近刊検索 デルタ

発売してから、どうですか(仮)

近刊検索デルタで発売前に話題になった本の、発売後の反響や売れ行きを追っかけます。月イチ更新(予定)

第2回:文学通信『国語の授業の作り方 はじめての授業マニュアル』古田尚行

1.発売前の反応はいかがでしたか?

書店からの注文は、150冊程度でそれほど多くありませんでした(1200件程度の書店にFAX)。一方、某巨大ウェブ書店の予約は、かなり多く取れていたように思います。予約実数は確認できないのですが、結果的に初回に240冊注文をもらいました。この「近刊検索デルタ」でもアクセス数ランキングに、けっこう長い間上位に食い込んでいました。それをツイッターで発信してくれていたので、よくRTさせてもらいました。それらも予約購入の後押しになったような気がします。ツイッターに著者がいたのも良かったようです。また事前にネットでかなりの量の本文公開を事前にしていたのが、功を奏したと思います。
このような形です。
http://bungaku-report.com/blog/cat32/

2.発売後の読者や書店からの反響をお聞かせください。

読者はがきが発売から2ヶ月の間に3通も届いたのが嬉しかったです。web経由でも1通いただきました。また購入してくださった方に、次々とツイッターで感想を呟いてもらえたのも嬉しいことでした。書店では、大型書店を中心に、複数回補充してもらっている書店もあり、手応えを感じます。
ただ、まったく宣伝にお金をかけていないので、助かっているのですが、課題です。実はもっと売れる本かも知れないのに、何にもしていないかもしれない、という。創業したばかりなので仕方がないのですが。口コミとウェブが本書を大きく支えているようなのですが、それ以外の展開も考えなければなりません。これは自戒を込めて。

3.本書に続く企画などの予定はありますか?

全く具体化していませんが1〜2年後くらいに同じ著者による『定期試験の作り方』が出るかもしれません。まったく違う本になるかも知れません…未定です。
小社刊行第一冊が『なぜ古典を勉強するのか』というものでした。本書が『国語の授業の作り方』。文学教育・研究についての、こういった直球なテーマの本は他にも進行中です。お楽しみに。

4.増刷の予定などがあれば、さしつかえのない範囲でお知らせください。

発売後2ヶ月で初版の60%を出荷することができました。このままのペースで行けば年末には増刷になりそうですが、売れ方もゆるやかなものになっているので難しいかもしれません。上手くいくといいなと思います。

5.この本を読まれた読者にオススメしたい本はありますか?

本書の第7章に「教材研究のための文献ガイド」というものがあるので、そこを参考にしていただければと思います(私も読まねば…)。 また本ではありませんが、五味渕典嗣氏がnoteに、「高等学校国語科が大きく変えられようとしています」(全11回)【https://note.mu/ngomibuchi/n/n1772700fda5a】をお書きになっています。新しい学習指導要領(平成30(2018)年度告示、2022年度実施)が紹介され、五味渕氏の見立てが述べられているので、アウトラインをつかみ、状況を共有する出発点に良いと思います。新しい学習指導要領が何を「国語」や「文学」としているのか、考えたくなると思います。 本書『国語の授業の作り方 はじめての授業マニュアル』第5章「授業作りで直面する根本問題」では「文学観」の問題が述べられています。学習指導要領に限らず、個々人の発言など、さまざまな場所で定義なく「文学観」は展開されますが、それらを「学び」の問題にして捉え直すと、「文学」の見方は、個々の内部で広がりを持って捉え返せるかもしれません。本書が説く「学び」には、私にとってそんな効用がありました。曲解気味かもしれませんが、本書は全編を通して「学ぶ」「問う」とはどういうことかというメッセージを発している本でもあります。ぜひお読みいただければと思います。(最後は宣伝になってしまいました)。

お答えいただいた文学通信Oさん、ありがとうございます。文学通信『国語の授業の作り方 はじめての授業マニュアル』古田尚行:著、長く確実に売れそうです!

「発売してから、どうですか(仮)」では、今後も、発売前に話題を集めた本の発売後を追いかけていく予定です。次回は10月中旬公開予定。ご期待ください。

国語の授業の作り方

はじめての授業マニュアル

古田尚行

2018年7月13日発売

978-4-909658-01-2

文学通信

なぜ古典を勉強するのか

前田雅之

2018年6月13日発売

978-4-909658-00-5

文学通信


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