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2023年12月14日発売

花鳥社

出版社名ヨミ:カチョウシャ

中世王朝物語の新展望 時代と作品

時代と作品
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内容紹介
物語文学にまつわる多様なテーマを、新たに中世王朝物語から切りひらく!
物語の生成と享受の場を復元し、日本文化に占める作り物語の位置を把捉する。

気鋭の22名による書き下ろし。対象物語数20作品以上。
目次
はじめに

Ⅰ 中世王朝物語と時代
『無名草子』の老尼が見た時代──中世王朝物語始発期の一断面──……西本寮子
『浅茅が露』の成立環境──北山の聖の自己語りを起点として九条家の周辺に及ぶ──……桜井宏徳
『藤の衣物語絵巻』に描かれた場と時代背景──あそびの宿・修学院・高野山について──……伊東祐子
『夢の通ひ路物語』の成立について再考──頭注は手がかりになり得るか──……安道百合子

Ⅱ 中世王朝物語と和歌
『とりかへばや』和歌表現に見られる時代性──後撰和歌集六七九番歌受容を支点として──……片山ふゆき
中世王朝物語の引歌表現──その〈歌撰び〉の概要──……萩野敦子
『建礼門院右京大夫集』の物語性……小島明子

Ⅲ 中世王朝物語と物語受容
『狭衣物語』から『山路の露』へ──〈その後〉をひらく物語──……小川陽子
「宮の御方」の物語の源流と展開──『在明の別』の「対の上」の物語との関係を中心に──……辛島正雄
『有明の別れ』における『狭衣物語』〈引用〉論序説──作品後半の検討を通した〈主人公〉のあり方の問題提起──……松浦あゆみ
実の親を知る后妃──『在明の別』『いはでしのぶ』における「明石姫君」摂取──……宮﨑裕子
『いはでしのぶ』における「面影」──付、中世における平安時代作品の享受の様相
──……勝亦志織
『木幡の時雨』〈同母姉妹〉の物語としての一様相──『夜の寝覚』との関連をめぐって──……伊達舞
悲恋の物語としての『しのびね物語』『しぐれ』──長恨歌周辺の説話から『源氏物語』、そして「しのびね型」へ──……大槻福子

Ⅳ 中世王朝物語の主題と方法
『古とりかへばや』は駄作か……中島正二
『松浦宮物語』にみる終端技法──跋文に関する私考──……井真弓
『松浦宮物語』終結部の氏忠──「契り」の自覚──……金光桂子
『しづくににごる』考──一品宮と尚侍──……関本真乃
『むぐら』の姉妹──紐帯としての役割──……毛利香奈子
『我身にたどる姫君』の完結性──巻八・新帝への予言をめぐって──……横溝博

Ⅴ 中世王朝物語と絵画
「紅の袴」が表象するもの──『堤中納言物語』「虫めづる姫君」の「白き袴」 序説──……馬場淳子
奈良絵本『花世の姫』伝来考──鹿田静七蔵本から広島大学蔵本への展開──……妹尾好信

