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定価:2,640円(2,400円+税)
判型:四六
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内容紹介
11世紀から第一次世界大戦後のオーストリア帝国の終焉まで、数世紀にわたり広大な領土を支配してきたハプスブルク家。ルネサンス期から19世紀末の転換期まで、文学や音楽、美術や建築、そして人々の生活様式など、その統治下で開花した文化に光を当てる。
目次
はじめに
第Ⅰ部 ハプスブルク家の文化の源流――ブルゴーニュ公国
1 ブルゴーニュ公国――その誕生から消滅まで
2 ブルゴーニュ公国の宮廷文化――西洋宮廷文化の源流として
3 ハプスブルク家への継承――幸福な結婚がもたらしたソフト・パワー
4 形式化された精神とオーストリア・ハプスブルク家――ホイジンガの『中世の秋』から
第Ⅱ部 16~18世紀のスペイン・ハプスブルク
5 マドリード旧王宮――失われたハプスブルク時代の記憶
6 マドリードのプラサ・マヨール――スペイン・ハプスブルク家の栄華を伝える生きた歴史遺産
7 サラマンカ――大聖堂、大学、プラサ・マヨール
[コラム1]トレド大聖堂
8 アルカラ・デ・エナーレス大学――世界初の大学都市の誕生
9 スペイン・ルネサンスの建築と彫刻――イベリア独自の展開
10 フアン・デ・エレーラ――フェリペ2世の信頼を背負った建築家、その遺産と影響
11 16~18世紀のイベリア半島の言語事情――「スペイン語」の黄金世紀とその他の言語の衰退
12 シスネロスと『コンプルテンセ版多言語対照聖書』――枢機卿、摂政、大学の創設者、聖書編者
13 「黄金世紀」の文学――輝き出る黄金の光
14 騎士道物語――現代人がいまこそ読むべき物語
15 『ラサリーリョ・デ・トルメスの生涯』――作者不詳の不朽の名作
16 ミゲール・デ・セルバンテス――後世に多大な影響を与えた文豪
[コラム2]贋作『ドン・キホーテ』後編
17 ロペ・デ・ベガ――恋愛と創作活動に耽った「自然界の怪物」
18 テルトゥリア――お喋り好きのスペイン人の集う場
19 エル・グレコ――《聖マウリティウスの殉教》ができるまで
20 ディエゴ・ベラスケス――画家と宮廷人
21 《鏡のヴィーナス》――不朽の名作、安住の地は何処
22 バルトロメ・エステバン・ムリーリョ――神聖なるものを親しみやすく
23 トマス・ルイス・デ・ビクトリア――宗教音楽に人生を捧げた大家
[コラム3]アントニオ・デ・カベソン――オルガン音楽の父
24 スペインの守護聖人をめぐる論争――ふさわしいのは聖ヤコブか? 聖テレサか?
[コラム4]柱の聖母の奇蹟
[コラム5]アンダルシアの聖母マリア
25 スペインの「ハポン」さん――夢をはるかエスパニャとローマに
26 ラス・カサス――その孤独な人生行路に何がある
[コラム6]ラス・カサスと『インディアスの破壊についての簡潔な報告』
27 黄金世紀の食卓――飽食と欠乏の狭間で
[コラム7]マドリードの食卓から――ロペ・デ・ベガは何を食べていたか?
28 セビーリャの異端審問所――あってはならぬ歴史的恥部
第Ⅲ部 15~18世紀のオーストリア・ハプスブルク
29 中欧最古の大学、カレル大学とフス――言葉が小国を存続させた
30 ゴシックからバロックへ――プラハはなぜ美しいのか
31 バロックの時代――華麗なる建築の舞台裏
32 居城都市ウィーン――ハプスブルクの栄光と残照
33 シェーンブルン宮殿――国家の威信と実用性の間で
34 ウィーンにおけるフリーメイソン――モーツァルトの時代の秘密結社
35 黎明期の新聞ジャーナリズム――手書新聞から定期刊行新聞へ
[コラム8]カフェの創始者はスパイ? それとも東方商人?
