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2019年6月26日発売

北大路書房

出版社名ヨミ:キタオオジショボウ

グラフィック・メディスン・マニフェスト

マンガで医療が変わる
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内容紹介
「一般患者」から「複数の患者」へ

マンガという媒体とヘルスケア言説の間の相互作用を探究する新しい試み。その中核は,健康と病いについてのストーリーテリングであり,医学および社会言説においてしばしば周辺化され,タブー視されている,患者の複雑な経験を描き出すことにある。一般患者という概念に抵抗し,矛盾する視点や経験でもって「複数の患者」を鮮やかに表現しようとするムーヴメントへの誘い。

◆ 柴田元幸さん推薦!
 (アメリカ文学研究者)
医療とマンガが手を結ぶ?
WHY? と思う読者も、この本を読めば、
WHY NOT? と思うようになるだろう。


◆ 原 正人さん推薦!
 (バンド・デシネ翻訳)
世界のさまざまな医療マンガに着目し、
医学と人文学、マンガ研究を架橋する
新しい運動の高らかな宣言。


【メディア掲載】
◆2019年11月26日付 朝日新聞夕刊(大阪本社版)の「いまどきマンガ塾」におきまして,『グラフィック・メディスン・マニフェスト:マンガで医療が変わる』(MK・サーウィックほか著/小森康永ほか訳)が紹介されました。評者は,雑賀忠宏氏(京都国際マンガミュージアム 研究員)。

___以下,一部引用___________________

「医療」と「マンガ」の関係に新潮流 情報解説より闘病経験、患者と家族の共感重視に

「グラフィック・メディスン」という耳慣れない言葉を冠した書籍が今年の6月に翻訳、刊行された。MK・サーウィックほか「グラフィック・メディスン・マニフェスト――マンガで医療が変わる――」(北大路書房)である。

 副題の「医療」と「マンガ」という言葉の並びを見て日本のマンガ読者がまっさきに思い浮かべるのは、どちらかというと医療に関する知識やヘルスケア的ノウハウを解説するような「情報マンガ」だろう。だが「グラフィック・メディスン」というコンセプトが特徴的なのは、そうした客観的かつ総合的な情報の伝達手段ではなく、病をめぐる主観的で複雑な個々の経験を表現することができるメディアとして、コミックス/マンガを捉えている点にある。目指すのは、患者と家族と医療者のよりこまやかな相互理解だ。……
______________________________
目次
序 章 グラフィック・メディスン・マニフェストへようこそ

第1章 語る権利は誰の手に:コミック研究の成り立ち
 コミック,批評,学術界
 コミック―その真面目なもの,文学,芸術

第2章 社会関与協働型研究(エンゲージド・スカラシップ)に向けて:グラフィック・メディスンの活用
 医学人文学から保健医療人文学へ
 障害学
 女性学
 科学技術研究と環境学
 グラフィック・メディスンのさらなる展開
 大学院生教育におけるグラフィック・メディスン
 ケアに関わる追記

第3章 グラフィック・ストーリーテリングと医学物語:医学教育におけるマンガの利用
 はじめに
 僕の原点
 なぜマンガなのか?
 医学生のためのマンガと医学のコース
 マンガを読むことと医学教育の課程目標
 マンガを描く
 ティナを手なづける
 結 論

第4章 教室とクリニックにおけるグラフィック・パソグラフィー:ケーススタディ
 パート1:医学教育における美学
 パート2:授業での『うるさいがん患者』

第5章 マンガと病いのイコノグラフィー
 イントロダクション
 病いの視覚的描写
 マンガにおける病いのイコノグラフィー
 表示の方法
 公式 対 非公式のイコノグラフィー
 結 論

第6章 クレヨン革命
 今に至るまで
 パート1:みんなで描こうよ。
 パート2:クレヨンの力
 パート3:1コマ漫画
 パート4:マンガを描く
 パート5:クラスを超えて
 結論

