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2021年11月30日発売

木立の文庫

出版社名ヨミ:コダチノブンコ

第四の耳で聴く

集団精神療法における無意識ダイナミクス
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内容紹介
①クライエントの声を聴く「第1の耳」
②セラピスト自身の心の声を聴く「第2の耳」
③精神分析プロセスから響く声を聴く「第3の耳」
こうした複層的な聴き方を踏まえて本書で提唱されるのが、
“グループ”の声に耳を澄ます「第4の耳」です。

――本書では、“集団”のなかで繰り広げられる力動を、
実際のサイコセラピー場面を描き出しながら、臨床的な捉え方やエッセンスを紹介します。

あらゆる「対人援助」におけるグループ的な局面で押さえておきたい要諦を、
こころの深い層から眺めわたした“総合”ハンドブック。
目次
〇 序 章
 小グループの力動/精神力動的と精神分析的/ビオンと彼を越えるもの


【第I部 歴史的な展望】

〇 第1章 アメリカとイギリスの視点
 アメリカの状況/英国の状況/最新の状況/まとめ

〇 第2章 グループ中心モデルの多様性
 先駆的貢献/共通のグループ緊張/コミュニケーション・マトリックス/グループの焦点化された葛藤/最近のグループ中心理論/システム中心理論/対象関係モデル/第四の基底的想定/全体としてのグループ理論/自己心理学的アプローチ/統合装置としてのコンテイナー/まとめ

〇 第3章 グループ中心理論への批判
 対人関係モデル/仲間相互作用/後期の見解/貢献/グループアナリシス/相互に関連のある三つのシステムモデル/関係性心理学/グループの統合機能理論/まとめ

〇 第4章 メニンガークリニックにおける集団精神療法の40年
 1950-60年代におけるグループ治療に対する精神分析の優越的態度/黎明期/初期段階/我々の救世主の到来/教育と訓練/60年代における成長への苦しみ/アメリカ集団精神療法学会と我々の関係/グループ・リレーションズ・カンファレンス/病院グループの成長/集団精神療法ワークショップ/まとめ


【第II部 理論的な検討】

〇 第5章 治療グループと体験グループにおける転移
 Tグループの訓練者の役割/モデルとしての訓練者/訓練者がメンバーの一員としての立場に近く影響/治療グループにおける洞察と訓練グループにおけるフィードバックの対比/まとめ

〇 第6章 帰納的なグループ中心アプローチ
グループ中心アプローチ/全体論的なアプローチへの根拠のない反論/タヴィストックEzriel 方式についての批判/帰納的なグループ中心アプローチ/ケースの例示/まとめ

〇 第7章 グループにおける投影同一化
 自己への影響/外的対象への影響/グループ力動の三徴候/グループ行動の説明に役立つ実例/力動的な解釈に向けて/まとめ

〇 第8章 精神療法グループにおける転移の深さ
 歴史的背景/グループにおける機能レベル/転移の希釈を促進する要因/転移の強化を促す要因/まとめ


【第III部 臨床実践について】

〇 第9章 統合されたグループ中心アプローチ
 グループセッションの例/結論/まとめ

〇 第10章 自己障害患者グループの選択基準
治療の脈絡/グループの特性を促進すること/禁忌を示す患者の特徴/グループ治療に適応可能性のある患者特性/まとめ

〇 第11章 境界例患者の集団精神療法
 同質グループと混合グループ/個人療法との併用もしくはコンバインドセラピー/支持的技法-対-表出的技法/適切な患者/転移の希釈/活性化/情緒的満足/敵意の表出/複合的同一化/性格の鎧の修正/逆転移の希釈/支持的方法/直面化/覆いを取ることと解釈/技法における研究の展望/まとめ

〇 第12章 自己愛患者のグループ療法
 若干の診断学的考察/付加的援助/連続する集団療法と個人療法/原始的願望の強さ/性愛化/過剰な理想化と脱価値化/自己愛的憤怒/脆弱な自尊心/自己愛的で摩擦を起こしがちな行動を減らすこと/自己心理学の展望/新しい表象の内在化/困難と機会/まとめ

〇 第13章 自己愛患者の治療
 治療プロセス/討論
  
〇 第14章 グループにおける自己
 精神分析理論における自己/セラピーグループにおける自己/症例
  
〇 第15章 グループにおける自己愛的リーダーシップ
 文献での再考/病理的自己愛の徴候/治療者の良性自己愛の徴候/我々の自己愛に対処すること/まとめ


【第IV部 実践にむけてのトレーニング】

〇 第16章 組織体内の訓練プログラム
 集団精神療法とその他の治療グループ/施設の姿勢/訓練の原則/理想的な一連の訓練/体験グループ/訓練の問題点/今後のプログラム

