近刊検索 デルタ

2017年10月31日発売

明石書店

出版社名ヨミ:アカシショテン

グローバル化と言語政策

サスティナブルな共生社会・言語教育の構築に向けて
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内容紹介
人の国際移動が増加しているなかにあっても日本には持続可能な社会構築に必要な言語政策を欠いているのが現状である。本書は、国内外と移民・マイノリティ・各専門分野別の言語政策について検証し、グローバル化の進展のなかで日本が示すべき政策について示唆を与える。
目次
はじめに――移民受入れ国としてのサスティナブルな言語政策転換


第1部 移民に対する言語教育とサスティナビリティ

第1章 自治体の外国人移民政策と言語問題[渡戸一郎]
 はじめに
 1.外国人移民に対するホスト社会の言語政策
 2.日本における自治体の外国人移民政策の展開
 3.住民としての外国人移民の変化(1990年代~現在)
 4.自治体の外国人移民言語政策の体系化に向けて
 5.これからの自治体の外国人移民政策の課題

第2章 社会を支える外国人移住者と受入れ社会とのコミュニケーション構築――多文化社会の持続可能性を支える仕組み[松岡洋子]
 1.いつの間にか近くに外国人が
 2.ボランティアの日本語学習支援による課題への対応
 3.外国における移民とのコミュニケーション構築施策例
 4.外国の施策から学ぶこと
 まとめ――日本はどうするのか?

第3章 ヨーロッパ市民のための言語文化リテラシーとヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)――英国のEU離脱とサスティナビリティの観点から[宮崎里司]
 1.問題の所在
 2.移民とEU
 3.EU市民とヨーロッパ共通言語参照枠(CEFR)
 4.CEFRの今後の課題――サスティナビリティの観点から
 結語

第4章 言語政策――オーストラリア多文化主義の中心とその周縁で[ジョセフ・ロ・ビアンコ(吉浦芽里・宮崎里司訳)]
 はじめに
 1.アプローチ
 2.移民のコンテクスト
 3.原住民のコンテクスト
 4.社会的革新主義者の原点
 5.保守的な革新
 6.多文化教育のスコープ
 7.言語政策
 8.多文化主義の検討課題
 9.分割された学問分野としてのアジア研究
 10.リテラシーとしての英語
 11.90年代における言語政策の後退
 12.言語と文化に関する計画のディスコース
 結論


第2部 多言語教育政策とサスティナビリティ

第5章 オーストラリアの言語教育政策から日本の初等外国語教育を考える――多民族社会ビクトリア州を事例として[奥村真司]
 はじめに
 1.ビクトリア州の多言語教育政策
 2.日本の初等外国語教育への提言

第6章 言語的観点から日本のサスティナビリティを考える――「母語+第一・第二外国語+豊かな人間性」の言語教育[杉野俊子]
 はじめに
 1.言語サスティナビリティ
 2.多言語主義
 3.日本の外国語教育
 4.英語ができれば「国際人」になれる、という幻想
 5.現実に即した言語サスティナビリティ
 結論と提言

第7章 日本の多言語社会とコミュニケーション――意識・政策・実態[オストハイダ テーヤ]
 1.移民国家日本と言語教育政策の現状
 2.「外国語」教育に反映する言語観
 3.共通語としての日本語
 おわりに


第3部 マイノリティの言語政策とサスティナビリティ

第8章 外国人留学生の受入れとサスティナブル社会の実現――言語政策の視点から[飯野公一]
 1.来日留学生の増加傾向
 2.留学生数増加政策――「国益」への貢献を前提
 3.日本の大学の施策と企業のニーズ
 おわりに――留学生の多様性、言語ニーズの多様性の理解へ

第9章 中国の外国語教育政策の動向――「一帯一路」政策を中心に[喬穎・宮崎里司]
 はじめに
 1.中国における外国語教育の歩み
 2.「人的・文化的交流」(人文交流)をねらいとする外国語教育(2014年~現在)
 考察と結論

第10章 文化の持続可能性と部族言語――インド・サンタル語の事例を通して[野沢恵美子]
 はじめに
 1.持続可能性と文化的多様性
 2.文化、言語、アイデンティティ
 3.インド東部サンタル語の状況
 4.サンタル語の言語領域調査
 5.言語の使用領域と運用能力
 6.オル・チキ教室と言語運動
 むすび


第4部 専門分野別言語教育とサスティナビリティ

第11章 変容する社会における専門日本語言語教育とは――ビジネス日本語定義の再考から見える持続可能な専門日本語教育[粟飯原志宣]
 はじめに
 1.ビジネス日本語の定義
 2.専門日本語とビジネス日本語
 3.専門日本語と言語政策
 まとめ

第12章 中国語圏からの外国人観光客受入れに求められる多言語対応について[藤井久美子]
 1.訪日外国人観光客の現状
 2.中国語圏からの訪日外国人のための言語サービス
 まとめ

第13章 司法手続における言語権と多文化社会[中根育子]
 1.司法手続における第二言語・非母語話者の言語権
 2.司法手続における言語権保障の実践
 3.司法手続における言語権の尊重に向けて

おわりに

 索引
著者略歴
宮崎 里司(ミヤザキ サトシ miyazaki satoshi)
早稲田大学大学院日本語教育研究科教授、東京大学国際高等研究所客員教授、日越大学日本語教育プログラム総括、日本言語政策学会(会長)。モナシュ大学日本研究科応用言語学博士(Ph.D.)。専門:第二言語習得、言語教育政策、サスティナビリティ。主著:『ことば漬けのススメ』(明治書院、2010年)(第二回国際理解促進優良図書優秀賞)、『外国人介護職への日本語の教え方――外国人介護職を戦略化するための教本』(編著、日経メディカル開発、2017〔予定〕)
杉野 俊子(スギノ トシコ sugino toshiko)
工学院大学、國學院大學、早稲田大学講師。元防衛大学校教授、工学院大学教授。テンプル大学大学院博士課程修了、教育学博士(Ed.D.)。専門:英語教育学、社会言語学、言語教育政策。主著:「英語の普及にどう向き合うべきか」山本忠行・江田優子ペギー編『英語でデトックス――世界は英語だけじゃない』(くろしお出版、2016年)、「日系ブラジル人――時空を超えた言語・教育と格差の中で」『言語と格差』(共編者、明石書店、2015年)、『アメリカ人の言語観を知るための10章――先住民・黒人・ヒスパニック・日系の事例から』(大学教育出版、2012年)
タイトルヨミ
カナ:グローバルカトゲンゴセイサク
ローマ字:guroobarukatogengoseisaku

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