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2021年3月19日発売

松籟社

出版社名ヨミ:ショウライシャ

ベルギーの「移民」社会と文化

新たな文化的多層性に向けて
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内容紹介
世界的に「移民」の現状や背景への関心が高まっている。
そこではともすれば「移民〈問題〉」だけが注目されがちで、「移民」が文化的多様性の醸成や芸術活動の活性化に寄与する可能性は充分な検討がなされていない。
本書は、「移民」社会ベルギーを検討対象とし、「移民」をとりまく文化・芸術面での具体的な制度や方策、個々の芸術家や作品を取り上げ、「移民」の創造的側面を考察する。
目次
序章 ベルギー移民史─建国から現代まで─ (中條健志)

第1部 移民のための社会制度および政策
第1章 「市民化」を促す語学教育 (ルート・ヴァンバーレン)
第2章 市民としてのムスリムの子ども─宗教的・道徳的教育の場の確保と近年の動向─ (見原礼子)
第3章 「文化の多様性」をめぐって─芸術文化分野における政策アプローチと実践─ (井内千紗)

【コラム】ブリュッセルの裏道案内 (山本浩幸)

第2部 移民をめぐる文化実践
第4章 ウージェーヌ・ラールマンスが描いた19世紀末の「移民」と「郊外」 (吹田映子)
第5章 多文化都市ブリュッセルと向き合う「フラーンデレン」の舞台芸術 (井内千紗)
第6章 ケナン・ゴルグンにおける表象と多層的アイデンティティ─ベルギーのトルコ系移民二世作家─ (岩本和子)
第7章 ダルデンヌ兄弟の映画と移民たち (吉村和明)
第8章 ベルギーにおける音楽公演と異文化の影響 (正木裕子)

