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2018年12月15日発売

文学通信

出版社名ヨミ:ブンガクツウシン

全訳 男色大鑑〈武士編〉

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内容紹介
殺されたい、愛するお前に...。おお、これが究極の純愛というヤツなのか。
井原西鶴が1687年に描き出した、詩情あふれる華麗・勇武な男色物語が、遂に現代に甦る。
若衆と念者の「死をも辞さない強い絆」は、常に焦点ととして描かれる三角関係の緊張感とともに、長い間、誠の愛を渇望して止まぬ人々の心を密かに潤し続けてきた。
世界の奇書として名高い『男色大鑑』。全集でしか読めなかった作品群が、わかりやすい現代語と豪華漫画家陣[あんどうれい、大竹直子、九州男児、こふで、紗久楽さわ]の挿絵によって鮮やかに息を吹き返す。
天才、井原西鶴による300年前のストーリーが今ここに復活。魅惑の古典世界への道しるべが、ここに登場。古典文学は、ここから学ぶと絶対楽しい!

本書は『男色大鑑』八巻中、前半の武家社会の衆道に取材した作品四巻までを収録(後半の四巻は2019年6月に刊行予定)。
現代語訳は、若手中心の気鋭の研究者、佐藤智子、杉本紀子、染谷智幸、畑中千晶、濱口順一、浜田泰彦、早川由美、松村美奈。

●本文より
「今の思いはどうだ。これでも白状せぬか!」
と仰せられた。小輪は右手を差し出して、
「この手で兄分をさすりましたゆえに、さぞかしお憎しみは深いことでしょう」
と言うと、殿は飛びかかってその手も斬り落としておしまいになった。
〈巻2の2 傘持つても濡るる身〉より

「御貴殿を深くお慕いしております証拠には......」
と同時に肩を脱ぐと、
団之介の左腕には「嶋村」、内記の左腕には「藤内」と名字と名前をそれぞれ刺青して、
「御貴殿に逢わないうちからこの通りです」と見せた。
〈巻2の5 雪中の時鳥〉より
目次
・カラー口絵(あんどうれい、大竹直子、九州男児、こふで、紗久楽さわ)
・[図解]若衆図(若衆とその髪型)
・巻頭言 初めての古典が『男色大鑑』でもいいんじゃないか(畑中千晶)
・お読みになるまえに こんな現代語訳を目指しました/こんな「おまけ」も付けました

全訳 男色大鑑〈武士編〉開幕!

序 男女の恋は間に合わせ、男色こそ恋の本道

巻1
1 色はふたつの物あらそひ―男が男に恋する二十三の理由
2 此道にいろはにほへと―この道ひとすじ「一道」先生、少年二人の恋路見守る
3 垣の中は松楓柳は腰付―病気平癒の祈願を続けること半年、ついに美少年と恋仲に
4 玉章は鱸に通はす―煮え切らないなら、愛する兄分だって斬り捨てる
5 墨絵につらき剣菱の紋―丹之介を救った大右衛門、恋は幸せな結末のはずだったのに

巻2
1 形見は二尺三寸―信玄公と共に戦ったこの刀、これで仇を討ってくれ
2 傘持つても濡るる身―俺もいつかは兄分を持ち、その方を可愛がりたい
3 夢路の月代―ぬしの唾は恋の味、すくいあげて飲みほし申す
4 東の伽羅様―離れていてもおそばにいます、動かぬ証拠はそのかけら
5 雪中の時鳥―ホトトギスのためならば、ボクらのすべてを捧げます

巻3
1 編笠は重ねての恨み―恥辱を晴らすは衆道の義、武士に劣らぬ稚児の心根
2 嬲りころする袖の雪―雪責めしたのは、ただお前だけだと言ってほしかったから
3 中脇差は思ひの焼け残り―死んだあいつの願いを叶えるために「走れ、半助」
4 薬は効かぬ房枕―叶わぬなら殺してしまえ美少年、お前こそ殺してやろう野暮男
5 色に見籠むは山吹の盛り―純愛か狂気か、ひたすら見つめ続けた、最強の追っかけ

巻4
1 情けに沈む鸚鵡盃―遊女に飽き、妻に先立たれ、最後に行き着くところは
2 身替りに立名も丸袖―愛する人の代わりに死ねますか。男色の意気地が奪った三人の命
3 待ち兼ねしは三年目の命―世にも奇妙な三角関係、知らぬは松三郎ばかりなり
4 詠めつづけし老木の花の頃―シワシワな君に恋してる、君は永遠の若衆だから
5 色噪ぎは遊び寺の迷惑―武士編の最後は、許嫁と結婚。これでいいのか

解説1 
マルチOS西鶴の『男色大鑑』(畑中千晶)
一、西鶴その人
二、西鶴の文章
三、『男色大鑑』という作品

解説2 
男色の楽しみと衆道の歴史(染谷智幸)
一、はじめに
二、男色、二つの世界
三、浄の男道
四、若衆の意気地と武士の綺羅
五、おわりに

あとがき―そして、歌舞伎若衆編へ。なんと作者西鶴が登場!(染谷智幸)