終 章 結論

 注釈
 引用・参考文献(書籍)
 引用・参考文献(コミック)
 邦訳のあるオススメ参考文献
 冗談からコマ―訳者あとがきにかえて
著者略歴
MK・サーウィック(サーウィック エムケー saawikku emukee)
MK・サーウィック(MK Czerwiec) アーティスト・イン・レジデンスとして,ノースウェスタン大学フェインバーグ医学部で働いているMK・サーウィックです。ロヨラ大学の英文科で学士号を取得後,ラッシュ大学で看護師の学士号も取得しました。修士号はノースウェスタン大学の医学人文科学・生命倫理学で取得し,AIDS ケアとホスピスケアで臨床看護実習をしました。2000年からは,スードニムコミックナースというウェブサイトでコミックを作っています。それと同時に,イアン・ウィリアムズと一緒にグラフィックメディスンウェブサイトの運営,国際医学コミックスカンファレンスの組織委員会に所属,また,ロンドンのLaydeezDo Comics(主に女性アーティストが新しいアイデアなどを他のアーティストと共有するプラットフォームを作っている組織)シカゴ支部のコーディネーターもしています。
イアン・ウィリアムズ(ウィリアムズ イアン wiriamuzu ian)
イアン・ウィリアムズ(Ian Williams) こんにちは。英国のブライトンを拠点とする内科医で,コミック・アーティスト,作家のイアン・ウィリアムズです。2007年にグラフィック・メディスンのウェブサイトを立ち上げました。今はMK・サーウィックと一緒にその編集をしています。医学,人文学,コミック書について様々な本や論文を書きました。2010年にロンドンで開催された第一回コミック・メディスン・カンファレンスthe first Comics and Medicine conference では組織委員長も務めました。著書に,グラフィック・ノベルの『The Bad Doctor(悪い医者)』(Myriad Editions,2014年7月)があります。
スーザン・メリル・スクワイヤー(スクワイヤー スーザンメリル sukuwaiyaa suuzanmeriru)
スーザン・メリル・スクワイヤー(Susan Merrill Squier) 私,スーザン・メリル・スクワイヤーは,この本の中でチキンとして登場することにワクワクしています。なぜならチキンは,あらゆる人々―みじめで,パッとしない,飛べない生きもの―のアバターだからです。ペンシルバニア州立大学において女性学と文学の教授を務め, このチキンとの友好関係は, 最新刊の『Poulty Science, Chicken Culture: A Partial Alphabet.』を説明するものでもあります。これに先立つ著作には,『Liminal Lives: Imaging The Human at the frontiers of Biomedicine and Babies in Bottles: Twentieth-Century Vision of Reproductive Technology.』があります。
マイケル・J・グリーン(グリーン マイケルジェー guriin maikerujee)
マイケル・J・グリーン(Michael J. Green) 僕はマイケル・J・グリーン。内科医,倫理学者,研究者,そしてペンシルバニア大学医学部の教員です。(本書の共著者と一緒に)医学生教育におけるマンガ使用の先駆者ということになります。人文学と内科学の教授,院内倫理委員会長で,終末期の意思決定,グラフィック・メディスン,そして生命倫理に関する論文も何本か出しています。
キンバリー・R・マイヤーズ(マイヤーズ キンバリーアール maiyaazu kinbariiaaru)
キンバリー・R・マイヤーズ(Kimberly R. Myers) 私は英語教授としての教育を受け,最初に愛好したのは現代詩とアイルランド文学でしたが,今ではペンシルバニア州立医科大学で医学生の指導にあたっています。そして,医療人文学を共同で指導し,コンピテンスに基づいたアセスメントとリフレクティブ・ラーニングを指導しています。ペンシルバニア州立医科大学では数年前に外科医作家の会を立ち上げて開催しています。
スコット・T・スミス(スミス スコットティー sumisu sukottotii)
スコット・T・スミス(Scott T. Smith) こんにちは,ペンシルベニア州立大学准教授のスコット・T・スミスです。専門は英語と比較文学で,授業では中世文学,初期英語,コミック論を教えています。特に面白いなと思っているのは,コミックが広く流通して消費されていくプロセスと,コミックが様々な場所で文化的価値を獲得していく仕組みです。あとは,創作媒体として世界各地に存在するコミックが,どのような伝統と多様性を持っているのかという問題にも興味を持っています。僕のコミック論のモットーは「とにかく読もう。もっとたくさん。いろんなものを」です。