第Ⅳ部 19世紀のオーストリア・ハプスブルク
36 ビーダーマイヤー――市民文化に注がれるまなざし
37 ウィーン市大改造――「七千万帝国」の首都誕生
38 リングシュトラーセ――国家と市民たちの大通り
39 ウィーン万国博覧会――近代における都市の祝祭
40 ウィーンの音楽堂――音楽の都のオペラ劇場とコンサートホール
41 ウィーンの舞踏会文化――「会議は踊り、商談は進む」
42 ベドジフ・スメタナ――チェコ国民楽派の誕生
43 チェコ音楽――民族運動へのハンス・フォン・ビューローの支援
44 ヨハン・シュトラウス――時空を超える音楽一家の革新性
45 ウィーン・フィル創設の背景――音楽家たちを解き放った「フィルハーモニー」の理念
46 ウィーン・フィルと指揮者・作曲家――西洋音楽史・演奏史を作り上げてきたオーケストラ
47 ルエーガー市長と世紀末ウィーン――明と暗、新と旧
48 世紀転換期ウィーンの文化運動――20世紀に向けての文化の転換
49 世紀転換期の音楽――ウィーンの音楽的伝統と「現代音楽」への転換
50 建築の世紀転換期――オットー・ヴァーグナーと建築家たち
51 ウィーンの世紀末絵画――装飾の深淵
52 世紀転換期の文学――カフェを舞台にした「陽気な黙示録」の行く末
53 世紀末ブダペスト文化――建築・美術・文学を中心に
54 ウィーン・ハプスブルクの文化遺産――皇室コレクションから観光資源へ
[コラム9]ハプスブルクの世界遺産――バンスカー・シチアウニツァ
55 ハプスブルク帝国の駅舎――権力の劇場・市民社会の表象・村の灯火
56 日墺国交樹立と文化学術の出会い――疎遠な両国を近づけた文化と学術
57 ハンガリー建国千年祭――建国神話と文明的国民
[コラム10]ハンガリーの風景と伝統文化
58 翻訳文化――多言語世界で生きる
第Ⅴ部 20世紀のオーストリア・ハプスブルク
59 抵抗の源――面従腹背なチェコ
60 チェコの人形劇――ヤン・シュヴァンクマイエルの系譜
61 ウィーン・ミュージカル――過去と現在をつなぐ楽都の歴史ミュージカル
62 フーゴー・フォン・ホフマンスタール――ハプスブルク文化最後の申し子
63 シュテファン・ツヴァイク――理想主義に殉じたコスモポリタン
64 ツヴァイクの『マリー・アントワネット』――断頭台に消えた悲劇の女帝
65 フランツ・カフカ――プラハのラビリンス
[コラム11]『変身』――変容し続ける物語
[コラム12]ベルタ・フォン・ズットナー――『武器を捨てよ!』
66 左手のピアニスト、パウル・ウィトゲンシュタイン――音楽に生き、孤高に生き
67 オーストリア学派経済学――主観主義の経済理論
68 ジークムント・フロイト――帝政末期ウィーンが生んだ精神分析学の父
69 ルドルフ・シュタイナー――秘教的叡智の顕在化をめざして
70 老皇帝フランツ・ヨーゼフ1世が遺したもの――だれがあなたに帽子をとるだろうか
71 シシィの曾孫と過ごして知るハプスブルク文化の核心――歴史を現実に結びつけるルポ
ハプスブルク家系図
参考文献
執筆者紹介
第Ⅰ部 ハプスブルク家の文化の源流――ブルゴーニュ公国
1 ブルゴーニュ公国――その誕生から消滅まで
2 ブルゴーニュ公国の宮廷文化――西洋宮廷文化の源流として
3 ハプスブルク家への継承――幸福な結婚がもたらしたソフト・パワー
4 形式化された精神とオーストリア・ハプスブルク家――ホイジンガの『中世の秋』から
第Ⅱ部 16~18世紀のスペイン・ハプスブルク
5 マドリード旧王宮――失われたハプスブルク時代の記憶
6 マドリードのプラサ・マヨール――スペイン・ハプスブルク家の栄華を伝える生きた歴史遺産
7 サラマンカ――大聖堂、大学、プラサ・マヨール
[コラム1]トレド大聖堂
8 アルカラ・デ・エナーレス大学――世界初の大学都市の誕生
