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定価:4,950円(4,500円+税)
判型:四六
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内容紹介
女性の身体を近代化させる劇場
西洋近代社会、とりわけ民主主義国家の象徴とみなされたレヴュー。パリで誕生したこの無個性の集団舞踊は、身体統制のイデオロギーとして、日本の女性の身体をどう捉え、どう規定しようとしたのか。戦前から戦後にかけての宝塚・東宝レヴューを概観し、西洋近代化する日本社会の身体感覚の変貌に迫る。
「民族性」と実際の身体のズレが当事者たちによって語られ続けていることは、注目に値する。「アジア人」としての身体、「日本人」としての身体、「西洋近代化」の身体という概念が、仮想としても意味を持ちえていた時代、レヴューにおけるダンサーたちはその身体に様々な意味を見出された。結局のところ、そうした身体が実体として力を持つことはなかったと言うことの証とも言えるだろう。今、私たちはその身体に、何を見出し直すことができるだろうか。身体そのものを読み解くことが実際にどこまで可能なのか。(「おわりに」より)
◎目次
はじめに
第一章 レヴューの女性を取り巻く議論─近代性と身体統制はこれまでどう語られてきたか
一 レヴューとは
二 プレシジョン・ダンスが象徴する民主主義社会の身体
三 集団舞踊の巨大化と全体主義
四 民族主義とヌード——身体の読み方を正当化するイデオロギー
五 日本のレヴューを語るには─ 研究の方法・背景
第二章 演劇環境の近代化——一九二〇年代宝塚少女歌劇とレヴュー
一 レヴュー受容に至る経緯
二 演劇環境の近代化
三 実践としてのレヴュー『モン・パリ』
四 観客の近代化─身体の共振
第三章 身体感覚の近代化——一九三〇年代レヴューと国家表象
一 日本のレヴューとは
二 宇津秀男によるレヴューの再近代化
三 宝塚のレヴューと軍事プロパガンダ
四 『ブルウ・トランク』におけるフランス表象
五 『我等が旅行記』におけるアメリカ表象
第四章 初期ヌードレヴューの女性の身体——占領期(一九四五〜一九五二)の演劇検閲
一 性の解放とイメージ変遷
二 レヴューにおけるヌードの議論
三 バーレスクという接続装置
四 GHQ/SCAPによる取り締まり
五 ヌードレヴューの検閲の実態
第五章 「真のレヴュー」としての日劇ミュージックホール
一 ヌード・ストリップ・バーレスクの区別
二 フランス派・アメリカ派
三 進駐軍・在日米兵との蜜月関係
四 固有のレヴューの実現
第六章 ヌードレヴュー劇場と武智鉄二の交錯─―九五〇年代東宝と伝統芸能
一 前衛演劇とヌード・ショー
二 ヌード能の変遷① カリカチュアとしてのバーレスク
三 ヌード能の変遷② 性的に対称的な二人の女の対比
四 映画『日本の夜 女・女・女物語』(一九六三)におけるヌード能《葵上》
西洋近代社会、とりわけ民主主義国家の象徴とみなされたレヴュー。パリで誕生したこの無個性の集団舞踊は、身体統制のイデオロギーとして、日本の女性の身体をどう捉え、どう規定しようとしたのか。戦前から戦後にかけての宝塚・東宝レヴューを概観し、西洋近代化する日本社会の身体感覚の変貌に迫る。
「民族性」と実際の身体のズレが当事者たちによって語られ続けていることは、注目に値する。「アジア人」としての身体、「日本人」としての身体、「西洋近代化」の身体という概念が、仮想としても意味を持ちえていた時代、レヴューにおけるダンサーたちはその身体に様々な意味を見出された。結局のところ、そうした身体が実体として力を持つことはなかったと言うことの証とも言えるだろう。今、私たちはその身体に、何を見出し直すことができるだろうか。身体そのものを読み解くことが実際にどこまで可能なのか。(「おわりに」より)
◎目次
はじめに
第一章 レヴューの女性を取り巻く議論─近代性と身体統制はこれまでどう語られてきたか
一 レヴューとは
二 プレシジョン・ダンスが象徴する民主主義社会の身体
三 集団舞踊の巨大化と全体主義
四 民族主義とヌード——身体の読み方を正当化するイデオロギー
五 日本のレヴューを語るには─ 研究の方法・背景
第二章 演劇環境の近代化——一九二〇年代宝塚少女歌劇とレヴュー
一 レヴュー受容に至る経緯
二 演劇環境の近代化
三 実践としてのレヴュー『モン・パリ』
四 観客の近代化─身体の共振
第三章 身体感覚の近代化——一九三〇年代レヴューと国家表象
一 日本のレヴューとは
二 宇津秀男によるレヴューの再近代化
三 宝塚のレヴューと軍事プロパガンダ
四 『ブルウ・トランク』におけるフランス表象
五 『我等が旅行記』におけるアメリカ表象
第四章 初期ヌードレヴューの女性の身体——占領期(一九四五〜一九五二)の演劇検閲
一 性の解放とイメージ変遷
二 レヴューにおけるヌードの議論
三 バーレスクという接続装置
四 GHQ/SCAPによる取り締まり