あとがき
執筆者紹介
著者略歴
横溝 博(ヨコミゾ ヒロシ yokomizo hiroshi)
東北大学教授。博士(文学)。 著書論文に、『王朝物語論考——物語文学の端境期』(勉誠出版、2023年)、『日本古典文学を世界にひらく:EAJS(ヨーロッパ日本研究協会)で発表しよう』(共編著、勉誠出版、2022年)、「近世における『いはでしのぶ』諸本の展開——前田家本と京大本の比較からの伝本考——」(中野幸一編『平安文学の饗宴』勉誠出版、2023年)、などがある。
金光 桂子(カナミツ ケイコ kanamitsu keiko)
京都大学教授。博士(文学)。 著書論文に、『中世の王朝物語——享受と創造』(臨川書店、2017年)、『時雨物語絵巻の研究』(共著、臨川書店、2016年)、「王朝物語の創始と継承」(吉村武彦・吉川真司・川尻秋生編『国風文化——貴族社会のなかの「唐」と「和」』岩波書店、2021年)、などがある。
西本 寮子(ニシモト リョウコ nishimoto ryouko)
県立広島大学教授。博士(文学)。 著書論文に、「大将たちの「もの思はしさ」——『源氏物語』を継ぐ時代のつくり物語——」(『国語と国文学』第93巻10号、2016年10月)、「うたの記憶——『とりかへばや』の引歌表現」(『日本文学研究ジャーナル』第13号、古典ライブラリー、2020年3月)、分担執筆に「改作への挑戦——今とりかへばやへ」(『「女」が語る平安文学——『無名草子』からはじまる卒論のための基礎知識』原豊二・古瀨雅義・星山健編、和泉書院、2021年)、などがある。
桜井 宏徳(サクライ ヒロノリ sakurai hironori)
大妻女子大学教授。博士(文学)。 著書論文に、『物語文学としての大鏡』(新典社、2009年)、『ひらかれる源氏物語』(共編著、勉誠出版、2017年)、『藤原彰子の文化圏と文学世界』(共編著、武蔵野書院、2018年)、などがある。
伊東 祐子(イトウ ユウコ itou yuuko)
学習院大学助教・都留文科大学非常勤講師。博士(日本語日本文学)。 著書論文に、『藤の衣物語絵巻(遊女物語絵巻) 影印・翻刻・研究』(笠間書院、1996年)、中世王朝物語全集22『物語絵巻集』(笠間書院、2019年)、「平安時代の物語と絵の交渉について——徳川・五島本『源氏物語絵巻』東屋(一)の図様と詞書をめぐって」(伊井春樹監修・池田忍編『講座源氏物語研究』第10巻』、おうふう、2008年)、などがある。
安道 百合子(アンドウ ユリコ andou yuriko)
大分大学准教授。博士(文学)。 著書論文に、「『苔の衣』変奏の構想——為家本『狭衣』の影響を想定して——」『西日本国語国文学』第7号、2020年8月)、「中世王朝物語における「底の水屑」表現の検討——入水譚の変容をたどりつつ——」(『国語の研究』(大分大学)第44号、2019年3月)、『文系のための情報処理入門——パソコンを活用して研究を進めよう——』(共著、和泉書院、2008年)、などがある。
片山 ふゆき(カタヤマ フユキ katayama fuyuki)
北海道教育大学札幌校准教授。博士(文学)。 著書論文に、『『とりかへばや』の研究——変奏する物語世界——』(新典社、2019年)、「『とりかへばや』英訳本における〈変容〉——異性装への認識をめぐる親子の物語——」(乾澄子・萩野敦子編『狭衣物語〈変容〉』翰林書房、2021年)、「逢ひても逢はぬ恋のひとつにてもあらず——『とりかへばや』宰相中将の恋心について——」(『語学文学』第61号、2022年12月)、などがある。
萩野 敦子(ハギノ アツコ hagino atsuko)
琉球大学教授。修士(文学)。 著書論文に、『清少納言——人と文学』(勉誠出版、2004年)、『狭衣物語〈変容〉』(共編著、翰林書房、2021年)、「新たな古文教材の可能性——〈定番外〉の中古・中世王朝物語を中心に——」(『中古文学』第106号、2020年11月)、などがある。
小島 明子(コジマ アキコ kojima akiko)
山梨大学教授。博士(文学)。 著書論文に、『中世宮廷物語文学の研究——歴史との往還』(和泉書院、2010年)、「『栄花物語』富岡本の改修方向」(『国語国文』第85巻第4号、2016年4月)、「『建礼門院右京大夫集』編纂とその背景」(『語文と教育』第35号、2021年9月)、などがある。
小川 陽子(オガワ ヨウコ ogawa youko)
広島大学准教授。博士(文学)。 著書論文に、『『源氏物語』享受史の研究 付『山路の露』『雲隠六帖』校本』(笠間書院、2009年)、中世王朝物語全集14『松浦宮物語 雲隠六帖』(笠間書院、2021年)、「「つくりものがたり」の位相」(横溝博/クレメンツ・レベッカ/ノット・ジェフリー編『日本古典文学を世界にひらく:EAJS(ヨーロッパ日本研究協会)で発表しよう』勉誠出版、2022年)などがある。
辛島 正雄(カラシマ マサオ karashima masao)
九州大学名誉教授。博士(文学)。 著書論文に、『中世王朝物語史論』(上巻・下巻、笠間書院、2001年)、『在明の別残月抄——天下の孤本を新しい校訂本文で読み解く』(九州大学出版会、2021年)、「『竹取物語』享受の初期を探る——伊勢と『大和物語』と『伊勢集』と——」(『西日本国語国文学』第10号、2023年8月)、などがある。
松浦 あゆみ(マツウラ アユミ matsuura ayumi)
