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定価:4,950円(4,500円+税)
判型:四六
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内容紹介
アーレントはなぜアメリカでの黒人問題について差別的な発言・記述を繰り返したのか
黒人問題はアーレント思想の急所である
ユダヤ人としてナチ政権下で命の危機に晒された経験を持つアーレントが、アメリカでの黒人問題については差別的な発言・記述を繰り返したのは何故だったのか。「黒人問題は黒人の問題ではなく白人の問題である」と喝破する著者が、アーレント思想に潜む「人種問題」を剔抉する。
「私は、アーレントの思想をまるまる捨て去って、彼女にレイシストのレッテルを貼ろうとしているわけではない。アーレントは『起源』のなかで数々の難問を徹底して考え抜き、困難な時代と状況の意味を理解しようと試みている。多くの場合、彼女の探究方針は非常に有益かつ生産的なものだ。そこには全体主義の由来を帝国主義の暴力的な体制にまで遡った彼女の力量も含まれる。しかし同時に彼女の分析には大きな欠点も存在する。とりわけ、黒人やアフリカ人に対するレイシズムの問題に話が及んだ際にその欠点が露わになる。」
(5「来るべき崩壊への準備段階」より)
原書:Kathryn T. Gines. Hannah Arendt and the Negro Question, Indiana University Press, 2014.
◎目次
略語一覧〔付・邦訳文献〕
まえがき
謝辞
序論
1 「少女は、明らかに英雄となるよう求められていた」
2 「南部諸州で最も許し難い法律――異人種間結婚を犯罪とする法律」
3 「人間的生の三領域――政治的なもの・社会的なもの・私的なもの」
4 「革命の最終目的は自由の創設である」
5 「来るべき崩壊への準備段階」
6 「暴力と他者への支配だけが一部の男性を自由にできた」
7 「私たちの高等教育機関にとって学生の運動よりもはるかに大きな脅威」
結論 アーレントの黒人問題へのアプローチにおける判断の役割
訳者あとがき
注
索引
黒人問題はアーレント思想の急所である
ユダヤ人としてナチ政権下で命の危機に晒された経験を持つアーレントが、アメリカでの黒人問題については差別的な発言・記述を繰り返したのは何故だったのか。「黒人問題は黒人の問題ではなく白人の問題である」と喝破する著者が、アーレント思想に潜む「人種問題」を剔抉する。
「私は、アーレントの思想をまるまる捨て去って、彼女にレイシストのレッテルを貼ろうとしているわけではない。アーレントは『起源』のなかで数々の難問を徹底して考え抜き、困難な時代と状況の意味を理解しようと試みている。多くの場合、彼女の探究方針は非常に有益かつ生産的なものだ。そこには全体主義の由来を帝国主義の暴力的な体制にまで遡った彼女の力量も含まれる。しかし同時に彼女の分析には大きな欠点も存在する。とりわけ、黒人やアフリカ人に対するレイシズムの問題に話が及んだ際にその欠点が露わになる。」
(5「来るべき崩壊への準備段階」より)
原書:Kathryn T. Gines. Hannah Arendt and the Negro Question, Indiana University Press, 2014.
