







発売してから、どうですか(仮)
近刊検索デルタで発売前に話題になった本の、発売後の反響や売れ行きを追っかけます。月イチ更新(予定)
第3回:パブリブ『タタールスタンファンブック』櫻間瑛+中村瑞希+菱山湧人
1.発売前の反応はいかがでしたか?
執筆者の一人である「タタ村(旧姓:中村瑞希」)さんがTwitterの中央アジア・テュルク系・旧ソ連・ロシア・共産趣味クラスタで非常に人気があり、告知後にかなりRTされた覚えがあります。またもうひとりの著者である菱山湧人さんが管理されている『アクバルス』というブログとTwitterでも効果的に告知宣伝をしてくれました。その結果、このクラスタに所属する人達の間ではごく短期間で話題が浸透しました。しかし書店員の間では「タタールスタン」という地名や言葉があまり馴染みがなかったせいか、残念ながら事前注文はネットでの前評判に比べて少なかったです。
2.発売後の読者や書店からの反響をお聞かせください。
本を手にした人たちが喜んでTwitterに感想や画像をアップしてくれたのですが、書店からの事前注文が少なかった結果、Amazonに注文が一極集中してしまいました。初回搬入分は約一ヶ月でなくなり、すぐに結構な部数を追加で搬入しました。それ以降も何度か在庫切れになったので、人文書としては多めの部数を追加で搬入しています。「ロシア地域研究」のランキングでは発売以降一ヶ月以上ずっと1位をキープし、たまに今でも1位に返り咲くことがあります。タタールスタン本国のテレビでも紹介されました。ミンニハノフ大統領がこの本の存在を認識して、喜んでいたという話をある消息筋から聞かされたのも嬉しい反響です。
3.本書に続く企画などの予定はありますか?
『連邦制マニアックス』の第一弾なので、もちろんシリーズとしての続編は企画しています。ロシア連邦構成体だけでなく、他の連邦制を採る国家の構成体はかなり多くあるので、ネタは尽きません。ただ書ける人がいるかどうかが問題なので、「我こそは」と思う方がいたらご連絡ください。それ以外にもやはり人脈や関心分野は連動していくもので、ロシアや中央アジア、旧ソ連、テュルク系の企画が連鎖的に増えていますね。
4.増刷の予定などがあれば、さしつかえのない範囲でお知らせください。
この手のマニアック本は元々興味を持っている人は出版後、すぐに買っているので、なかなか重版までには至っていませんが、タタール系のザギトワ選手が人気になったり、サッカーの日本代表の宿営地がタタールスタンになったりと話題になることが増えてきています。つい先週もミンニハノフ大統領が来日し、金沢大学とカザン大学の提携が発表されました。日本とタタールスタンの結びつきが強まれば、今まで本の存在を知らなかった人も後になって買う可能性が出てくるので、より一層交流が深まってくれればいいなと思っています。
5.この本を読まれた読者にオススメしたい本はありますか?
ほぼ同じタイミングで長縄宣博著『イスラームのロシア』が名古屋大学出版会から出版されました。著者の長縄さんは『タタールスタンファンブック』の取りまとめ役だった櫻間瑛さんの指導教官との事です。あとはテュルク系の多様性を知るには『テュルクを知るための61章』(明石書店)がお薦めです。実は同じ様な主旨の企画をやりたかったのですが、先を越されてしまいました。翻訳書の学術書の『テュルクの歴史』(明石書店)も同じ頃に出ました。実は近年、日本ではテュルクブームが起きつつあると言えると思います。そう思うと我が社も負けていられませんね。
お答えいただいたパブリブのHさん、ありがとうございます。クラスタでの事前の盛り上がりを書店員の関心にどう結びつけるか、このあたり、当サイトの課題としても肝に銘じます。
「発売してから、どうですか(仮)」では、今後も、発売前に話題を集めた本の発売後を追いかけていく予定です。次回は11月中旬公開予定。ご期待ください。

タタールスタンファンブック
ロシア最大のテュルク系ムスリム少数民族とその民族共和国
櫻間瑛+中村瑞希+菱山湧人
2017年11月10日発売
978-4-908468-19-3
パブリブ

イスラームのロシア
帝国・宗教・公共圏 1905-1917
長縄宣博
2017年11月発売
978-4-8158-0888-4
名古屋大学出版会

テュルクを知るための61章
エリア・スタディーズ 148
小松久男
2016年8月20日発売
978-4-7503-4396-9
明石書店

テュルクの歴史
古代から近現代まで
カーター・V・フィンドリー+小松久男+佐々木紳
2017年8月15日発売
978-4-7503-4469-0
明石書店