近刊検索 デルタ

2012年7月1日発売

明石書店

出版社名ヨミ:アカシショテン

トランスナショナルな「日系人」の教育・言語・文化

過去から未来に向って
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内容紹介
子どもたちのトランスナショナルな移動と教育における問題点を戦前・戦中期ブラジルにおける日系移民子弟教育を中心に考察。さらに、ハワイ・米国・カナダの移民教育や在日ブラジル人児童・生徒教育、また、移民関係資料の保存と活用との視点も踏まえ、今後の日系人研究の可能性と方向性を示す。
目次
序章 トランスナショナルな「日系人」研究の意義と本書の内容構成
 1.本書刊行の経緯と意義
 2.本書のねらいと内容
 むすびにかえて

第1章 トランスナショナルな日系人――移住・帰還・再統合
 はじめに
 1.国内の枠組みを越えて
 2.トランスナショナルな決定的瞬間
 3.国際政治の中でのマイノリティとトランスナショナルな日系人
 おわりに

コラム1 「ローカル」のアイデンティティ・マーカーとしてのハワイ・クレオール語

第2章 カナダの日本語学校――日系教育の変遷と進化
 はじめに
 1.進化する日本語学校と児童の言語・文化習得――1900年代初頭~太平洋戦争勃発(1941年)
 2.進化する日本語学校と児童の言語・文化習得――戦後(1950年代~現在)
 おわりに

コラム2 帰還兵による「記憶の場」の形成と土地空間を巡る政治性――追悼と帰還の場を求めて

第3章 戦前期ブラジル日系移民子弟教育の先進的側面と問題点――サンパウロ市日系子弟の二言語・二文化教育に注目して
 はじめに
 1.先行研究の問題点
 2.サンパウロ市日系コミュニティの言語状況
 3.戦前期サンパウロ市日系教育機関における教育環境
 おわりに

コラム3 日系移民研究とユダヤ系移民研究からみえるもの――ロサンゼルスでの調査の可能性

第4章 ブラジル戦前期の日系移民子弟教育――アリアンサ移住地の教育を事例として
 はじめに
 1.永田稠の移住思想
 2.アリアンサ移住地建設の特徴
 3.アリアンサ移住地の日系子弟教育
 4.アリアンサ移住地における日系教育機関の変遷
 おわりに

コラム4 ふたつの学校に通う子どもたち――日本人移住地バストス(ブラジル・サンパウロ州)の場合

第5章 ブラジルにおける戦後の日本語学校と日本語教育
 はじめに
 1.戦後の日本語学校の復活と日学連・日文連の役割
 2.日系社会の多様化と日系人のバイリンガリズム
 3.「全伯日本語教師合同研修会」に見られる日本語教育の動向(1958~2008年)
 4.教育現場における言語能力
 おわりに――大学における日本語教育と研究及び今後の課題

コラム5 ブラジルを目指した女性

第6章 日本における言語教育環境の移民への影響――日系人帰国生家族の経験から
 はじめに
 1.日本での同化主義的教育に起因する困難
 2.学校でのいじめに見られる反移民感情
 3.長期的に見た親子関係における負の影響
 おわりに

コラム6 増加する中国人大学院留学生――問われる教育環境

第7章 日系ブラジル人と校舎のかかわり
 はじめに
 1.ブラジル人学校校舎
 2.ブラジル日系社会と校舎のかかわり
 おわりに

コラム7 人のつながりから育まれる地域社会――長野県上田市の日系ブラジル人を事例に

第8章 国境を越える在日ブラジル人の教育――ブラジル人保護者とブラジル人学校経営者の「戦術」に着目して
 はじめに
 1.研究の対象と方法
 2.デカセギとトランスナショナリズム
 3.「戦術」としての子どもの教育選択
 4.生き残りをかけるブラジル人学校経営者たち
 5.否定的に語られてきたデカセギたちの教育
 おわりに――ブラジル人の教育「戦術」からわれわれが学ぶこと

コラム8 日系ブラジル人の農業ビジネス

第9章 在日ブラジル人第二世代の教育――越境経験を活かす方途を求めて
 はじめに
 1.N校就学者が多く受講する日本語教室の事例
 2.越境経験を資源にするために
 3.「越境を日常とするための」教育
 4.越境する就学者へのブラジル人学校の対応――ブラジルとの繋がりの強化
 おわりに

コラム9 日本とフィリピンを越境する若者たちの言語習得

第10章 沖縄と「県系人」との紐帯――移民と郷里のトランスナショナルな繋がり
 はじめに
 1.先行研究――郷友会研究を中心に
 2.沖縄移民の郷里支援
 3.移民の郷里への寄付行為――浜比嘉島比嘉地区を中心に
 4.移民と郷里の紐帯、今とこれから
 結びにかえて

コラム10 まぼろしの「スバスタ日本人小学校」――フィリピン日系移民子弟教育史の一断片

第11章 ブラジル日本移民百周年記念行事にみる文化創造――サンパウロ市におけるグラフィッチと新世代日系ブラジル人の交わりから
 はじめに
 1.サンパウロ市のグラフィッチをめぐる状況
 2.ブラジル日本移民百周年記念行事とグラフィッチ
 3.百周年記念協会の思い――若者をとりこむための模索
 4.グラフィテイロの側の動き
 おわりに――ハイブリッド化する文化

第12章 ブラジル日本移民史料館所蔵レコードの非接触技術による読み取りとその意義
 はじめに
 1.円盤録音の歴史と物理的特性
 2.レコードの音情報読み取りと電子化手法
 おわりに

コラム11 日系ブラジル人とレコード

第13章 ブラジル日本移民史料館・ハイビジョン映像変換の意義とデジタル時代の映像保管について
 はじめに
 1.フィルムを取り巻く諸問題
 2.高画質の利点
 3.変換作業の考え方
 4.実際のフィルムからの変換作業の問題と映像修復
 5.マスター作成
 6.デジタル化に対応した組織作り
 おわりに

付録
 ハワイ・米国・カナダ・ブラジル日系教育史略年表
 参考地図

 あとがき
 編著者略歴
 執筆者略歴
 コラム執筆者略歴
著者略歴
森本 豊富(モリモト トヨトミ morimoto toyotomi)
生年:1956年 所属:早稲田大学人間科学学術院・教授 主な業績:『移動する境界人――「移民」という生き方』(編著)現代史料出版、2009年。『越境する民と教育――異郷に育ち 地球で学ぶ』(共編著)アカデミア出版会、2007年。Morimoto, Toyotomi. 1997. Japanese Americans and Cultural Continuity: Maintaining Language and Heritage, New York: Garland Publishing.
根川 幸男(ネガワ サチオ negawa sachio)
生年:1963年 所属:ブラジリア大学文学部・准教授 主な業績:『海を渡った日本の教育――戦前期ブラジルにおける日本的教育文化の越境と再創――』国際日本文化研究センター、2010年。“Tipologia e Caracterstica das Instituies Educacionais Nikkeis no Brasil do Perodo Pr-Guerra”,Anais do XX ENPULLCJ no Brasil vol. 20, 2010. 「ブラジルにおけるエスニック日系新伝統行事の創出」『移民研究年報』第14号、2008。
タイトルヨミ
カナ:トランスナショナルナニッケイジンノキョウイクゲンゴブンカ
ローマ字:toransunashonarunanikkeijinnokyouikugengobunka

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