◎目次
略語一覧〔付・邦訳文献〕
まえがき
謝辞
序論
1 「少女は、明らかに英雄となるよう求められていた」
2 「南部諸州で最も許し難い法律――異人種間結婚を犯罪とする法律」
3 「人間的生の三領域――政治的なもの・社会的なもの・私的なもの」
4 「革命の最終目的は自由の創設である」
5 「来るべき崩壊への準備段階」
6 「暴力と他者への支配だけが一部の男性を自由にできた」
7 「私たちの高等教育機関にとって学生の運動よりもはるかに大きな脅威」
結論 アーレントの黒人問題へのアプローチにおける判断の役割
訳者あとがき
注
索引
目次
略語一覧〔付・邦訳文献〕
まえがき
謝辞
序論
1 「少女は、明らかに英雄となるよう求められていた」
2 「南部諸州で最も許し難い法律――異人種間結婚を犯罪とする法律」
3 「人間的生の三領域――政治的なもの・社会的なもの・私的なもの」
4 「革命の最終目的は自由の創設である」
5 「来るべき崩壊への準備段階」
6 「暴力と他者への支配だけが一部の男性を自由にできた」
7 「私たちの高等教育機関にとって学生の運動よりもはるかに大きな脅威」
結論 アーレントの黒人問題へのアプローチにおける判断の役割
訳者あとがき
注
索引
まえがき
謝辞
序論
1 「少女は、明らかに英雄となるよう求められていた」
2 「南部諸州で最も許し難い法律――異人種間結婚を犯罪とする法律」
3 「人間的生の三領域――政治的なもの・社会的なもの・私的なもの」
4 「革命の最終目的は自由の創設である」
5 「来るべき崩壊への準備段階」
6 「暴力と他者への支配だけが一部の男性を自由にできた」
7 「私たちの高等教育機関にとって学生の運動よりもはるかに大きな脅威」
結論 アーレントの黒人問題へのアプローチにおける判断の役割
訳者あとがき
注
索引
著者略歴
キャスリン・T・ガインズ(キャスリン ティー ガインズ kyasurin tii gainzu)
【著者】キャスリン・T・ガインズ
哲学者・作家・講演者・起業家。「ガインズ」は旧名であり、2017 年にキャスリン・ソフィア・ベル(Kathryn Sophia Belle)に改名している。「黒人女性哲学者コレギウム(Collegium of Black Women Philosophers)」のファウンディング・ディレクター。元ペンシルヴァニア州立大学哲学科准教授。また学術誌Critical Philosophy of Race (CPR) を2013 年に創刊し、2016 年まで共編者を務めた。主な関心は、アフリカ系アメリカ人哲学・黒人フェミニスト哲学・大陸哲学(とくに実存主義)・批判的人種哲学など。本書のほか、共編著にConvergences: Black Feminism and Continental Philosophy (SUNY Press, 2010)、近刊にBeauvoir and Belle: A Black Feminist Critique of The Second Sex (Oxford University Press)。狭義の学術活動のほか、バランスの取れた自分らしい人生や自己実現に関するコーチング・ワークショップなどを実施する「ラ・ベル・ヴィ・アカデミー(La Belle Vie Academy)」を主催。ヨガ講師の資格ももつなど、多彩な活動を行う。
百木 漠(モモキ バク momoki baku)
【訳者】百木 漠(ももき・ばく)
1982 年生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。博士(人間・環境学)。関西大学法学部准教授。専門は政治思想史・社会思想史。著書に『アーレントのマルクス――労働と全体主義』(人文書院)、『嘘と政治――ポスト真実とアーレントの思想』(青土社)、『漂泊のアーレント、戦場のヨナス――ふたりの二〇世紀 ふたつの旅路』(慶應義塾大学出版会、戸谷洋志との共著)など。訳書に、ケン・クリムスティーン『ハンナ・アーレント、三つの逃亡』(みすず書房)。
大形 綾(オオガタ アヤ oogata aya)
【訳者】大形 綾(おおがた・あや)
1988 年生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。博士(人間・環境学)。日本学術振興会特別研究員(RPD)。専門は社会思想史。著書に『アーレント読本』(共著、法政大学出版局)。共訳書に、マリー・ルイーズ・クノット編『アーレント=ショーレム往復書簡集』(岩波書店)。
橋爪 大輝(ハシヅメ タイキ hashizume taiki)
【訳者】橋爪 大輝(はしづめ・たいき)
1989 年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。山梨県立大学人間福祉学部准教授。専門は哲学・倫理学。著書に『アーレントの哲学――複数的な人間的生』(みすず書房)、『アーレント読本』(共著、法政大学出版局)など。共訳書に、ヤング=ブルーエル『ハンナ・アーレント――〈世界への愛〉の物語』(みすず書房)、ホワイト『メタヒストリー』(作品社)。
タイトルヨミ
カナ:アーレントトコクジンモンダイ
ローマ字:aarentotokokujinmondai
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