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6月24日発売予定

水曜社

市民がつくる社会文化

ドイツの理念・運動・政策
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内容紹介
ドイツにおける「社会文化(Soziokultur)」の意義とは何か。

ドイツの各地域に多数存在する「社会文化センター」。
そこは様々な理念を持った人々が集い、活動する場でもある。社会政策、教育政策、文化政策をクロスオーバーしながら、社会問題を市民の手で解決しようとしている。

本書ではドイツにおいて「社会文化」の概念が生成された歴史、社会文化運動の特徴、また日本の芸術・文化系NPO との対比による分析など。さらにドイツで誕生した「社会文化」の概念がどのように日本に導入されたか、ドイツ文化政策の中で社会文化がどのように位置づけられ、どう変化を遂げているか、その課題を論じる。

コロナ後の文化政策・文化支援施策もドイツでは市民が大きな影響力を持ちえたのは根底にある社会文化である。本書は市民が社会に参画するために必要な事、日本における文化政策のこれからを考えるの最新刊。
目次
まえがき(大関 雅弘)
第1章 社会文化の成立と理念 ―ハンブルクのモッテを事例に(藤野 一夫)
1 社会文化と文化的民主主義
2 文化の現状是認的性格
3 新しい文化政策への転換
4 社会文化の生成
  文化とその施設を用いて活気のある都市生活を創造すること
  芸術と日常生活とを橋渡しする美的教育の新たな形態を発展させること
5 社会文化の意義と原則
6 社会文化センターの運営と活動
7 成熟と課題
8 社会文化センターの事例 ―ハンブルクの「モッテ」
9 社会文化の課題と展望
おわりに

第2章 ドイツ社会文化運動の特徴 ―ハンブルク市の事例から(吉田 正岳)
はじめに
1 社会文化とは何か
2 文化と社会文化
3 地域⽂化としての社会文化
4 病院占拠、住居占拠
5 公園計画
6 ゴルドベク・ハウス
7 失業と社会文化運動
8 デンクマール
おわりに
コラム 工房の思想

第3章 社会文化センター見聞記(山嵜 雅子)
はじめに
1 ハンブルク市の社会文化センター
2 市民がつくり、専門家が支える、ブレーメンの社会文化センター
3 国境地帯で活動するザクセン州ツィッタウの社会文化センター
4 社会問題と向き合うフランクフルト、ハノーファー、ベルリンの社会文化センター
おわりに

第4章 ドイツ各州における「社会文化活動協会」の役割
 ―日本における市民文化活動のあり方についての一考察(畔柳 千尋)
はじめに
1 日本におけるアートNPOをめぐる課題
2 ドイツ各州における社会文化活動協会の機能に関する比較分析
  各州の社会文化活動協会
  連邦社会文化協会(Bundesverband Soziokultur e.V.)の役割
3 日本における非営利文化・芸術関連組織のネットワーク
  非営利組織の概観
 「中間支援組織」:特定非営利活動法人アートNPOリンクの事例
おわりに

第5章 日本における「社会文化」概念の現在(大関 雅弘)
はじめに
1「社会」概念および「文化」概念について
  「社会」とは何か
  「文化」とは何か
2『社会文化研究』における「社会文化」概念のとらえ方
3「社会文化」概念の今日的意義
  「社会文化」概念の三つの位相
  経験科学としての「社会文化」研究
おわりに

第6章 芸術文化の視点から見たドイツ社会文化運動
 ―英国コミュニティ・アート運動とも対比して(山田 康彦)
はじめに
1 ドイツ社会文化運動の持つ性格
  社会文化運動は芸術運動でもある
  生活世界から安易に離脱しない芸術文化活動
  芸術は仕事を生み出し労働と生活の質を問う
2 英国コミュニティ・アートの核心とドイツ社会文化運動との対照
  英国コミュニティ・アート運動の全体的動向
  アーツカウンシルによる文化民主主義
  コミュニティ・アート運動の求める文化民主主義
おわりに

第7章 ドイツの文化政策における社会文化の位置と刷新(藤野 一夫)
はじめに
1 ドイツにおける文化
2 個人と社会にとっての文化の意義
3 個人と社会にとっての文化政策の意義
4 社会⽂化の概念
5 アップデートされる社会文化
6 社会⽂化の自己理解:社会文化活動の根本原理
7 社会⽂化の成果と課題
8 強要されたクリエイティビティを克服する未来の社会文化
9 社会文化と文化