・執筆者プロフィール
著者略歴
染谷 智幸(ソメヤ トモユキ someya tomoyuki)
茨城キリスト教大学教授。『西鶴小説論―対照的構造と〈東アジア〉への視界』(翰林書房、2005年)、染谷智幸/畑中千晶編『男色を描く 西鶴のBLコミカライズとアジアの〈性〉』(勉誠出版、2017年)、西鶴研究会編『気楽に江戸奇談!RE: STORY井原西鶴』(笠間書院、2018年)、『日本永代蔵 全訳注』(講談社学術文庫、2018年)など。
畑中 千晶(ハタナカ チアキ hatanaka chiaki)
敬愛大学教授。『鏡にうつった西鶴 翻訳から新たな読みへ』(おうふう、2009年)、KADOKAWA『男色大鑑』(B's-LOVEY COMICS)の解説(2016年)、染谷智幸/畑中千晶編『男色を描く 西鶴のBLコミカライズとアジアの〈性〉』(勉誠出版、2017年)、西鶴研究会編『気楽に江戸奇談!RE: STORY井原西鶴』(笠間書院、2018年)など。
佐藤 智子(サトウ サトコ satou satoko)
東京都公立小学校教諭。「研究史を知る『武道伝来記』」『西鶴と浮世草子研究』」Vol.3(笠間書院、二〇一〇年)、「校注・解説」『「むだ」と「うがち」の江戸絵本 黄表紙名作選』(小池正胤著、笠間書院、二〇一一年)、「小学校における草双紙作品の教材活用について(その一)〜(その三)」(『叢 草双紙の翻刻と研究』第37号、二〇一六年二月〜第39号、二〇一八年二月)など。
杉本 紀子(スギモト ノリコ sugimoto noriko)
東京学芸大学附属国際中等教育学校主幹教諭『「むだ」と「うがち」の江戸絵本 黄表紙名作選』(小池正胤箸、笠間書院、二〇一一年)(校注・解説)、『国語教師のための国際バカロレア入門―授業づくりの視点と実践報告』(半田淳子編著、大修館書店、二〇一七年)(第2章④解説)、「国立国会図書館蔵 黄表紙『王子長者』について」(『叢 草双紙の翻刻と研究』第39号、二〇一八年二月)など。
濵口 順一(ハマグチ ジュンイチ hamaguchi junichi)
男色文学研究家・博士(日本文化)。「野傾物の発生と消滅―江島其磧の作品を中心に」(『日本文学』52巻6号、二〇〇三年六月)、「『男色子鑑』と『男色大鑑』―山八と西鶴を巡って―」(『解釈』50巻9・10号、二〇〇四年一〇月)。
浜田 泰彦(ハマダ ヤスヒコ hamada yasuhiko)
佛教大学准教授。『三弥井古典文庫 武家義理物語』(共著、三弥井書店、二〇一八年)、「『色里三所世帯』の再検討―「天子」を真似る外右衛門―」(『鯉城往来』第一九号、二〇一六年一二月)、「見物左衛門とその子孫たち―狂言から黄表紙・歌舞伎へ―」(『京都語文』第二六号、二〇一八年一一月)など。
早川 由美(ハヤカワ ユミ hayakawa yumi)
奈良女子大学博士研究員・愛知淑徳大学非常勤講師 『西鶴考究』(おうふう、二〇〇八年)、『〈江戸怪談を読む〉猫の怪』(白澤社、二〇一七年)、「資料紹介 川喜田石水「見たき本」目録―近世期地方知識人の書物意識―」(『叙説』四五号 、二〇一八年三月)など。
松村 美奈(マツムラ ミナ matsumura mina)
愛知教育大学・愛知大学非常勤講師。西鶴研究会編『気楽に江戸奇談!RE:STORY 井原西鶴』(笠間書院、二〇一八年)、『仮名草子集成 第53巻』(共著、東京堂出版、二〇一五年)、「『和漢乗合船』典拠考―運敞著『(正続)寂照堂谷響集』との関係から」(『日本文学』62巻3号、二〇一三年三月)など。
あんどう れい(アンドウ レイ andou rei)
SNSに江戸を舞台にした、江戸こぼれ話BL漫画「エドと右京」を投稿。『男色大鑑ー無惨編ー』(KADOKAWA)など。
大竹 直子(オオタケ ナオコ ootake naoko)
漫画家。一九九三年、角川書店よりデビュー。主に日本の歴史・時代物を中心に執筆。著書に「白の無言」(竹書房)「写楽(原作/皆川博子)」「源平紅雪綺譚」「秘すれば花」「しのぶれど」「百々之助☆変化」「阿修羅の契」(小池書院)など。
九州男児(キュウシュウダンジ kyuushuudanji)
松山花子/九州男児(まつやま・はなこ/きゅうしゅうだんじ) 1993年学研よりデビュー。主要作品に、『課長の恋』(ビブロス、リブレ出版)、『ネコ侍』(日本文芸社)、『ヨメヌスビト』(オークラ出版)など。『男色大鑑-武士編』『男色大鑑―歌舞伎若衆編』『男色大鑑―無惨編』(KADOKAWA/エンターブレイン)の3巻全てに執筆している。
こふで(コフデ kofude)
プランタン出版『Canna』vol.57にて読み切り「春はまだ交わらない」で商業デビュー。2018年5月から本格的に漫画、絵の仕事を開始。江戸をメインジャンルとして商業誌を中心に活動中。
紗久楽 さわ(サクラ サワ sakura sawa)
江戸風俗考証に忠実な漫画。江戸BL漫画「百と卍」(祥伝社)連載中。同作が『このBLがやばい!2018年度(宙出版)』第一位、『ちるちるBLアワード2018』次に来るBL部門第一位と、二冠を達成。ドラマCD化も果たした。代表作はNHK木曜時代劇化作品・畠中恵原作『まんまこと』コミカライズ(秋田書店)、初連載作品『かぶき伊左』(KADOKAWA/エンターブレイン)は2014年文化庁メディア芸術祭にて委員会推薦作品を受賞。
タイトルヨミ
カナ:ゼンヤクナンショクオオカガミブシヘン
ローマ字:zenyakunanshokuookagamibushihen

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