4.スタインの教えと『われらの時代に』
5.ピカソの誠実と氷山理論
第三章 ヘミングウェイ・メカニック——ニューヨーク・ダダと機械の眼
1.奇妙な習作「神のしぐさ」
2.アンダソンの教育
3.ニューヨーク・ダダ・コネクション
4.「機械」という芸術的主題
5.アート・メカニック
6.まるでカメラのように——『われらの時代に』の語りの実験
◉コラム1 近くて遠いココ・シャネル
第二部 戦争の衝撃——近代の通奏低音
第四章 疾走する散文——「ぼくの父さん」の映画的文体と「やつら」の不条理
1.不遇な短編「ぼくの父さん」
2.「ぼくの父さん」の文体実——映像をもとめて
3.シネマの時代の散文実験
4.Theyとは誰か——この世の不条理
◉コラム2 ムッソリーニとクレー、あるいはパリの空腹
第五章 瞬間の生、永遠の現在——『日はまた昇る』とジュナ・バーンズ『夜の森』
1.一九二一年、パリのアメリカ人たち
2.移動性の詩学
3.「瞬間」へ向かう
4.『日はまた昇る』——瞬間の生、永遠の現在
5.『夜の森』——彷徨、脱中心、無化する生
◉コラム3 夢とミロ『農園』
第六章 眠れない近代——ホッパー『ナイトホークス』と「殺し屋」「清潔で明るい場所」
1.光の画家ホッパー
2.構図とハードボイルド
3.省略の技法
4.共鳴する二作品——光と苦悩
5.不眠症の同胞愛
6.神の光、電灯の光
7.眠れない男たち——戦争と祈りの身振り
第三部 視覚性の衝撃——まなざしの欲望
第七章 『エデンの園』の視覚性——『考える人』には見えないもの
1.反映する視覚性
2.見る男/見られる女
3.キャサリンの不満と身体の戦略
4.「彫刻のように」なること
5.視覚性の攪乱、セクシュアリティの混乱
6.見るヘテロセクシュアル/見られる(見えない)ホモセクシュアル
7.強いられた視覚と不可視のもの——誰の欲望か
第八章 幻視する原初のアメリカ
——「まずアメリカを見よう」キャンペーンとヘミングウェイの風景
1.ヘミングウェイの最期の風景
2.愛国的キャンペーンと旅のイデオロギー
3.西部の神話化——時を遡行する旅
4.始源の地への欲望
5.幻視する原初のアメリカ——未だ見ぬ過去への遡行
◉コラム4 ドライな街と二人のモダニスト
終 章 辺境(ウィルダネス)の声を聴け——芸術家ヘミングウェイのアメリカ性
1.米芸術の遠近法——対ヨーロッパ
2.ヘミングウェイのアメリカ性(1):無窮の現在性とリアリズム
3.ヘミングウェイのアメリカ性(2):辺境の声
あとがき(初出一覧を含む)
索引
0.パリ前衛の刻印
1.祝祭のパリ
2.スタインの薫陶
3.ジャンル越境の芸術実験
第一部 前衛の衝撃——祝祭都市パリへ
第一章 セザンヌが連れてきた近代——絵画の知覚、散文の身体
1.身体的散文を求めて
2.セザンヌ絵画の「風景のつくり方」
3.「大きな二つの心臓のある川」
4.ロレンスの卓見、芸術の身体
5.セザンヌの空間——遠くにあってなお大きな山
6.ヘミングウェイと「世界の手ざわり」
第二章 スタインの教えとピカソの誠実——断片、空間、氷山理論
1.セザンヌのこどもたち
2.スタインのセザンヌ——「部分」へ
3.スタインの実験——瞬間の詩学
4.スタインの教えと『われらの時代に』
5.ピカソの誠実と氷山理論
第三章 ヘミングウェイ・メカニック——ニューヨーク・ダダと機械の眼
1.奇妙な習作「神のしぐさ」
2.アンダソンの教育
3.ニューヨーク・ダダ・コネクション
4.「機械」という芸術的主題
5.アート・メカニック
6.まるでカメラのように——『われらの時代に』の語りの実験
◉コラム1 近くて遠いココ・シャネル
第二部 戦争の衝撃——近代の通奏低音
第四章 疾走する散文——「ぼくの父さん」の映画的文体と「やつら」の不条理
1.不遇な短編「ぼくの父さん」
2.「ぼくの父さん」の文体実——映像をもとめて
3.シネマの時代の散文実験
4.Theyとは誰か——この世の不条理
◉コラム2 ムッソリーニとクレー、あるいはパリの空腹
第五章 瞬間の生、永遠の現在——『日はまた昇る』とジュナ・バーンズ『夜の森』
1.一九二一年、パリのアメリカ人たち
2.移動性の詩学
3.「瞬間」へ向かう
4.『日はまた昇る』——瞬間の生、永遠の現在
5.『夜の森』——彷徨、脱中心、無化する生
◉コラム3 夢とミロ『農園』
第六章 眠れない近代——ホッパー『ナイトホークス』と「殺し屋」「清潔で明るい場所」
1.光の画家ホッパー
2.構図とハードボイルド
3.省略の技法
4.共鳴する二作品——光と苦悩
5.不眠症の同胞愛
6.神の光、電灯の光
7.眠れない男たち——戦争と祈りの身振り
第三部 視覚性の衝撃——まなざしの欲望
第七章 『エデンの園』の視覚性——『考える人』には見えないもの
1.反映する視覚性
2.見る男/見られる女
3.キャサリンの不満と身体の戦略
4.「彫刻のように」なること
5.視覚性の攪乱、セクシュアリティの混乱
6.見るヘテロセクシュアル/見られる(見えない)ホモセクシュアル
7.強いられた視覚と不可視のもの——誰の欲望か
第八章 幻視する原初のアメリカ
——「まずアメリカを見よう」キャンペーンとヘミングウェイの風景
1.ヘミングウェイの最期の風景
2.愛国的キャンペーンと旅のイデオロギー
3.西部の神話化——時を遡行する旅
4.始源の地への欲望
5.幻視する原初のアメリカ——未だ見ぬ過去への遡行
◉コラム4 ドライな街と二人のモダニスト
終 章 辺境(ウィルダネス)の声を聴け——芸術家ヘミングウェイのアメリカ性
1.米芸術の遠近法——対ヨーロッパ
2.ヘミングウェイのアメリカ性(1):無窮の現在性とリアリズム
3.ヘミングウェイのアメリカ性(2):辺境の声
あとがき(初出一覧を含む)
索引
著者略歴
小笠原 亜衣(オガサワラ アイ ogasawara ai)
1990年東京女子大学文理学部卒。日本アイ・ビー・エム株式会社勤務。1997年日本女子大学大学院文学研究科英文学専攻博士課程後期。博士。カリフォルニア大学リバーサイド校およびジョン・F・ケネディー・ライブラリー客員研究員(フルブライト研究員2010年~2011年)。立教大学ランゲージセンター、玉川大学工学部を経て現在、関西学院大学法学部・大学院言語コミュニケーション文化研究科教授。専門はモダニズム文学・芸術。
タイトルヨミ
カナ:アヴァンギャルドヘミングウェイ
ローマ字:avangyarudoheminguwei
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