シネシネナンデダ日記

高島利行

本書の「あとがき」より

 つらつらと書きためていた雑記を本にすることが決まってからここまでの間に離婚しました。ある日、家に帰るとハンコを押した離婚届と離婚させてくれという手紙が置いてあったのです。妻の意思は非常に固く翻意をうながすのはかないませんでした。

バツイチになりました

 不本意ながら期せずしてバツイチとなってしまいました。妻が離婚したかった本当の理由はわかりません。わからないのが理由なんだと、妻、いや、元妻からは言われそうです。でも、本当にわからないのです。

本を出すリスク

 本にする気はないかと第三書館の北川さんから電話をいただいたのが2021年6月、ありがたいお話です。断る理由もありません。実名を出すことで起こる諸々については北川さんから何度も念押しされました。それもこれも承知の上での書籍化です。

「このヒト、本当に不幸だな」

 原稿の見直しは妻も積極的に手伝ってくれました。タイトルも半分は妻のアイデアです。原稿を何度も読み返す度に「このヒト、本当に不幸だな」と認識したそうです。それが離婚の理由かどうかはわかりませんが。

シネシネナンデダ日記
高島利行
978-4-8074-2102-2
2021年12月
在庫あり
出版社による内容紹介:
統合失調症は糖尿病とあまり変わらない程度の罹病率を持つ“ありふれた病気”である。しかし、罹病者の家族・周囲にとっては、とほうもない負担・困難を患者と共に背負い続け、生涯を傾けざるを得ない非常に稀な特徴に満ちた病気である。 中堅出版社勤務の著者は、妻と十代の娘一人のあたたかいマイホーム暮らしだったが、娘の発病で一変した。真夜中にあらん限りの大音声で、「死ね、しね、シネ、SHINE,SSSHHHIIINNNEEE‼‼」と叫びたてる。おらび上げる。町内中に響き渡る娘の声。 平穏無事を絵に描いたような、静かで、未来性に満ちた穏やかな生活が、一夜にして、奈落の底に急転落してしまう。一家離散の一大椿事の卵は、あなたの、私たちのすぐそばに、落ちているのだ。 出版業界 話題沸騰!
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