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2021年7月2日発売

明石書店

出版社名ヨミ:アカシショテン

残余の声を聴く 沖縄・韓国・パレスチナ

沖縄・韓国・パレスチナ
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内容紹介
世界の各国で、リベラリズムにもとづく民主主義が行き詰まり、排外主義的な傾向を強めている。日本もまたアジアの民主化に背を向け、米軍に依存した米中新冷戦構造に自ら組み込まれようとしている。2019年5月から2020年9月までの1年半にわたって、沖縄、韓国、パレスチナを参照点におく、三人の気鋭の研究者が、世界と日本のバックラッシュの諸相を「三点観測」によって浮かび上がらせ、われわれが今どこにいるのかを明らかにする。
目次
声のはじまり――序に代えて[早尾貴紀]

第Ⅰ部 島(辺境)/主体と他者

Ⅰ‐1 「オール沖縄」という主体とその危機[呉世宗]
Ⅰ‐2 難民の島、平和の島――済州島[趙慶喜]
Ⅰ‐3 〈辺境=最前線〉、そして〈極限〉としてのガザ地区[早尾貴紀]

第Ⅱ部 現代的暴力の所在

Ⅱ‐1 東アジアの米軍基地のなかで重なり合う暴力、浮かび上がる歴史[呉世宗]
Ⅱ‐2 韓国の「フェミニズム・リブート」その後――日常のジェンダー暴力を可視化すること[趙慶喜]
Ⅱ‐3 「パレスチナの民族浄化」の完成形態としての「ユダヤ人の国民国家法」[早尾貴紀]

第Ⅲ部 歴史認識と過去の清算

Ⅲ‐1 沖縄戦時の朝鮮人の歴史を掘り起こす[呉世宗]
Ⅲ‐2 否定の時代にいかに歴史の声を聴くか――「反日種族主義」と韓国/日本[趙慶喜]
Ⅲ‐3 新型コロナウイルスの流行で露呈するレイシズム――イスラエルの科学的言説による歴史修正主義[早尾貴紀]

第Ⅳ部 主権の残余から

Ⅳ‐1 沖縄で政治化するウイルスとつながるディスタンス――開かれた現場、開かれた歴史に向けて[呉世宗]
Ⅳ‐2 韓国の「慰安婦」運動、そして民主化を内破する「複数の政治」[趙慶喜]
Ⅳ‐3 BLM運動の広がりのなかでPalestinian Lives Matterにならないのはなぜか?[早尾貴紀]

鼎談――声に耳を澄ませたあとで

 あとがき[趙慶喜]
 あとがき[呉世宗]
著者略歴
早尾 貴紀(ハヤオ タカノリ hayao takanori)
一九七三年生まれ。東北大学大学院経済学研究科博士課程修了。博士(経済学)。東京経済大学教員。ヘブライ大学およびハイファ大学に客員研究員として二年間在外研究。パレスチナ/イスラエル問題、社会思想史。 主な著書に、『ユダヤとイスラエルのあいだ――民族/国民のアポリア』(青土社、二〇〇八年)、『国ってなんだろう?――あなたと考えたい「私と国」の関係』(平凡社、二〇一六年)、『希望のディアスポラ――移民・難民をめぐる政治史』(春秋社、二〇二〇年)、『パレスチナ/イスラエル論』(有志舎、二〇二〇年)。共編著に、『ディアスポラから世界を読む――離散を架橋するために』(明石書店、二〇〇九年)、『ディアスポラと社会変容――アジア系・アフリカ系移住者と多文化共生の課題』(国際書院、二〇〇八年)ほか。共訳書に、サラ・ロイ『ホロコーストからガザへ――パレスチナの政治経済学』(青土社、二〇〇九年)、ジョナサン・ボヤーリン、ダニエル・ボヤーリン『ディアスポラの力――ユダヤ文化の今日性をめぐる試論』(平凡社、二〇〇八年)、イラン・パペ『パレスチナの民族浄化――イスラエル建国の暴力』(法政大学出版局、二〇一七年)、エラ・ショハット、ロバート・スタム『支配と抵抗の映像文化――西洋中心主義と他者を考える』(法政大学出版局、二〇一九年)ほか。
呉 世宗(オ セジョン o sejon)
一九七四年生まれ。一橋大学大学院言語社会研究科博士課程修了。博士(学術)。琉球大学人文社会学部教員。在日朝鮮人文学研究。 主な著書に、『リズムと抒情の詩学――金時鐘と「短歌的抒情の否定」』(生活書院、二〇一〇年)、『沖縄と朝鮮のはざまで――朝鮮人の〈可視化/不可視化〉をめぐる歴史と語り』(明石書店、二〇一九年)。主な論文に「海を渡る記憶と遠ざかる身体――金在南「鳳仙花のうた」と崎山多美「アコウクロウ幻視行」(『思想・文化空間としての日韓関係――東アジアの中で考える』明石書店、二〇二一年)、「はざまからまなざす――金石範「鴉の死」における主体・状況・言葉そして動物」(『言語社会』一四号、二〇二〇年)、「金嬉老と富村順一の日本語を通じた抵抗」(『琉球アジア文化論集』四号、二〇一八年)、「到来する歴史、積み重ねられていく小さな時間」(『越境広場』四号、二〇一七年)など。
趙 慶喜(チョ キョンヒ cho kyonhi)
一九七三年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。東京外国語大学にて博士(学術)取得。聖公会大学東アジア研究所教員。歴史社会学、マイノリティ研究。 主な共編著に『主権の野蛮――密航・収容所・在日朝鮮人』(ハンウル、二〇一七年)、『「私」を証明する――東アジアにおける国籍・旅券・登録』(ハンウル、二〇一七年)、共訳書に金東椿『朝鮮戦争の社会史――避難・占領・虐殺』(平凡社、二〇〇八年)、白永瑞『共生への道と核心現場――実践課題としての東アジア』(法政大学出版局、二〇一六年)、主な論文に「「朝鮮人死刑囚」をめぐる専有の構図――小松川事件と日本/「朝鮮」」(『〈戦後〉の誕生――戦後日本と「朝鮮」の境界』新泉社、二〇一七年)、「裏切られた多文化主義――韓国における難民嫌悪をめぐる小考」(『現代思想』二〇一八年八月号)など。
タイトルヨミ
カナ:ザンヨノコエヲキク
ローマ字:zanyonokoeokiku

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