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2021年7月8日発売

人文書院

出版社名ヨミ:ジンブンショイン

コロナとオリンピック

日本社会に残る課題
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内容紹介
コロナ禍を経て問い直す、五輪の意義


おびただしい問題の数々と混乱の日々を経験したいま、私たちはこれまでとは異なる視点でオリンピックと向き合っている。この混乱を機に、オリンピックと社会を変えていくことはできるのか。本書では、延期決定以後の経緯を整理するとともに、震災復興、都市開発、女性差別など、浮かび上がった日本社会の問題を析出し、今後のオリンピックのあり方を検討する。五輪研究の第一人者による緊急提言。


「今大会を通して明らかになったのは、オリンピックは社会におけるさまざまな諸問題を、明確に、かつ単純化して、私たちの目の前にさらけ出してくれることである。その費用が数兆円にも及ぶ開催費用とはなんとも高価な代償ではあるが、ここ数年で日本社会が抱える問題の多くが露呈してきた。それを変えるために利用しない手はないだろう。オリンピックという理念的な審級に照らして、私たちの社会を検証していくという方法である。」(本書より)
目次
はじめに

第一章 東京オリンピックと二〇二〇年
──聖火リレーの到着と大会の延期
社会との対話を拒み続けたオリンピックとスポーツ界 オリンピックの延期決定 大会延期に伴う課題 大会延期に伴う費用と経済損失 大会一年前カウントダウンの是非

第二章 東京オリンピックがもたらす都市空間の変容
一九四〇年大会と都市開発 一九六四年大会と都市開発 二〇二〇年大会と都市開発

第三章 東京オリンピックと震災復興
大会招致への道のり 消された「復興五輪」 復興とオリンピックはどのように論じられてきたのか 復興と「スポーツのチカラ」 東京大会は何を見せようとしているのか オリンピックにおける震災復興の行方

第四章 オリパラ教育とボランティアの行方
オリパラ教育はなぜ行われるのか 長野大会の一校一国運動 オリンピズム教育の価値 東京大会とボランティア ボランティアと地域社会の接点

第五章 東京オリンピックとナショナリズム
ナショナリズムとオリンピックの出会い 日本とオリンピックの関係性 メダル獲得によるナショナリズムの表出 オリパラ教育に見られるナショナリズム コロナ禍のオリンピック

第六章 東京オリンピックと二〇二一年
──聖火リレーの開始と大会の行方
二度目の緊急事態宣言発出 森会長の舌禍問題とジェンダー平等 森発言の余波 スポーツ界の覇権争いと政治からの自律性喪失 聖火リレーの開始 池江璃花子の復活と世論の二分化

おわりに

初出一覧
著者略歴
石坂 友司(イシザカユウジ ishizakayuuji)
石坂友司(いしざか・ゆうじ) 1976年北海道生まれ。筑波大学大学院博士課程体育科学研究科単位取得退学。博士(体育科学)。現在、奈良女子大学研究院生活環境科学系准教授。専門はスポーツ社会学、歴史社会学。著書に『現代オリンピックの発展と危機1940-2020』(人文書院)、共編著に『〈オリンピックの遺産〉の社会学』(青弓社)、『オリンピックが生み出す愛国心』(かもがわ出版)、『〈ニッポン〉のオリンピック』(青弓社)、『一九六四年東京オリンピックは何を生んだのか』(青弓社)、『未完のオリンピック』(かもがわ出版)、共著に『21世紀のスポーツ社会学』(創文企画)、『幻の東京オリンピックとその時代』(青弓社)など。
タイトルヨミ
カナ:コロナトオリンピック
ローマ字:koronatoorinpikku

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