9 スペイン・ルネサンスの建築と彫刻――イベリア独自の展開
10 フアン・デ・エレーラ――フェリペ2世の信頼を背負った建築家、その遺産と影響
11 16~18世紀のイベリア半島の言語事情――「スペイン語」の黄金世紀とその他の言語の衰退
12 シスネロスと『コンプルテンセ版多言語対照聖書』――枢機卿、摂政、大学の創設者、聖書編者
13 「黄金世紀」の文学――輝き出る黄金の光
14 騎士道物語――現代人がいまこそ読むべき物語
15 『ラサリーリョ・デ・トルメスの生涯』――作者不詳の不朽の名作
16 ミゲール・デ・セルバンテス――後世に多大な影響を与えた文豪
[コラム2]贋作『ドン・キホーテ』後編
17 ロペ・デ・ベガ――恋愛と創作活動に耽った「自然界の怪物」
18 テルトゥリア――お喋り好きのスペイン人の集う場
19 エル・グレコ――《聖マウリティウスの殉教》ができるまで
20 ディエゴ・ベラスケス――画家と宮廷人
21 《鏡のヴィーナス》――不朽の名作、安住の地は何処
22 バルトロメ・エステバン・ムリーリョ――神聖なるものを親しみやすく
23 トマス・ルイス・デ・ビクトリア――宗教音楽に人生を捧げた大家
[コラム3]アントニオ・デ・カベソン――オルガン音楽の父
24 スペインの守護聖人をめぐる論争――ふさわしいのは聖ヤコブか? 聖テレサか?
[コラム4]柱の聖母の奇蹟
[コラム5]アンダルシアの聖母マリア
25 スペインの「ハポン」さん――夢をはるかエスパニャとローマに
26 ラス・カサス――その孤独な人生行路に何がある
[コラム6]ラス・カサスと『インディアスの破壊についての簡潔な報告』
27 黄金世紀の食卓――飽食と欠乏の狭間で
[コラム7]マドリードの食卓から――ロペ・デ・ベガは何を食べていたか?
28 セビーリャの異端審問所――あってはならぬ歴史的恥部
第Ⅲ部 15~18世紀のオーストリア・ハプスブルク
29 中欧最古の大学、カレル大学とフス――言葉が小国を存続させた
30 ゴシックからバロックへ――プラハはなぜ美しいのか
31 バロックの時代――華麗なる建築の舞台裏
32 居城都市ウィーン――ハプスブルクの栄光と残照
33 シェーンブルン宮殿――国家の威信と実用性の間で
34 ウィーンにおけるフリーメイソン――モーツァルトの時代の秘密結社
35 黎明期の新聞ジャーナリズム――手書新聞から定期刊行新聞へ
[コラム8]カフェの創始者はスパイ? それとも東方商人?
第Ⅳ部 19世紀のオーストリア・ハプスブルク
36 ビーダーマイヤー――市民文化に注がれるまなざし
37 ウィーン市大改造――「七千万帝国」の首都誕生
38 リングシュトラーセ――国家と市民たちの大通り
39 ウィーン万国博覧会――近代における都市の祝祭
40 ウィーンの音楽堂――音楽の都のオペラ劇場とコンサートホール
41 ウィーンの舞踏会文化――「会議は踊り、商談は進む」
42 ベドジフ・スメタナ――チェコ国民楽派の誕生
43 チェコ音楽――民族運動へのハンス・フォン・ビューローの支援
44 ヨハン・シュトラウス――時空を超える音楽一家の革新性
45 ウィーン・フィル創設の背景――音楽家たちを解き放った「フィルハーモニー」の理念
46 ウィーン・フィルと指揮者・作曲家――西洋音楽史・演奏史を作り上げてきたオーケストラ
47 ルエーガー市長と世紀末ウィーン――明と暗、新と旧
48 世紀転換期ウィーンの文化運動――20世紀に向けての文化の転換
49 世紀転換期の音楽――ウィーンの音楽的伝統と「現代音楽」への転換
50 建築の世紀転換期――オットー・ヴァーグナーと建築家たち
51 ウィーンの世紀末絵画――装飾の深淵
52 世紀転換期の文学――カフェを舞台にした「陽気な黙示録」の行く末
53 世紀末ブダペスト文化――建築・美術・文学を中心に
