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定価:3,080円(2,800円+税)
判型: X
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内容紹介
自らの祖先に関心を寄せ、島を調査に訪れる大学人フェルサン。
彼と同じ血脈の末裔に連なる、浮浪者同然に暮らす男ドードー。
そして数多の生者たち、亡霊たち、絶滅鳥らの木霊する声……。
父祖の地モーリシャス島を舞台とする、ライフワークの最新作。
ノーベル文学賞作家の新たな代表作!
ぼくは帰ってきた。これは奇妙な感情だ、モーリシャスにはこれまで一度も来たことがないのだから。見知らぬ国にこうした痛切な印象を持つのはどうしてか。父は、十七歳で島を離れて以来、一度も戻ったことがない。(…)父は戦後母と出会い、二人は結婚した。父は故国を離れた移住者、今で言う「一族離散(ディアスポラ)」による移住者だった。(「砂嚢の石」より)
アルマ。この名はごく小さいときから言える。ママ、アルマと言う。ママとはアルテミジアのこと。母さん(ママン)のことはよく覚えていない。母さんはおれが六つのときに死んだ。(…)意地の悪い奴らは、母さんがよそへ行けばよいと思っている、レユニオン島生まれのクレオールで、分厚い縮れた髪をしているからだ。(「おれの名はドードー」より)
彼と同じ血脈の末裔に連なる、浮浪者同然に暮らす男ドードー。
そして数多の生者たち、亡霊たち、絶滅鳥らの木霊する声……。
父祖の地モーリシャス島を舞台とする、ライフワークの最新作。
ノーベル文学賞作家の新たな代表作!
ぼくは帰ってきた。これは奇妙な感情だ、モーリシャスにはこれまで一度も来たことがないのだから。見知らぬ国にこうした痛切な印象を持つのはどうしてか。父は、十七歳で島を離れて以来、一度も戻ったことがない。(…)父は戦後母と出会い、二人は結婚した。父は故国を離れた移住者、今で言う「一族離散(ディアスポラ)」による移住者だった。(「砂嚢の石」より)
アルマ。この名はごく小さいときから言える。ママ、アルマと言う。ママとはアルテミジアのこと。母さん(ママン)のことはよく覚えていない。母さんはおれが六つのときに死んだ。(…)意地の悪い奴らは、母さんがよそへ行けばよいと思っている、レユニオン島生まれのクレオールで、分厚い縮れた髪をしているからだ。(「おれの名はドードー」より)
目次
主な登場人物
フェルセン家略系図
モーリシャス島略図
序に代えて、人名
おれの名はドードー
ゾベイード
砂囊の石
ラ・マール・オ・ソーンジュ
ラ・ルイーズ
クリスタル
アルマ
マヤ
クレーヴ・クール
マカベ
ラルモニー
エムリーヌ
トプシーの話
クリスタル
……ドードー……
森のなかで
ポンポネット
洗足式
クリスタル(続)
ある賭け
マリ=マドレーヌ・マエの身の上話
パリ
罠
アディティ
アショクの身の上話
ドードーは旅する
レ・マール
ある結婚式
幽霊
サクラヴーの身の上話
ブラ・ドー
トカゲ
預言者
刑務所のクリスタル
ディティの誕生
最後の旅
南へ
海
二つの家
楽園最後の日々
おれは名無しだ
変わり者、終章に代えて
参考文献、証言、教示など 感謝を込めて
訳註
訳者あとがき
フェルセン家略系図
モーリシャス島略図
序に代えて、人名
おれの名はドードー
ゾベイード
砂囊の石
ラ・マール・オ・ソーンジュ
ラ・ルイーズ
クリスタル
アルマ
マヤ
クレーヴ・クール
マカベ
ラルモニー
エムリーヌ
トプシーの話
クリスタル
……ドードー……
森のなかで
ポンポネット
洗足式
クリスタル(続)
ある賭け
マリ=マドレーヌ・マエの身の上話
パリ
罠
アディティ
アショクの身の上話
ドードーは旅する
レ・マール
ある結婚式
幽霊
サクラヴーの身の上話
ブラ・ドー
トカゲ
預言者
刑務所のクリスタル
ディティの誕生
最後の旅
南へ
海
二つの家
楽園最後の日々
おれは名無しだ
変わり者、終章に代えて
参考文献、証言、教示など 感謝を込めて
訳註
訳者あとがき
著者略歴
J・M・G・ル・クレジオ(ジャンマリーギュスターヴルクレジオ janmariigyusutaaヴrukurejio)
(Jean-Marie Gustave Le Clezio)
1940年、南仏ニース生まれ。1963年のデビュー作『調書』でルノドー賞を受賞し、一躍時代の寵児となる。その後も話題作を次々と発表するかたわら、インディオの文化・神話研究など、文明の周縁に対する興味を深めていく。主な小説に、『大洪水』(1966)、『海を見たことがなかった少年』(1978)、『砂漠』(1980)、『黄金探索者』(1985)、『隔離の島』(1995)、『嵐』(2014)など、評論・エッセイに、『物質的恍惚』(1967)、『地上の見知らぬ少年』(1978)、『ロドリゲス島への旅』(1986)、『ル・クレジオ、映画を語る』(2007)などがある。2008年、ノーベル文学賞受賞。
中地義和(ナカジヨシカズ nakajiyoshikazu)
(なかじ・よしかず)
1952年、和歌山県生まれ。東京大学教養学科卒業。パリ第三大学博士。東京大学名誉教授。専攻はフランス近現代文学、とくに詩。著書に、『ランボー 精霊と道化のあいだ』(青土社)、『ランボー 自画像の詩学』(岩波書店)など。訳書に、『ランボー全集』(共編訳、青土社)、J・M・G・ル・クレジオ『黄金探索者』(新潮社/河出書房新社)、『隔離の島』(ちくま文庫)、『嵐』(作品社)、『ル・クレジオ、映画を語る』(河出書房新社)、A・コンパニョン『書簡の時代──ロラン・バルト晩年の肖像』(みすず書房)など。編訳書に、『対訳 ランボー詩集』(岩波文庫)など。
タイトルヨミ
カナ:アルマ
ローマ字:aruma
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