近刊検索 デルタ

2018年4月17日発売

青弓社

出版社名ヨミ:セイキュウシャ

軍事的暴力を問う 旅する痛み

旅する痛み
このエントリーをはてなブックマークに追加
内容紹介
ヘイトスピーチや排外主義による他者への憎悪が拡大する現状を踏まえて、沖縄、基地、戦後復興、「慰安婦」問題、3・11、2015年の安保法制など、暴力が表出する現場を〈痛み〉という感情から思索し、今日的な軍事的暴力の意味を考察する。
目次
序 章 ポストという「まだ見ぬ地平」へ──痛みをめぐる議論に着目して 鄭柚鎮
 1 「うんざり」感、あるいは「語りえぬことを語ることについて」
 2 旅するという動詞
 3 「問題=物質となる身体」へ流─着
 4 ポストという生成の場所へ、チラシのような関係へ

第1部 軍事的暴力に関わる言葉

第1章 言葉の始まりについて 冨山一郎
 1 平和を作る
 2 言葉の停留と始まりについて
 3 集団自決
 4 証言の手前
 5 沈黙は新たな言葉の姿を求めている

第2章 軍隊がある社会で凝視すべき身体の言葉──志願制への主張(韓国)と基地撤去論(沖縄/日本)をめぐる小考 鄭柚鎮
 1 ある鈍感さ
 2 軍隊がある社会で
 3 「基地がある限り」
 4 「女と子ども」
 5 軍隊がある社会で凝視すべき身体の言葉

第3章 軍事主義に抗する言葉──二〇一五年安保法案をめぐる政治空間を中心に 鄭柚鎮
 1 「安全不保障」
 2 「苦役」の「プロフェッショナル」
 3 「選択」という「責任」
 4 軍事化を生きるということ

第4章 占領を語るということ──「沖縄イニシアティブ」と占領状況における「知的戦略」 古波藏 契
 1 占領を語るということ、占領状況で語るということ
 2 共同事業者を名乗る奴隷
 3 継続する占領の鳥瞰図
 4 現実主義者のいらだつ身体
 5 「沖縄イニシアティブ」を読み直すための指針

第2部 廃墟の予感

第5章 戦後復興を考える──鶴見俊輔の戦後 冨山一郎
 1 廃墟について
 2 戦後復興
 3 研究するということ

第6章 廃墟から紡ぐ絵と言葉──大田洋子がまなざす原爆ドーム 西川和樹
 1 カリフォルニアで見た原爆ドーム
 2 廃墟の絵と言葉
 3 大田洋子が描く原爆ドーム

第7章 三月十一日から軍事的暴力を考える 冨山一郎
 1 態度ということ
 2 三月十一日を言葉にすること
 3 防災の共同体
 4 饒舌
 5 被曝労働
 6 軍事的論理と臆病者の未来
 7 そして今

第3部 旅する痛み

第8章 「国民基金」をめぐる議論を再び考える──「支援者から当事者へ」という過程を中心に 鄭柚鎮
 1 「被害者のために」「新しい歴史のために」
 2 救うべき者
 3 保護すべき者
 4 聞くということ

第9章 抵抗運動と当事者性──基地引き取り運動をめぐって 大畑 凜
 1 基地引き取りという主張と運動の背景
 2 連帯をめぐる痛み
 3 別の未来へ

第10章 痛みが消えるときをめぐって 島本咲子
 1 「痛み」の行方
 2 旅する「痛み」へ
 3 ゼロを目指して

終 章 旅する痛み──新たな言葉の姿を求めて 冨山一郎
 1 すだ
 2 自分自身を説明するということ
 3 聴く
 4 「いいね!」
 5 当事者
 6 旅する痛み
著者略歴
冨山 一郎(トミヤマ イチロウ tomiyama ichirou)
1957年生まれ。同志社大学グローバル・スタディーズ研究科教授。専攻は沖縄近現代史。著書に『流着の思想』(インパクト出版会)、『暴力の予感』(岩波書店)、『増補 戦場の記憶』(日本経済評論社)、『近代日本社会と「沖縄人」』(日本経済評論社)、共編著に『ポスト・ユートピアの人類学』(人文書院)、『現代沖縄の歴史経験』(青弓社)など。
鄭 柚鎮(チョン ユジン chon yujin)
1969年生まれ。同志社大学グローバル・スタディーズ研究科客員教員。専攻はジェンダー論。共著に『東アジアの冷戦と国家テロリズム』(御茶の水書房)、『現代沖縄の歴史経験』(青弓社)、『「慰安婦」問題の解決に向けて』(白澤社)、論文に「「慰安婦」問題とポストコロニアル状況」(「人権問題研究」第14号)など。
タイトルヨミ
カナ:グンジテキボウリョクヲトウ
ローマ字:gunjitekibouryokuotou

※近刊検索デルタの書誌情報はopenBDのAPIを使用しています。

-- 広告 -- AD --

【AD】
今、注目すべき第三書館の本
一番やさしい俳句再入門
実は俳句の本をけっこう出しています

-- 広告 -- AD --

もうすぐ発売(1週間以内)

※近刊検索デルタの書誌情報はopenBDのAPIを利用しています。