54 ウィーン・ハプスブルクの文化遺産――皇室コレクションから観光資源へ
[コラム9]ハプスブルクの世界遺産――バンスカー・シチアウニツァ
55 ハプスブルク帝国の駅舎――権力の劇場・市民社会の表象・村の灯火
56 日墺国交樹立と文化学術の出会い――疎遠な両国を近づけた文化と学術
57 ハンガリー建国千年祭――建国神話と文明的国民
[コラム10]ハンガリーの風景と伝統文化
58 翻訳文化――多言語世界で生きる
第Ⅴ部 20世紀のオーストリア・ハプスブルク
59 抵抗の源――面従腹背なチェコ
60 チェコの人形劇――ヤン・シュヴァンクマイエルの系譜
61 ウィーン・ミュージカル――過去と現在をつなぐ楽都の歴史ミュージカル
62 フーゴー・フォン・ホフマンスタール――ハプスブルク文化最後の申し子
63 シュテファン・ツヴァイク――理想主義に殉じたコスモポリタン
64 ツヴァイクの『マリー・アントワネット』――断頭台に消えた悲劇の女帝
65 フランツ・カフカ――プラハのラビリンス
[コラム11]『変身』――変容し続ける物語
[コラム12]ベルタ・フォン・ズットナー――『武器を捨てよ!』
66 左手のピアニスト、パウル・ウィトゲンシュタイン――音楽に生き、孤高に生き
67 オーストリア学派経済学――主観主義の経済理論
68 ジークムント・フロイト――帝政末期ウィーンが生んだ精神分析学の父
69 ルドルフ・シュタイナー――秘教的叡智の顕在化をめざして
70 老皇帝フランツ・ヨーゼフ1世が遺したもの――だれがあなたに帽子をとるだろうか
71 シシィの曾孫と過ごして知るハプスブルク文化の核心――歴史を現実に結びつけるルポ
ハプスブルク家系図
参考文献
執筆者紹介
著者略歴
川成 洋(カワナリ ヨウ kawanari you)
法政大学名誉教授、一橋大学社会学博士、アジア・ユーラシア総合研究所評議員、武道家、書評家。
事典:『スペイン文化事典』『イギリス文化事典』『日本文化事典』『ハプスブルク事典』『EU文化事典』『アメリカ教養辞典』『アイザック・アシモフの世界の年表』(以上、丸善出版)、『スパイ事典』『ヴァイキング事典』『アステカ・マヤ・インカ文明事典』(以上、あすなろ書房)、『日本アナキズム運動人名事典』(ぱる出版)、『ケルト文化事典』(東京堂出版)、『社会学事典』(弘文堂)、『民間学事典――人名編』(三省堂)、『ドン・キホーテ事典』(行路社)、『現代朝日人名事典』(朝日新聞社)、『20世紀全記録』(講談社)、『世界武道・格闘技大百科』(東邦出版)、『スペイン・ポルトガルを知る事典』(平凡社)。
書評集:『書をもて世界が見える』(共著、日本能率協会)、『スペイン読書ノート』(南雲堂)、『スペイン通信――自由との闘い』(三修社)、『本が語る現代』(丸善出版)、『人生を変える本もあった』(三一書房)、『書林探訪』(行路社)、『書評大全』(共著、三省堂)、『生涯読書のすすめ』『今、あなたに勧める「この一冊」』(共著、アユ総研叢書)。
エリア・スタディーズ:『イギリスの歴史を知るための50章』『イギリス文学を旅する60章』『ロンドンを旅する60章』『食文化からイギリスを知るための55章』『スコットランドを知るための65章』『ケルトを知るための65章』『スペインのガリシアを知るための50章』『現代スペインを知るための60章』『マドリードとカスティーリャを知るための60章』『ハプスブルク家の歴史を知るための60章』(以上、明石書店)。
タイトルヨミ
カナ:ハプスブルクノブンカヲシルタメノナナジュウイッショウ
ローマ字:hapusuburukunobunkaoshirutamenonanajuuisshou
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