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定価:2,860円(2,600円+税)
判型:四六
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内容紹介
近年東南アジア諸国では、民衆により選挙で選ばれたにもかかわらず、非常に強権的な統治スタイルをもつ政治指導者たちが誕生している。それはなぜなのか。タイ、フィリピン、マレーシア、インドネシアの事例からその背景を分析し、民主化への影響を考察する。
目次
第1章 〈総論〉東南アジアにおける新しい強権政治の登場[外山文子]
1 はじめに
2 21世紀における民主化の課題
3 21世紀東南アジアにおける新しい強権政治の登場
4 各国の政治史――タイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン
5 本書の構成
第2章 〈タイ〉タックシンはなぜ恐れられ続けるのか――滅びないポピュリズムと政治対立構造の変化[外山文子]
1 はじめに
2 ポピュリズムとは
3 タックシン政権登場前の政治――伝統的エリートによる統治システム
4 タックシン政権登場の背景――1997年憲法の施行
5 タックシン政権の誕生と障壁
6 タックシン政権Ⅰ――「ポピュリズム」第1幕
7 タックシン政権Ⅱ――「ポピュリズム」第2幕
8 2006年クーデタ――伝統的エリートの反撃1
9 政治の司法化――伝統的エリートによる反撃2
10 タックシンによる大衆デモ扇動――「ポピュリズム」第3幕
11 「ポピュリズム」が残したもの――政争の変化
12 おわりに――政治対立構図の変化
コラム1 タイ政治と学生の人文字――タムマサート大学とチュラーロンコーン大学のサッカー交流戦から[長島朝子]
第3章 〈フィリピン〉国家を盗った「義賊」――ドゥテルテの道徳政治[日下渉]
1 はじめに
2 道徳をめぐる闘争
3 「義賊」ドゥテルテの構築
4 道徳と殺人の共犯性
5 義賊は国家を乗りこなせるか
コラム2 フィリピンは弱い国家か[佐久間美穂]
第4章 〈マレーシア〉ナジブはなぜ失脚しないのか[伊賀司]
1 はじめに――世界をかけめぐった1MDBスキャンダル
2 ナジブ・ラザクという政治家
3 ナジブ政権下のマレーシア政治――改革から反動へ
4 1MDBスキャンダルからの「生き残り」
5 おわりに――あらためてナジブ・ラザクという政治家を考える
コラム3 ナジブ政権下における治安維持の政治[工藤献]
第5章 〈インドネシア〉庶民派大統領ジョコ・ウィドドの「強権」[見市建]
1 庶民出身の大統領
2 巧みな人事とイメージ戦略
3 アホックの「宗教冒」事件
4 おわりに
コラム4 「不寛容」な民主化時代[茅根由佳]
あとがき
1 はじめに
2 21世紀における民主化の課題
3 21世紀東南アジアにおける新しい強権政治の登場
4 各国の政治史――タイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン
5 本書の構成
第2章 〈タイ〉タックシンはなぜ恐れられ続けるのか――滅びないポピュリズムと政治対立構造の変化[外山文子]
1 はじめに
2 ポピュリズムとは
3 タックシン政権登場前の政治――伝統的エリートによる統治システム
4 タックシン政権登場の背景――1997年憲法の施行
5 タックシン政権の誕生と障壁
6 タックシン政権Ⅰ――「ポピュリズム」第1幕
7 タックシン政権Ⅱ――「ポピュリズム」第2幕
8 2006年クーデタ――伝統的エリートの反撃1
9 政治の司法化――伝統的エリートによる反撃2
10 タックシンによる大衆デモ扇動――「ポピュリズム」第3幕
11 「ポピュリズム」が残したもの――政争の変化
12 おわりに――政治対立構図の変化
コラム1 タイ政治と学生の人文字――タムマサート大学とチュラーロンコーン大学のサッカー交流戦から[長島朝子]
第3章 〈フィリピン〉国家を盗った「義賊」――ドゥテルテの道徳政治[日下渉]
1 はじめに
2 道徳をめぐる闘争
3 「義賊」ドゥテルテの構築
4 道徳と殺人の共犯性
5 義賊は国家を乗りこなせるか
コラム2 フィリピンは弱い国家か[佐久間美穂]
第4章 〈マレーシア〉ナジブはなぜ失脚しないのか[伊賀司]
1 はじめに――世界をかけめぐった1MDBスキャンダル
2 ナジブ・ラザクという政治家
3 ナジブ政権下のマレーシア政治――改革から反動へ
4 1MDBスキャンダルからの「生き残り」
5 おわりに――あらためてナジブ・ラザクという政治家を考える
コラム3 ナジブ政権下における治安維持の政治[工藤献]
第5章 〈インドネシア〉庶民派大統領ジョコ・ウィドドの「強権」[見市建]
1 庶民出身の大統領
2 巧みな人事とイメージ戦略
3 アホックの「宗教冒」事件
4 おわりに
コラム4 「不寛容」な民主化時代[茅根由佳]
あとがき
著者略歴
外山 文子(トヤマ アヤコ toyama ayako)
日本学術振興会特別研究員PD(京都大学)。博士(地域研究)。タイ政治、比較政治学。主な著作に、「タイにおける半権威主義体制の再登場――連続性と不連続性」(『競争的権威主義の安定性/不安定性(日本比較政治学会年報第19号)』ミネルヴァ書房、2017年)、「タイ立憲君主制とは何か――副署からの一考察」(『年報タイ研究』第16号、2016年)などがある。
日下 渉(クサカ ワタル kusaka wataru)
名古屋大学大学院国際開発研究科准教授。博士(比較社会文化)。政治学、フィリピン地域研究。主な著作に、『反市民の政治学――フィリピンの民主主義と道徳』(法政大学出版局、2013年)、Moral Politics in the Philippines: Inequality, Democracy and the Urban Poor (National University of Singapore Press and Kyoto University Press, 2017)などがある。
伊賀 司(イガ ツカサ iga tsukasa)
日本学術振興会特別研究員PD(京都大学)。博士(政治学)。マレーシア政治、比較政治学。主な著作に、「マレーシアにおけるメディア統制と与党UMNOの起源――脱植民地期のマレー語ジャーナリズムと政治権力」(『東南アジア研究』55巻1号、2017年)、「現代マレーシアにおける『セクシュアリティ・ポリティクス』の誕生――1980年代以降の国家とLGBT運動」(『アジア・アフリカ地域研究』第17-1号、2017年)などがある。
見市 建(ミイチ ケン miichi ken)
早稲田大学大学院アジア太平洋研究科准教授。博士(政治学)。インドネシア政治、比較政治学。主な著作に、『新興大国インドネシアにおける宗教市場と政治』(NTT出版、2014年)、“The Role of Religion and Ethnicity in Jakarta's 2012 Gubernatorial Election,”Journal of Current Southeast Asian Affairs, 33(1), 2014.などがある。
タイトルヨミ
カナ:ニジュウイッセイキトウナンアジアノキョウケンセイジ
ローマ字:nijuuisseikitounanajianokyoukenseiji
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