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2023年2月17日発売

明石書店

出版社名ヨミ:アカシショテン

北アイルランド統合教育学校紀行

分断を越えて
世界人権問題叢書
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内容紹介
英国植民地政策の結末として引き起こされた紛争によって、国家さらに国内を分断された歴史をもつ北アイルランド。本書は、対立と暴力の連鎖からの克服を目指した北アイルランドの平和運動、そして統合教育の取り組みを、20年にもおよぶ統合学校の調査、関係者へのインタビューで明らかにする。
目次
 日本の読者の皆様へ[姜淳媛]
 監修者序文 姜淳媛『北アイルランド統合教育学校紀行――分断を越えて』の情熱と意義[藤原孝章]
 謝辞 分断を越えて[姜淳媛]

プロローグ
 1 なぜ、北アイルランドか?
 2 植民地の歴史から分断の深みへ
 3 分離主義的暴力から平和と和解へ
 4 宗派分離主義[Sectarianism]を超えるための統合教育運動
 5 統合教育原則の誓約書(Statement of Principle)

第Ⅰ部 平和を願う統合教育の風

第1章 統合教育の新芽、ラガン(Lagan)統合中等学校で芽吹く
 1 ラガン校に触れる
 2 ラガン校の誕生と発展
 3 平和と和解のための保護者主導の学校
 4 超教派のキリスト教精神を奨励するラガン校
 5 校長のリーダーシップ
 6 教育課程の独自性
 7 生徒指導
 8 問題行動の扱い
 9 ラガン校に通って来て

第2章 ACTの力強い努力の結晶、フォージ(Forge)統合初等学校
 1 フォージ校に対するときめき
 2 フォージ校の保護者たち
 3 絶えず協議と共感で物事を決めてゆく校長のリーダーシップ
 4 地域社会に基盤を置く教育課程
 5 多文化的環境に適応する統合教育課程
 6 フォージ校の余韻

第3章 ラガン校の旧敷地から新しく始まったロホ・ビュー(Lough View)統合初等学校
 1 児童の権利に基づいた統合教育としての方向性を打ち立てる
 2 オーケストラのハーモニーを醸し出す校長のリーダーシップ
 3 自由主義の風土、統合初等学校の余韻

第Ⅱ部 劣悪な地域で芽生えた民衆的統合教育

第4章 進歩的な開かれた教育の可能性、ヘイゼルウッド(Hazelwood)統合中等学校
 1 貧困と暴力のなかで統合教育を始める
 2 進歩的教育をめざす包容的リーダーシップ
 3 開かれた教育課程
 4 なぜ、ヘイゼルウッド校なのか?

第5章 貧しい子どもたちの天国、ヘイゼルウッド(Hazelwood)統合初等学校
 1 ノースベルファストで誕生した統合初等学校
 2 地域と密着せよというパトリシア・マータ(Patricia Murtagh)校長
 3 民衆的統合教育課程
 4 孫を入学させたいヘイゼルウッド校

第Ⅲ部 最初の地方統合学校が注目を集める

第6章 小さくてかわいい希望の空間、オールチルドレンズ(All Children's)統合初等学校
 1 アン・カー(Anne Carr)から聞くオールチルドレンズ統合初等学校の誕生物語
 2 のっぽの校長ジョン・ビーティ(John Beatie)
 3 子どもたちを幸せにする教育課程
 4 小さな村の学校 オールチルドレンズ校を懐かしむ

第7章 統合教育精神を守り競争力を養うシムナ(Shimna)統合中等学校
 1 統合学校の設立要求が激増する
 2 ケビン・ラム(Kevin Lambe)の統合教育論
 3 シムナ(Shimna)校は何が違うのか?
 4 粘りのケビンと別れて

第Ⅳ部 テロの痛みを踏み越えて創った統合教育

第8章 暴力から平和へ、エニスキレン(Enniskillen)統合初等学校
 1 死と嘆きのなかで誕生した生命と平和の学校
 2 楽観的な未来社会を展望するアデル・カー(Adele Kerr)校長
 3 ブリッジを受け継ぐ子どもたち

第9章 今日を悩み、明日を切り拓いてゆくエルン(Erne)統合中等学校
 1 エルン川を学校の名に
 2 校長のリーダーシップの変化――トム・ノーブル(Tom Noble)からジミー・ジャクソンウェア(Jimmy Jackson-Ware)へ
 3 統合教育の哲学か、学力の伸長か?