五 ヌードレヴューの検閲の実態
第五章 「真のレヴュー」としての日劇ミュージックホール
一 ヌード・ストリップ・バーレスクの区別
二 フランス派・アメリカ派
三 進駐軍・在日米兵との蜜月関係
四 固有のレヴューの実現
第六章 ヌードレヴュー劇場と武智鉄二の交錯─―九五〇年代東宝と伝統芸能
一 前衛演劇とヌード・ショー
二 ヌード能の変遷① カリカチュアとしてのバーレスク
三 ヌード能の変遷② 性的に対称的な二人の女の対比
四 映画『日本の夜 女・女・女物語』(一九六三)におけるヌード能《葵上》
目次
はじめに
第一章 レヴューの女性を取り巻く議論─近代性と身体統制はこれまでどう語られてきたか
一 レヴューとは
二 プレシジョン・ダンスが象徴する民主主義社会の身体
三 集団舞踊の巨大化と全体主義
四 民族主義とヌード——身体の読み方を正当化するイデオロギー
五 日本のレヴューを語るには─ 研究の方法・背景
第二章 演劇環境の近代化——一九二〇年代宝塚少女歌劇とレヴュー
一 レヴュー受容に至る経緯
二 演劇環境の近代化
三 実践としてのレヴュー『モン・パリ』
四 観客の近代化─身体の共振
第三章 身体感覚の近代化——一九三〇年代レヴューと国家表象
一 日本のレヴューとは
二 宇津秀男によるレヴューの再近代化
三 宝塚のレヴューと軍事プロパガンダ
四 『ブルウ・トランク』におけるフランス表象
五 『我等が旅行記』におけるアメリカ表象
第四章 初期ヌードレヴューの女性の身体——占領期(一九四五〜一九五二)の演劇検閲
一 性の解放とイメージ変遷
二 レヴューにおけるヌードの議論
三 バーレスクという接続装置
四 GHQ/SCAPによる取り締まり
五 ヌードレヴューの検閲の実態
第五章 「真のレヴュー」としての日劇ミュージックホール
一 ヌード・ストリップ・バーレスクの区別
二 フランス派・アメリカ派
三 進駐軍・在日米兵との蜜月関係
四 固有のレヴューの実現
第六章 ヌードレヴュー劇場と武智鉄二の交錯─―九五〇年代東宝と伝統芸能
一 前衛演劇とヌード・ショー
二 ヌード能の変遷① カリカチュアとしてのバーレスク
三 ヌード能の変遷② 性的に対称的な二人の女の対比
四 映画『日本の夜 女・女・女物語』(一九六三)におけるヌード能《葵上》
おわりに
あとがき
参考文献
資 料
人名索引
事項索引
第一章 レヴューの女性を取り巻く議論─近代性と身体統制はこれまでどう語られてきたか
一 レヴューとは
二 プレシジョン・ダンスが象徴する民主主義社会の身体
三 集団舞踊の巨大化と全体主義
四 民族主義とヌード——身体の読み方を正当化するイデオロギー
五 日本のレヴューを語るには─ 研究の方法・背景
第二章 演劇環境の近代化——一九二〇年代宝塚少女歌劇とレヴュー
一 レヴュー受容に至る経緯
二 演劇環境の近代化
三 実践としてのレヴュー『モン・パリ』
四 観客の近代化─身体の共振
第三章 身体感覚の近代化——一九三〇年代レヴューと国家表象
一 日本のレヴューとは
二 宇津秀男によるレヴューの再近代化
三 宝塚のレヴューと軍事プロパガンダ
四 『ブルウ・トランク』におけるフランス表象
五 『我等が旅行記』におけるアメリカ表象
第四章 初期ヌードレヴューの女性の身体——占領期(一九四五〜一九五二)の演劇検閲
一 性の解放とイメージ変遷
二 レヴューにおけるヌードの議論
三 バーレスクという接続装置
四 GHQ/SCAPによる取り締まり
五 ヌードレヴューの検閲の実態
第五章 「真のレヴュー」としての日劇ミュージックホール
一 ヌード・ストリップ・バーレスクの区別
二 フランス派・アメリカ派
三 進駐軍・在日米兵との蜜月関係
四 固有のレヴューの実現
第六章 ヌードレヴュー劇場と武智鉄二の交錯─―九五〇年代東宝と伝統芸能
一 前衛演劇とヌード・ショー
二 ヌード能の変遷① カリカチュアとしてのバーレスク
三 ヌード能の変遷② 性的に対称的な二人の女の対比
四 映画『日本の夜 女・女・女物語』(一九六三)におけるヌード能《葵上》
おわりに
あとがき
参考文献
資 料
人名索引
事項索引
著者略歴
垣沼 絢子(カキヌマ アヤコ kakinuma ayako)
【著者】垣沼 絢子(かきぬま・あやこ)
1987年愛媛県生まれ。大阪大学大学院文化表現論専攻博士後期課程修了。博士(文学)。現在、立命館大学衣笠総合研究機構専門研究員(特別研究員PD)。京都産業大学、立命館大学、大阪大学非常勤講師。専門は演劇学(演劇史、舞踊史、文化社会学)。論文に、「踊る音楽/踊られる音楽:アーティスティックスポーツにおける音楽と身体の響き合い」(『Arts and media』)、「対戦競技化するダンススポーツ─ スポーツ化と芸術化のあわい」(『コンクール文化論』、近刊)など。
タイトルヨミ
カナ:キンダイニホンノシンタイトウセイ
ローマ字:kindainihonnoshintaitousei
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