京都女子大学非常勤講師。修士(文学)。 著書論文に、「『松浦宮物語』における〝破綻〟の方法——『浜松中納言物語』を前提とした再構成検証——」(『日本文学』第52巻12号、2003年12月)、「〈紫式部〉と音楽——薄雲巻から見た明石の君の〈琴〉をめぐる論理——」(高橋亨編『〈紫式部〉と王朝文芸の表現史』森話社、2012年)、「『浜松中納言物語』の渡唐中の恋をめぐる和歌の役割考——男主人公の〈題号由来歌〉と唐后の「波の上の」詠をめぐって——」(廣田收・辻和良編著『物語における和歌とは何か』武蔵野書院、2020年)、などがある。
宮﨑 裕子(ミヤザキ ユウコ miyazaki yuuko)
九州産業大学教授。博士(文学)。 著書論文に、『石清水物語の研究——第三系統伝本の校本と影印——』(新典社、2014年)、『校本石清水物語』(新典社、2020年)、「『石清水物語』の「中務宮」をめぐって——中世王朝物語における式部卿宮・中務卿宮の位置付け——」(『西日本国語国文学』第9号、2022年8月)、などがある。
勝亦 志織(カツマタ シオリ katsumata shiori)
中京大学教授。博士(日本語日本文学)。 著書論文に、『平安朝文学における語りと書記——歌物語・うつほ物語・枕草子から——』(武蔵野書院、2023年)、『王朝文学の〈旋律〉』(共編著、新典社、2022年)、「「紫のゆかり」の〈変容〉——『いはでしのぶ』における前斎院と伏見姉妹をめぐって」(乾澄子・萩野敦子編『狭衣物語〈変容〉』(翰林書房、2021年)、などがある。
伊達 舞(ダテ マイ date mai)
日本女子大学非常勤講師、武蔵大学非常勤講師。博士(文学)。 著書論文に、「『我が身にたどる姫君』の女四宮——「はなばな」とした特質をめぐって——」(『中世文学』第64号、2019年6月)、「『木幡の時雨』の〈三角関係〉——衣通姫を起点として——」(『日本文学』第66巻3号、2017年3月)、「『とりかへばや』の女君・宰相中将と氏の若君——親子関係の〈文〉——」(井上眞弓・乾澄子・萩野敦子編『狭衣物語 文の空間』翰林書房、2014年)、などがある。
大槻 福子(オオツキ フクコ ootsuki fukuko)
武庫川女子大学非常勤講師。博士(文学)。 著書論文に、『『夜の寝覚』の構造と方法——平安後期から中世への展開』(笠間書院、2011年)、『中世王朝物語の表現』(世界思想社、1999年)、「『夜の寝覚』末尾欠巻部分をめぐって——最新の二断簡の解釈を中心に——」(『國學院雑誌』120巻6号、2019年6月)、などがある。
中島 正二(ナカシマ ショウジ nakashima shouji)
洗足学園中学高校教諭。修士(文学)。 著書論文に、『中世王朝物語『白露』詳注』 (共著、笠間書院、2006年)、「文学史研究用語としての「中世王朝物語」の再検討」(『中古文学』第94号、2014年11月)、「『とりかへばや』の男君後編主人公説再論」(『北陸古典研究』)第34号、2019年12月)、などがある。
井 真弓(イノモト マユミ inomoto mayumi)
清泉女子大学・東京女子大学非常勤講師。博士(文学)。 著書論文に、「『夢の通ひ路物語』主題分析——物語構造と源氏物語摂取の背景——」(伊井春樹監修・三角洋一編『講座源氏物語研究』第4巻、おうふう、2007年)、「『松浦宮物語』主題考」(『清泉女子大学人文科学研究所紀要』第35号、2014年3月)、「『松浦宮物語』終端部に示唆される物語設定」(『語文』(大阪大学)第105輯、2015年12月)、などがある。
関本 真乃(セキモト マサノ sekimoto masano)
北海学園大学准教授。博士(文学)。 著書論文に、『後嵯峨院時代の物語の研究——『石清水物語』『苔の衣』』(和泉書院、2018年)、「『苔の衣』穂久邇文庫本系統諸本について——前田家本系統諸本との比較を通じて」(『北海学園大学人文論集』第69号、2020年8月)、「『いはでしのぶ』巻四の再解釈——伏見大君を中心に」(『国語国文』第86巻第4号、2017年4月)、などがある。
毛利 香奈子(モウリ カナコ mouri kanako)
湘北短期大学専任講師。博士(日本語日本文学)。 著書論文に、『いはでしのぶ物語の研究——王朝物語文学の終焉』(武蔵野書院、2022年)、「「国譲」巻における「うつほ」——閉じられた空間と、動き出す過去」(伊藤禎子編著『うつほ物語——国譲巻の世界』武蔵野書院、2021年)、「『源氏物語』における「まもる」——見出される縁と絆——」(『古代中世文学論考』第36集、新典社、2018年)、などがある。
馬場 淳子(ババ ジュンコ baba junko)
立教大学日本学研究所研究員、立教新座中学校・高等学校非常勤講師。博士(文学)。 著書論文に、「性別越境の物語とジェンダー——『有明けの別れ』がまなざす中世の文化と歴史——」(小峯和明編『日本文学史』吉川弘文館、2014年)、「和歌と絵画による後期物語の享受——閑院宮『狭衣物語』の読解へ——」(高橋亨編『王朝文学と物語絵』平安文学と隣接諸学10、竹林舎、2010年)、「窪俊満画「とりかへばやものがたり」について——メトロポリタン美術館蔵林忠正収集摺物帖「春雨集」より——」(『古代中世文学論考』第20集、新典社、2007年)、などがある。
妹尾 好信(セノオ ヨシノブ senoo yoshinobu)
二松学舎大学教授。博士(文学)。 編著書に、中世王朝物語全集2『海人の刈藻』(笠間書院、1995年)、『中世王朝物語の新研究——物語の変容を考える』(共編著、新典社、2007年)、『中世王朝物語 表現の探求』(笠間書院、2011年)、などがある。
タイトルヨミ
カナ:チュウセイオウチョウモノガタリノシンテンボウ
ローマ字:chuuseiouchoumonogatarinoshintenbou

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