【コラム】移民の子としてのサルヴァトール・アダモ (高岡優希)
【コラム】「赤い悪魔」と移民の背景をもつ選手たち (石部尚登)
著者略歴
岩本 和子(イワモト カズコ iwamoto kazuko)
神戸大学大学院国際文化学研究科教授。 専攻はフランス語圏文学・芸術文化論(ベルギーのフランス語文学、スタンダール研究)。博士(文学)。 著書に、『周縁の文学─ベルギーのフランス語文学にみるナショナリズムの変遷─』(松籟社)、『スタンダールと妹ポーリーヌ─作家への道─』(青山社)、『ベルギーとは何か?─アイデンティティの多層性─』(共編著、松籟社)などがある。
井内 千紗(イノウチ チサ inouchi chisa)
拓殖大学商学部助教。 専攻は地域文化研究、文化政策、オランダ語文芸翻訳。 著書に『「ベルギー」とは何か─アイデンティティの多層性─』(共著、松籟社)、『現代ベルギー政治─連邦化後の20年─』(共著、ミネルヴァ書房)など、論文として「ポリグロシアを有するテクストの蘭和翻訳に関する比較文化学的一考察─ベルギー・オランダ語圏の現代小説を事例に─」(『比較文化研究』第142号、2021年)などがある。
中條 健志(チュウジョウ タケシ chuujou takeshi)
東海大学国際教育センター講師。 専攻はフランス語圏(フランス、ベルギー、ルクセンブルク)の移民研究。博士(文学)。 著書に『現代ベルギー政治:連邦化後の20年 』(共著、ミネルヴァ書房)、『ルクセンブルクを知るための50章』(共著、明石書店)、訳書に『貧困の基本形態─社会的紐帯の社会学』(共訳、新泉社)などがある。
ルート・ヴァンバーレン(ヴァンバーレン ルート vanbaaren ruuto)
筑波大学人文社会系准教授。 専攻は社会言語学。博士(言語学)。 雑誌論文として「Building Paragraph Writing Skills through Scaffolding」(共著、OnCUE Journal 12(1), pp.47-71, 2019)や「オランダ語の新バリエーション:オランダ語中間言語の実態」(『筑波応用言語学研究』(13), pp.29-42, 2006-12)などがある。金子守著『ゲーム理論と蒟蒻問答』(日本評論社)の英語訳をGame Theory and Mutual Misunderstandings: Scientific Dialogues in Five Acts(Springer-Verlag)として刊行。
見原 礼子(ミハラ レイコ mihara reiko)
長崎大学多文化社会学部・多文化社会学研究科准教授。 専攻は比較教育社会学、子ども社会学。博士(社会学)。 著書に、『オランダとベルギーのイスラーム教育─公教育における宗教の多元性と対話』(明石書店)、Cross-Bordering Dynamics in Education and Lifelong Learning: A Perspective from Non-Formal Education(共著、Routledge)などがある。
吹田 映子(スイタ エイコ suita eiko)
自治医科大学医学部総合教育部門助教。 専攻は西洋近現代美術史(ベルギーの美術と文学、マグリット研究)。博士(文学)。 著書に、『ベルギーを〈視る〉─テクスト─視覚─聴覚─』(共著、松籟社)。論文に、「ルネ・マグリットの講演「生命線」と油彩画《彼岸》─陰を経て光の下に見出す〈生〉のイメージ」(『美学』64巻1号、2013年)、「ルネ・マグリットの「太陽の時代」再考─光と夜、「見る」ことのシュルレアリスム」(『フランス語フランス文化研究』101巻、2012年)などがある。
吉村 和明(ヨシムラ カズアキ yoshimura kazuaki)
上智大学教授。 専攻はフランス文学、表象文化 著書に、『テオフィル・ゴーチエと19世紀芸術』(共編著、上智大学出版)、『文学とアダプテーション』(共編著、春風社)、『テクストとイメージ』(共著、水声社)などがある。
正木 裕子(マサキ ヒロコ masaki hiroko)
ソプラノ歌手。 ベルギー政府給費生として王立ブリュッセル音楽院栄誉賞付き高等ディプロム受賞。フランスマルマンド国際声楽コンクール一位。 アルスムジカ現代音楽祭、へントフェスティバル、ブリュッヘ音楽祭等に出演。オランダ、ドイツ等ヨーロッパ各国、チュニジア、日本各地で公演に出演している。 CD録音にエティエンヌ・ルクレールとベルギー人作曲家6名による「パッスレッル」(Sub Rosa)、室内楽版「ジャパニーズメロディー」(Naxos)他がある。
山本 浩幸(ヤマモト ヒロユキ yamamoto hiroyuki)
「ベルギー青い鳥」編集長。 ブリュッセル在住の日本人がニュースやイベント情報、観光案内、コラムなどを執筆するウェブサイトと月刊雑誌を主宰。現地でしか得られない情報やベルギーの魅力をタイムリーに伝えている。 「ベルギー青い鳥」url https://www.aoitori.be/
高岡 優希(タカオカ ユキ takaoka yuki)
大阪大学他 非常勤講師。 専攻はシャンソン、フランス語教育。博士(言語文化学)。 著書に『声に出すフランス語 即答練習ドリル』、『声に出すフランス語 即答練習ドリル 中級編』、『はじめての声に出すフランス語』(いずれも共著、白水社)、『ディアローグ』(共著、第三書房)などがある。
石部 尚登(イシベ ナオト ishibe naoto)
日本大学理工学部准教授。 専攻は社会言語学(言語政策研究、地域語・方言復権論)。博士(言語文化学)。 著書に『ベルギーの言語政策─方言と公用語』(大阪大学出版会)、『ことばの「やさしさ」とは何か─批判的社会言語学からのアプローチ』(共著、三元社)など。訳書に『右翼ポピュリズムのディスコース─恐怖をあおる政治はどのようにつくられるのか』(共訳、明石書店)などがある。
タイトルヨミ
カナ:ベルギーノイミンシャカイトブンカ
ローマ字:berugiinoiminshakaitobunka

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