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2020年7月22日発売

法政大学出版局

出版社名ヨミ:ホウセイダイガクシュッパンキョク

アーレント読本

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内容紹介
二十世紀の全体主義の惨禍を、一人のユダヤ人女性として、亡命知識人として生きたハンナ・アーレント。政治的公共性や市民的自由がグローバルな危機に瀕し、民主主義の未来が脅かされる現在、彼女の思考の遺産から私たちは何を学ぶべきなのか? ベテランから若手まで総勢50名の気鋭の執筆者が、主要なテーマ群を最新の視点で掘り下げる決定版の入門書。各著作の解題や略年譜も付す。
目次
序 【三浦隆宏】
凡 例
著作略号一覧  

第Ⅰ部 アーレントにおける基本概念

1 愛──その哲学的議論にみる、世界の脱‐構築 【阿部里加】
2 ユダヤ人問題──そしてパレスチナ問題 【小森謙一郎】
3 全体主義──アーレント政治思想の基礎概念 【牧野雅彦】

コラム❶ マルティン・ハイデガー 【木村史人】
コラム❷ カール・ヤスパース 【豊泉清浩】

4 労 働──アーレント思想の下部構造 【百木 漠】
5 制作/仕事──人為的制作物をめぐる思考の現代的意義と限界 【篠原雅武】
6 活動/行為──それは語りなのか 【橋爪大輝】
7 はじまりと出生──自由の原理と、その困難 【森川輝一】
8 公と私──古典古代モデルと現代的意義 【川崎 修】

コラム❸ ハンス・ヨナス 【戸谷洋志】
コラム❹ ギュンター・アンダース 【小林 叶】
コラム❺ ヴァルター・ベンヤミン 【細見和之】

9 革命・権力・暴力──自由と合致する権力、自由のための革命 【石田雅樹】
10 アイヒマン裁判──「悪の凡庸さ」は論駁されたか 【三浦隆宏】
11 真理と嘘──二十世紀の政治を問う 【小山花子】
12 思 考──現われの“reality” 【青木 崇】
13 意 志──留保し、可能性を開く 【木村史人】
14 判 断──政治的なものと歴史的なものの交叉 【宮﨑裕助】
15 世 界──耐久性、共通性、複数性 【森 一郎】

コラム❻ ハインリヒ・ブリュッヒャー 【初見 基】
コラム❼ ニューヨークの知識人たち 【大形 綾】

第Ⅱ部 現代世界におけるアーレント

1 理解と和解──人間の本質を信じること 【対馬美千子】
2 約束と赦し──アウシュヴィッツ以後の時代における政治倫理学 【守中高明】
3 悪と無思慮──アイヒマンは何も思考していないのか 【山田正行】
4 責任・道徳・倫理──アーレント責任論の意義と限界 【渡名喜庸哲】
5 芸術論──不死性のための美学 【齋藤宜之】

コラム❽ 物語り 【矢野久美子】
コラム❾ アーレントとスピノザ 【國分功一郎】

6 自由論──複数性のもとで「動く」自由 【齋藤純一】
7 共和主義──新しさの指標 【森分大輔】
8 法と権利──政治の条件としての人為的制度 【毛利 透】
9 熟議と闘技──活動/行為はどのようなかたちをとるのか 【金 慧】
10 政治学──アーレントと政治理論 【乙部延剛】

コラム❿ デモクラシー 【山本 圭】

11 社会的なもの/社会──その公共性との関係をめぐって 【河合恭平】
12 市民的不服従──新たな政治体の「はじまり」 【間庭大祐】
13 フェミニズム──「攻撃されている事柄」による抵抗 【舟場保之】
14 教育学──過去と未来を架橋する出生 【小玉重夫】
15 科学技術──科学を公共圏に取り戻すことは可能か 【平川秀幸】

コラム⓫ 政 策 【奥井 剛】
コラム⓬ アーレント研究センター 【阿部里加/百木 漠】

第Ⅲ部 各国における受容

1 日 本 【三浦隆宏】
2 英語圏 【蛭田 圭】
3 ドイツ 【シュテファニー・ローゼンミュラー】
4 フランス 【渡名喜庸哲/柿並良佑】

第Ⅳ部 著作解題

アーレント著作マップ
1 『アウグスティヌスの愛の概念』 【和田隆之介】
2 『ラーエル・ファルンハーゲン』 【押山詩緒里】
3 『パーリアとしてのユダヤ人』 【石神真悠子/百木 漠】
4 『全体主義の起原』 【石神真悠子/百木 漠】
5 『人間の条件』/『活動的生』 【青木 崇】
6 『過去と未来の間』 【青木 崇】
7 『革命について』 【田中智輝】
8 『エルサレムのアイヒマン』 【石神真悠子/百木 漠】
9 『暗い時代の人々』 【田中智輝】
10 『暴力について』 【田中智輝】
11 『精神の生活』 【村松 灯】
12 『カント政治哲学講義』 【村松 灯】
13 『政治思想集成』 【小森(井上)達郎】
14 『政治とは何か』 【小森(井上)達郎】
15 『政治の約束』 【和田隆之介】
16 『責任と判断』 【村松 灯】
17 『ユダヤ論集』 【押山詩緒里】
18 『思索日記』 【押山詩緒里】
19 書簡集 【田中直美】
20 手稿類 【田中直美】
21 『批判版全集』 【橋爪大輝

アーレント略年譜 【齋藤宜之】
事項索引
人名索引
著者略歴
日本アーレント研究会(ニホンアーレントケンキュウカイ nihonaarentokenkyuukai)
(Hannah Arendt Research Society of Japan) 2003年に当時一橋大学の大学院生だった阿部里加と小山花子らがハンナ・アーレントについての小さな会を催したのをきっかけに発足。年一回のペースで研究会を開催しつづけたあと、2015年4月に全国各地の若手アーレント研究者らが分野を超えて集うことで、新体制のアーレント研究会を創設。2018年9月に日本アーレント研究会へと改称。会員数約70名のうち一般市民がおよそ3割を占める(2020年7月現在)。 研究会ホームページ https://arendtjapan.wixsite.com/arendt
三浦 隆宏(ミウラ タカヒロ miura takahiro)
1975年生。椙山女学園大学准教授。倫理学。著書:『活動の奇跡──アーレント政治理論と哲学カフェ』(法政大学出版局)、共著:『生きる場からの哲学入門』(新泉社)。
木村 史人(キムラ フミト kimura fumito)
1979年生。立正大学准教授。哲学。著書:『「存在の問い」の行方』(北樹出版)、共著:『哲学 はじめの一歩 働く』(春風社)、共訳書:フィガール『問いと答え』(法政大学出版局)。
渡名喜 庸哲(トナキ ヨウテツ tonaki youtetsu)
1980年生。立教大学准教授。現代哲学・社会思想。著書:『レヴィナスの企て』(勁草書房、近刊)、共訳書:『レヴィナス著作集』全3巻(法政大学出版局)。
百木 漠(モモキ バク momoki baku)
1982年生。立命館大学専門研究員。思想史。著書:『アーレントのマルクス——労働と全体主義』(人文書院)、共著:『漂泊のアーレント 戦場のヨナス』(慶應義塾大学出版会)。
タイトルヨミ
カナ:アーレントドクホン
ローマ字:aarentodokuhon

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