第Ⅴ部 平凡な地域市民たちの熱望を集めた統合学校

第10章 コンテナ教室でも幸せなオーマー(Omagh)統合初等学校
 1 普通の人たちが団結して創ったオーマー統合初等学校
 2 設立期保護者だった校長と熱血校長
 3 アントニー校長の25周年記念スピーチを考える

第11章 地域教育を主導する名門学校、ドラムラー(Drumragh)統合中等学校
 1 困難な過程を乗り越えてそびえたつ地域の自慢のドラムラー校
 2 英国紳士、ナイジェル・フリス(Nigel Frith)校長の統合教育課程
 3 二兎を追うドラムラー校の教育課程
 4 オーマー統合学校キャンパスを考えながら

第Ⅵ部 血の日曜日(Bloody Sunday)の都市での統合学校群

第12章 バーべキューパーティから始まった学校創り、オークグロウブ(Oakgrove)統合初等学校
 1 「デリーこそ統合学校がなくっちゃね」
 2 アン・マリー(Anne Murray)校長の信頼を基盤とするリーダーシップ
 3 平和的教育課程が達成される
 4 愛が統合学校を生んだ

第13章 地域の統合学校体系を完成したオークグロウブ(Oakgrove)統合中等学校
 1 「統合中等学校の設立は延ばすことができない」
 2 奉仕・包容・歓待のリーダーシップ
 3 生徒の声が最も重要な統合中等学校
 4 なぜ、オークグロウブ校なのか?

エピローグ
 1 共有学校も見回りながら
 2 統合か共有か、あるいは、混合か?
 3 北アイルランドは私たちに何を伝えているのか?

 参考文献
 訳者あとがき
 付録1 北アイルランド年表(1967‐2009年)
 付録2 共有学校とACT
 付録3 北アイルランド統合学校の現況
著者略歴
姜 淳媛(カン スオン kan suon)
韓信(ハンシン)大学心理児童学部教授、韓国国際理解教育学会会長(2011-2015) ユネスコ アジア太平洋国際理解教育センター、理事会議長(2019.7-) 教育社会学、平和教育、人権教育、国際理解教育、世界市民教育などに関する論考を書きつつ、関連活動をしている。 主な著書:『韓国教育の政治経済学』(ハンギル社、1990)、『平和・人権・教育』(ハンウル社、2000)、『下からの韓・日平和教育』(編著、コミュニティ社、2005)、『平和教育を拓く仲間仲裁(ピア・メディエイション)』(コミュニティ社、2007)、『姜淳媛の代案学校紀行』(韓信大出版部、2013)。翻訳:『我々の時代のための教育社会学再読』(ハンウル社、2011)、『過激主義に立ち向かう平和教育』(ハンウル社、2014)、『情動的平等:誰がケアを遂行するのか』(ハンウル社、2016)。
藤原 孝章(フジワラ タカアキ fujiwara takaaki)
現職:同志社女子大学現代社会学部特任教授。 専門:国際理解教育、社会科教育、シティズンシップ教育、グローバル教育。 主な著書:『グローバル教育の内容編成に関する研究』(単著、風間書房、2016)、『大学における海外体験学習への挑戦』(共編著、ナカニシヤ書店、2017)、『18歳成人社会ハンドブック』(共著、明石書店、2018)、『教師と人権教育』(共監訳、明石書店、2018)、『SDGsカリキュラムの創造』(共編著、学文社、2019)、『新版 シミュレーション教材「ひょうたん島問題」』(単著、明石書店、2021)。
米澤 清恵(ヨネザワ キヨエ yonezawa kiyoe)
大阪外国語大学インド語(Hindi)科卒業、米国テンプル大学日本校修士課程修了(英語教授法)、大韓民国延世大学韓国語語学堂卒業、延世大学語学研究教育院第16期韓国語教師研修課程修了 大阪市立中学校英語科教諭(1964‒1993)、在日本韓国民団大阪市西成支部韓国語教室講師(2003‒2013) 翻訳:『もう戦争はさせない――ブッシュを追い詰めるアメリカ女性たち』(共訳、文理閣、2007)、『安重根と東洋平和論』(共訳、日本評論社、2016)。
タイトルヨミ
カナ:キタアイルランドトウゴウキョウイクガッコウキコウ
ローマ字:kitaairurandotougoukyouikugakkoukikou

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