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内容紹介
本書は、映画監督・映像作家として知られる松本俊夫(1932〜2017)についての研究書であり、第1部「劇映画」、第2部「記録映画・実験映画」、第3部「インタビュー」、付録「松本俊夫全作品目録」によって構成されています。第3部のインタビュイーは、松本作品の映画音楽を数多く手がけた湯浅譲二(作曲家)と一柳慧(作曲家・ピアニスト)。「松本俊夫全作品目録」では、松本俊夫の全作品データと詳細な解説も掲載。映画・現代美術・現代音楽など、幅広い専門分野を持つ研究者・インタビュイーたちが、戦後の映画・映像史に大きな足跡を残した松本俊夫について多角的に論じます。松本俊夫(まつもと・としお)1932年生まれ、2017年没。映画監督・映像作家。東京大学文学部美学美術史科を卒業後、新理研映画に入社し、実験工房のメンバーを起用してPR映画『銀輪』(1956)を演出。その後、教育映画作家協会(記録映画作家協会)に入会し、機関誌『記録映画』において前衛記録映画の理論を展開させ、その実践として『西陣』(1961)、『石の詩』(1963)などの記録映画を演出する。やがて作家協会内部の対立を経て、1964年には映像芸術の会を発足させ、同時代の作家らとともに映画運動を組織してゆく。1968年には同人としてフィルムアート社の設立に参加し、雑誌『季刊フィルム』を刊行するなど、越境的な芸術の動向に影響を与える。その後の作家活動では『つぶれかかった右眼のために』(1968)、『メタスタシス=新陳代謝』(1971)、『アートマン』(1975)をはじめとする数々の作品によって、国内における実験映画やビデオアートの動向を牽引してゆく。また、日本万国博覧会ではせんい館のディレクターを務め『スペース・プロジェクション・アコ』(1970)を発表したほか、ATG提携の『薔薇の葬列』(1969)をはじめとし、『修羅』(1971)、『十六歳の戦争』(1973—1976)、『ドグラ・マグラ』(1988)という四本の劇映画を監督した。1980年以降は、九州芸術工科大学、京都造形芸術大学、日本大学などで教鞭を執り、後進の指導にも努めた。最新作はオムニバス映画『蟷螂の斧』(2009—2012)。著書に『映像の発見──アヴァンギャルドとドキュメンタリー』(三一書房、1963)、『表現の世界──芸術前衛たちとその思想』(三一書房、1967)、『映画の変革──芸術的ラジカリズムとは何か』(三一書房、1972)、『幻視の美学』(フィルムアート社、1976)、『映像の探求──制度・越境・記号生成』(三一書房、1991)、『逸脱の映像──拡張・変容・実験精神』(月曜社、2013)などがある。
目次
Ⅰ 劇映画
ネトルトン・タロウ「場としての新宿──『薔薇の葬列』と『新宿泥棒日記』について」
足立元「昭和元禄映画破壊──松本俊夫における「日本的なもの」」
佐々木友輔「眼には見えない風景のために──『薔薇の葬列』論」
Ⅱ 実験映画・記録映画
川崎弘二「松本俊夫の実験映画と音楽──『銀輪』のミュジック・コンクレートを中心に」
古畑百合子「エクスパンデッド・シネマの実験と冷戦──松本俊夫とスタン・ヴァンダービークのコミュニケーション観」
西村智弘「松本俊夫のポストモダン──一九八〇年代以降の実験映像と劇映画」
阪本裕文「前衛記録映画論とその行方」
Ⅲ インタビュー
湯浅譲二インタビュー──2016年6月1日、於アップリンク渋谷 聞き手:川崎弘二
一柳慧インタビュー──2014年9月1日、於渋谷東武ホテル 聞き手:阪本裕文、江口浩、川崎弘二
あとがき
松本俊夫全作品目録
著者略歴
ネトルトン タロウ(ネトルトン タロウ netoruton tarou)
足立元(アダチ ゲン adachi gen)
佐々木友輔(ササキ ユウスケ sasaki yuusuke)
川崎弘二(カワサキ コウジ kawasaki kouji)
古畑百合子(フルハタ ユリコ furuhata yuriko)
西村智弘(ニシムラ トモヒロ nishimura tomohiro)
阪本裕文(サカモト ヒロフミ sakamoto hirofumi)
タイトルヨミ
カナ:シンセツ マツモトトシオロン
ローマ字:shinsetsu matsumototoshioron

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