第8章 パンデミック時代のドイツの文化政策(藤野 一夫)
はじめに
1 本章の構成
  コロナ-パンデミック後の文化政策のための10項目
2 「文化国家」論争
3 システム上重要なものをめぐって
4 協調的文化連邦主義
5 分権的構造と市民社会セクター
6 強靭なネゴシエーション
7 公益領域としてのフリーシーン
8 ライプチヒの事例から
9 連邦文化大臣の声明と支援策
10 ファクトに即して
11 アーティストとクリエーターの連帯
12 州・自治体・民間の支援策
13 科学的論拠と美感的構想力
14 ニュースタートカルチャー
15 文化的民主主義に内在するレジリエンス
おわりに

あとがき(吉田 正岳)
著者略歴
大関 雅弘(オオゼキ マサヒロ oozeki masahiro)
1954年生まれ。四天王寺大学人文社会学部教授。東北大学助手、四天王寺大学講師、助教授を経て現職。専門は、社会学理論、現代社会論。マックス・ヴェーバーの社会学理論、および後発資本主義国の市民社会の研究を行っている。論文に「日本の『社会文化』のいま——『学生と市民のための社会文化研究ハンドブック』の刊行に寄せて」(『社会文化研究』第22号、2020年)、共著に『人間再生の社会理論』(創風社)『新版 現代社会への多様な眼差し — 社会学の第一歩』(晃洋書房)など。
藤野 一夫(フジノ カズオ fujino kazuo)
1958年東京生まれ。芸術文化観光専門職大学副学長。神戸大学名誉教授。日本文化政策学会副会長、(公財)びわ湖芸術文化財団理事、(公財)神戸市民文化振興財団理事ほか、文化審議会等の委員を多数兼任。編著に『公共文化施設の公共性─運営・連携・哲学』、『基礎自治体の文化政策─まちにアートが必要なわけ』(以上水曜社)『地域主権の国 ドイツの文化政策─人格の自由な発展と地方創生のために』(美学出版)『ワーグナー事典』(東京書籍)、ワーグナー『友人たちへの伝言』(共訳、法政大学出版会)など。
吉田 正岳(ヨシダ ショウガク yoshida shougaku)
地域産業総合研究所所員。東京都立商科短大、都留文科大学非常勤講師。大阪学院大学教授(倫理学、社会学など担当)を経て現職。 専門分野は社会哲学。著作に『美学理論の展望』(共著、梓出版社)、論文に「戦後思想の人間論—疎外論の展開と衰退」(『戦後思想の再検討―人間と文化篇』白石書店、1986年)「近過去の近未来デザイン—千里丘陵の空間から考える」(『社会文化研究』晃洋書房、第12号、2010年3月)「柳宗悦の民衆像—建築論の視点から」(大阪学院大学国際学論集、第26巻第1・2号、2015年12月)など。
山嵜 雅子(ヤマザキ マサコ yamazaki masako)
立教大学兼任講師。博士(教育学)。専門は、社会教育・社会教育史。近現代史にみられる人びとの自発的な教育・学習運動の解明を通して、自立した社会的主体(市民)の形成という問題を追究する一方、地域の市民グループに所属し、地域問題や女性問題に関する学習活動や提言活動などを行っている。著書に『京都人文学園成立をめぐる戦中・戦後の文化運動』(風間書房)、論文に「市民運動を記録する営み―記憶(運動経験)を継承する―」(『社会文化研究』第18号、2016年)など。
畔柳 千尋(クロヤナギ チヒロ kuroyanagi chihiro)
養寿寺文化・広報部、愛知県西尾市文化会館指定管理者(一社)西尾市文化協会勤務。ロータリー財団国際親善奨学生として、ハンブルク音楽・演劇大学文化・メディアマネジメントコース留学を経て、西尾市文化振興プラン策定を担当。神戸大学大学院総合人間科学研究科博士後期課程修了。博士(学術)。専門は文化政策学。分担執筆に『地域主権の国 ドイツの文化政策—人格の自由な発展と地方創生のために』(美学出版)ほか。
山田 康彦(ヤマダ ヤスヒコ yamada yasuhiko)
1954年生まれ。三重大学教育学部特任教授。宮崎女子短期大学(現宮崎学園短期大学)助教授、三重大学教育学部教授を経て現職。専門は、芸術教育論。論文に、「学校教育におけるアートの可能性」(『季刊 人間と教育』No.76、2012年12月)、「人間の文化的主体性の形成における芸術・芸術教育の役割と意義」(『障害者問題研究』第46巻3号、2018年11月)、「平和と美術教育」前編・後編(『子どもと美術』No.85・86、2019年8月・2020年1月)など。
タイトルヨミ
カナ:シミンガツクルシャカイブンカ
ローマ字:shimingatsukurushakaibunka

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もうすぐ発売(1週間以内)
産業編集センター:小林みちたか 
美術出版社:藤井フミヤ 
日経BP 日本経済新聞出版本部:湯進 
KADOKAWA:須垣りつ 庭春樹 
エール出版社:鳩山文雄 

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