小森 康永(コモリ ヤスナガ komori yasunaga)
小森 康永(こもり やすなが):序章,第3章,終章 1985年 岐阜大学医学部卒業 現  在 愛知県がんセンター中央病院  がんセンターの精神腫瘍医になって早13年が経ちました。緩和ケアの中核概念はトータルペインで,身体・心理・社会・スピリチュアルという次元が複雑に絡み合い,興味は尽きません。今回も,がん教育から偶然,GMへ展開したわけですが,確かに,例えばレジデント向けの講義で,スライドに母の流涙する顔(『母のがん』)が大きく映し出される時,教室の雰囲気が大きく変わります。2018年8月12日には高崎で日本初のGMワークショップ(日本家族療法学会)も開催できました。今後の動向が楽しみです。
平沢 慎也(ヒラサワ シンヤ hirasawa shinya)
平沢 慎也(ひらさわ しんや):第1章 2016年 東京大学大学院人文社会系研究科より博士号授与 現  在 東京大学,東京外国語大学,慶應義塾大学にて非常勤講師  専門は英語学。主要論文に「『クジラ構文』はなぜ英語話者にとって自然に響くのか」(『れにくさ』5(3),2014),「英語前置詞byの時間義」(『言語研究』146,2014),「仕組みを理解することと,丸ごと覚えること―sit up and take noticeから学ぶ―」(『東京大学言語学論集』37,2016),「for all I knowの意味と使用,動機付け」(『東京大学言語学論集』40,近刊)。訳書に「メンタル・コーパス:母語話者の頭の中には何があるのか」(分担翻訳,2017)。
安達 映子(アダチ エイコ adachi eiko)
安達 映子(あだち えいこ):第2章 1990年 立教大学大学院社会学研究科博士課程前期修了 現  在 立正大学社会福祉学部  ナラティヴ・プラクティスに傾倒して研究と実践を進めてきました。大学において社会福祉士養成に携わり,またソーシャルワーカーの現任者教育にかかわる中で,ナラティブ・メディスンが唱えるナラティブ・トレーニングにも深く関心を寄せています。今回GMに触れ,また違った角度から大いに刺激を受けつつ,現在は<書くことwriting>をテーマの一つにしながら「サポーターズ・ライティング・プロジェクト」などの活動に取り組んでいます。
奥野 光(オクノ ヒカル okuno hikaru)
奥野 光(おくの ひかる):第4章 2002年 名古屋大学大学院教育発達科学研究科単位取得 現  在 二松学舎大学学生相談室  私は文学部のある大学の学生相談室でナラティヴを実践しているカウンセラーです。近現代小説のテクスト分析に取り組む学生さんたちの話を面白く聴かせてもらっています。小説もグラフィック・パソグラフィーも,読者を分け隔てないところや,想像や対話へと招き入れてくれるところが大きな魅力だと感じているところです。  小森先生のグラフィック・メディスン熱がものすごい勢いで私のところへも届き,普段ご一緒できないはずの訳者の皆さんとお仕事できたことに心から感謝しています。
岸本 寛史(キシモト ノリフミ kishimoto norifumi)
岸本 寛史(きしもと のりふみ):第5章 1991年 京都大学医学部卒業 現  在 静岡県立総合病院 緩和医療科  ベースは内科医ですが,臨床心理学と医学の2つの観点を対等に持ちながら診療に携わることを意識してきました。その流れで,語りだけでなく絵画などのイメージも取り入れてきたので,GMのような取り組みが医療の中から生まれてきて,刺激を受けています。GMは,語りと絵とが自然な形で統合された表現としてのマンガが医療の中で持つさまざまな可能性に目を開かせてくれます。
高木 萌(タカギ モエ takagi moe)
高木 萌(たかぎ もえ):第6章 2012年 ニューヨーク州立ストーニーブルック校ソーシャルワーク学部修士号取得 現  在 翻訳家,カリフォルニア州 LCSW(licensed clinical social worker)  カリフォルニア州でソーシャルワーカーとして,精神病や薬物中毒を患った患者さんにカウンセリングをしたり,ホスピスで緩和ケアに携わったりしてきました。小森先生のGMへの熱意や,これまた小森先生繫がりでがんサバイバーの家族という視点で翻訳を担当した『母のがん』をきっかけに,GMの魅力を学び始めました。そして医療の世界の魅力も思い出し…。また関わらせて戴ける機会をいただければと期待しながら,これからのGMの可能性を信じて。ワクワク!
タイトルヨミ
カナ:グラフィックメディスンマニフェスト
ローマ字:gurafikkumedisunmanifesuto

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実は俳句の本をけっこう出しています

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