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定価:5,060円(4,600円+税)
判型:A5
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内容紹介
スポーツは近代以降、国民や文化を統合する役割を果たす一方で、身体を鍛える手段として、あるいは国民を養成する手段として、はたまた娯楽として人々の生活に根づいていった。
1932年に成立して、日本人、中国人、朝鮮人、ロシア人、モンゴル人など、多様な民族が交差した満洲国では、どのようにスポーツが実践され、どんな役割を果たしていたのか。
企業スポーツ、女子スポーツ、朝鮮人や台湾人のアスリート、武道界、明治神宮大会やオリンピックなど各種競技会をめぐる動きに光を当て、満洲と内地・中国・台湾・朝鮮の各地域との力学も視野に入れながら、「労働」「民族」「移動」「国際関係」という視点から満洲のスポーツの諸相を明らかにする。
帝国日本の外縁に位置し、資料の制約から研究が進んでこなかった満洲のスポーツの実態を歴史学や社会学、人類学などの学際的な視点から検証する。満洲スポーツ史から帝国日本や東アジアの近代史を描き出す貴重なプロジェクトの成果。
1932年に成立して、日本人、中国人、朝鮮人、ロシア人、モンゴル人など、多様な民族が交差した満洲国では、どのようにスポーツが実践され、どんな役割を果たしていたのか。
企業スポーツ、女子スポーツ、朝鮮人や台湾人のアスリート、武道界、明治神宮大会やオリンピックなど各種競技会をめぐる動きに光を当て、満洲と内地・中国・台湾・朝鮮の各地域との力学も視野に入れながら、「労働」「民族」「移動」「国際関係」という視点から満洲のスポーツの諸相を明らかにする。
帝国日本の外縁に位置し、資料の制約から研究が進んでこなかった満洲のスポーツの実態を歴史学や社会学、人類学などの学際的な視点から検証する。満洲スポーツ史から帝国日本や東アジアの近代史を描き出す貴重なプロジェクトの成果。
目次
はじめに 高嶋 航
序 章 満洲スポーツの歩み 高嶋 航
1 満洲国建国以前
2 満洲国時期
第1部 労働と定着
第1章 バレーボールの歴史において満洲はいかなる意味をもつのか――競技・レクリエーション・能率増進 新 雅史
1 体育ボール考案以前の満洲でのバレーボール
2 体育ボールの考案
3 体育ボールに至る複数の実践
4 体育ボールの実践空間の増殖
5 体育ボールと能率増進
6 バレーボール・体育ボールの大会とチーム数の増加
7 レクリエーションとしての発展と競技性とのあつれき
8 体育ボールの忘却
コラム1 聚落 新 雅史
第2章 在満日本人の女子スポーツ――婦人の健康問題 浜田幸絵
1 高等女学校のなかのスポーツ
2 学校の外へ出るスポーツ
3 女子スポーツをめぐる問題
4 女学校から職業婦人へ――社会人スポーツ
コラム2 満鉄・満洲国のメディア戦略とスポーツ 浜田幸絵
第3章 一九四〇年前後の満洲における企業スポーツ――満洲電業の事例 束原文郎
1 満電の概要
2 満電社員会の成立
3 社員会によるスポーツ関連事業費の支出
4 野球の実践
5 ラグビーの実践
6 そのほかの部の実践
7 スポーツ関連事業の正当性を主張するロジック
コラム3 昭和製鋼所の企業スポーツ 束原文郎
第2部 民族の移動と統治
第4章 満洲における在満朝鮮人のスポーツ活動 金誠
1 朝鮮人の満洲への移動と統治
2 満洲各地域にみる在満朝鮮人のスポーツ活動
コラム4 満洲で活躍した朝鮮人アスリート 高嶋 航
第5章 満洲の台湾人選手――張星賢と柯子彰 菅野敦志
1 張星賢と柯子彰の生まれと育ち――台湾、東京、そして満洲へ
2 前期満洲時代の張星賢と柯子彰――満鉄での勤務(一九三四―四〇年)
3 後期満洲/大陸時代の張星賢と柯子彰――敗戦に至るまでの足跡(一九四一―四五年)
4 戦後台湾での張星賢と柯子彰――満洲経験を中心に
5 戦後台湾でのスポーツと「愛国」――張星賢と柯子彰の足跡から
コラム5 第十一回明治神宮国民体育大会「満洲国」初参加をめぐる座談会 菅野敦志
第6章 「満洲国」の誕生と満洲建国体操――体操による「満洲国民」創出の試み 佐々木浩雄
1 満洲建国体操の制定
2 満洲建国体操の普及
3 学校体育と満洲建国体操
4 満洲国での集団体操と国民統合
コラム6 満鉄附属地と満洲の体育 佐々木浩雄
第3部 組織化と「国際」関係
第7章 「満洲国」の武道界――満洲帝国武道会の成立と展開を中心に 中嶋哲也
1 満洲帝国武道会の成立――一九三三―三七年
2 武道会の全満統制――一九三八年
3 武徳会との衝突――一九四一―四四年