〇 第17章 精神保健専門家のための訓練グループ
 体験グループ実施中の出来事/リーダーの方向性と技法/訓練グループの成果/まとめ

〇 第18章 精神保健専門家のためのワークショップモデル
 ワークショップの理論的根拠/精神療法グループ/治療討論/教育的グループ/スタッフ・フィッシュボール/描画によるまとめ/カンファレンス討議/まとめ

〇 第19章 こころ弾む機会を前に

〇 終 章 全体としてのグループモデルの価値
 「全体としてのグループ」の多くの使用法/対人関係モデル/修正された現代タヴィストックモデル/二つの方法の比較と対照/調査研究/結論


監訳者の言葉 (権 成鉉)

監修者あとがき (髙橋哲郎)
著者略歴
L. ホーウィッツ(ホーウィッツ hoowittsu)
ニューヨーク大学で学術博士号を取得。 卒後訓練に続いて、メニンガー・クリニックの職員になり、トピーカ精神分析研究所で精神分析の訓練を始めた。最終的に訓練分析家に任命される。 メニンガー集団精神療法を創始し、全国の共鳴者に教育的なワークショップを提供。 長年、"The International Journal of Applied Psychoanalytic Studies"および"The International Journal of Group Psychotherapy"の編集委員、アメリカ集団精神療法学会の会長を務めた。 また、精神療法研究プロジェクト施行に参加して"Clinical Prediction in Psychotherapy"を著すほか、ボーダーライン患者治療の研究プロジェクトを指揮して、その結果を共著"Borderline Personality Disorder: Tailoring the Psychotherapy to the Patient"にまとめた。
髙橋 哲郎(タカハシ テツロウ takahashi tetsurou)
1960年、東京大学医学部医学科卒業。 関東中央病院精神科児童病棟、国立小児病院精神科、東京大学医学部付属病院精神科、式場病院に勤務。 1970年、米国に移住。レジデンシー訓練とメニンガー精神医学校児童精神医学およびトピーカ精神分析インスティテュートを卒業。その後、メニンガー精神医学校ハンブルトン・アブラハムズ教授、トピーカ精神分析研究所講師を歴任。 メンタルヘルス健育研究所勤務後、精神分析セミナリーを開設。
権 成鉉(ゴン セイゲン gon seigen)
1981年、川崎医科大学卒業。 1996年、同大学精神科助教授。 東海大学医学部精神科学教室研修生、米国メニンガー・クリニック留学を経て、現在、クリニック ソフィア院長。 国際精神分析協会: 正会員(認定精神分析医』、日本精神分析学会: 認定精神療法医/同: 認定スーパーバイザー、日本集団精神療法学会認定医。
石田 淑惠(イシダ ヨシエ ishida yoshie)
関西大学文学部教育学科(心理学専修)卒業。 現職: 松原市スクールカウンセラー、市立川西病院小児科心理相談室、You-Youクラブ(発達障害児支援グループ)主催。 臨床心理士、公認心理師。
木村 唱子(キムラ ショウコ kimura shouko)
大阪大学大学院人間科学研究科博士課程後期単位取得退学。 現職: 学校法人浪速学院浪速高等学校・浪速中学校スクールカウンセラー、岡カウンセリングオフィス・ちかまつクリニック所属カウンセラー、ほか。 臨床心理士、公認心理師、日本集団精神療法学会認定グループサイコセラピスト。
手塚 千惠子(テヅカ チエコ tezuka chieko)
大阪市立大学家政学部児童学科卒業。 現職: 個人開業(心理室森ノ宮)、大阪市南子ども相談センター、国立病院機構大阪医療センター附属看護学校。 臨床心理士、日本精神分析学会認定心理療法士。 共訳書にT.H.オグデン『精神分析の再発見――考えることと夢見ること 学ぶことと忘れること』〔木立の文庫, 2021年〕がある。 
樋口 智嘉子(ヒグチ チカコ higuchi chikako)
同志社大学大学院文学研究科心理学専攻博士前期課程修了。 現職: 同志社大学カウンセリングセンター、としもりクリニック、紫明心理オフィス。 臨床心理士、公認心理師、日本集団精神療法学会認定グループサイコセラピスト。
タイトルヨミ
カナ:ダイヨンノ ミミデ キク
ローマ字:daiyonno mimide kiku

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