コラム7 日本人以外の武道実践と角道・銃剣道 中嶋哲也
第8章 「満洲国」スポーツ界と明治神宮大会 藤田大誠
1 満洲国代表の明治神宮大会参加
2 明治神宮大会での満洲国代表
3 幻の「建国神廟国民錬成大会」
コラム8 満洲の神社と体育・スポーツ施設 藤田大誠
第9章 「満洲国」とナショナルチーム 高嶋 航
1 国際スポーツ界進出の軌跡
2 満洲国ナショナルチームの分析
コラム9 史興隆とその弟妹たち 高嶋 航
満洲スポーツ史文献リスト
あとがき 佐々木浩雄
満洲スポーツ史年表
序 章 満洲スポーツの歩み 高嶋 航
1 満洲国建国以前
2 満洲国時期
第1部 労働と定着
第1章 バレーボールの歴史において満洲はいかなる意味をもつのか――競技・レクリエーション・能率増進 新 雅史
1 体育ボール考案以前の満洲でのバレーボール
2 体育ボールの考案
3 体育ボールに至る複数の実践
4 体育ボールの実践空間の増殖
5 体育ボールと能率増進
6 バレーボール・体育ボールの大会とチーム数の増加
7 レクリエーションとしての発展と競技性とのあつれき
8 体育ボールの忘却
コラム1 聚落 新 雅史
第2章 在満日本人の女子スポーツ――婦人の健康問題 浜田幸絵
1 高等女学校のなかのスポーツ
2 学校の外へ出るスポーツ
3 女子スポーツをめぐる問題
4 女学校から職業婦人へ――社会人スポーツ
コラム2 満鉄・満洲国のメディア戦略とスポーツ 浜田幸絵
第3章 一九四〇年前後の満洲における企業スポーツ――満洲電業の事例 束原文郎
1 満電の概要
2 満電社員会の成立
3 社員会によるスポーツ関連事業費の支出
4 野球の実践
5 ラグビーの実践
6 そのほかの部の実践
7 スポーツ関連事業の正当性を主張するロジック
コラム3 昭和製鋼所の企業スポーツ 束原文郎
第2部 民族の移動と統治
第4章 満洲における在満朝鮮人のスポーツ活動 金誠
1 朝鮮人の満洲への移動と統治
2 満洲各地域にみる在満朝鮮人のスポーツ活動
コラム4 満洲で活躍した朝鮮人アスリート 高嶋 航
第5章 満洲の台湾人選手――張星賢と柯子彰 菅野敦志
1 張星賢と柯子彰の生まれと育ち――台湾、東京、そして満洲へ
2 前期満洲時代の張星賢と柯子彰――満鉄での勤務(一九三四―四〇年)
3 後期満洲/大陸時代の張星賢と柯子彰――敗戦に至るまでの足跡(一九四一―四五年)
4 戦後台湾での張星賢と柯子彰――満洲経験を中心に
5 戦後台湾でのスポーツと「愛国」――張星賢と柯子彰の足跡から
コラム5 第十一回明治神宮国民体育大会「満洲国」初参加をめぐる座談会 菅野敦志
第6章 「満洲国」の誕生と満洲建国体操――体操による「満洲国民」創出の試み 佐々木浩雄
1 満洲建国体操の制定
2 満洲建国体操の普及
3 学校体育と満洲建国体操
4 満洲国での集団体操と国民統合
コラム6 満鉄附属地と満洲の体育 佐々木浩雄
第3部 組織化と「国際」関係
第7章 「満洲国」の武道界――満洲帝国武道会の成立と展開を中心に 中嶋哲也
1 満洲帝国武道会の成立――一九三三―三七年
2 武道会の全満統制――一九三八年
3 武徳会との衝突――一九四一―四四年
コラム7 日本人以外の武道実践と角道・銃剣道 中嶋哲也
第8章 「満洲国」スポーツ界と明治神宮大会 藤田大誠
1 満洲国代表の明治神宮大会参加
2 明治神宮大会での満洲国代表
3 幻の「建国神廟国民錬成大会」
コラム8 満洲の神社と体育・スポーツ施設 藤田大誠
第9章 「満洲国」とナショナルチーム 高嶋 航
1 国際スポーツ界進出の軌跡
2 満洲国ナショナルチームの分析
コラム9 史興隆とその弟妹たち 高嶋 航
満洲スポーツ史文献リスト
あとがき 佐々木浩雄
満洲スポーツ史年表
著者略歴
高嶋 航(タカシマ コウ takashima kou)
1970年生まれ。早稲田大学スポーツ科学学術院教授。専攻はスポーツ史、東洋史
著書に『帝国日本とスポーツ』(塙書房)、『軍隊とスポーツの近代』(青弓社)、『国家とスポーツ』(KADOKAWA)、『スポーツからみる東アジア史』(岩波書店)、共編著に『スポーツの世界史』(一色出版)など。
佐々木 浩雄(ササキ ヒロオ sasaki hiroo)
1975年生まれ。龍谷大学文学部教授。専攻は体育史、スポーツ史。著書に『体操の日本近代』、共著に『幻の東京オリンピックとその時代』(ともに青弓社)、『近代日本の身体表象』(森話社)、『オリンピックが生み出す愛国心』(かもがわ出版)、『日本代表論』(せりか書房)など。
タイトルヨミ
カナ:マンシュウスポーツシ
ローマ字:manshuusupootsushi
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